自動運転技術a2zが37億円、保険の比較アプリ「SignalPlanner」が7.7億円調達など——韓国スタートアップシーン週間振り返り(10月9日~13日)

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Image credit: Autonomous A2Z, Habit Factory

10月9日~10月13日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは8件で、資金総額は674億ウォン(約74.6億円)に達した。

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主なスタートアップ投資

  • 自動運転ソリューション会社 Autonomous A2Z(오토노머스에이투지)が340億ウォン(約37億円)を調達した。同社は、2018年に設立されたスタートアップだ。無人モビリティに注力し、ボックスカー12人乗りの無人シャトル、300kg以上積載が可能な無人配送2種を運営している。ハイウェイ基準最高速度60kmを無人形態で運転可能だ。調達した資金は、海外進出に活用する。
  • AI ベースの空間情報サービス「MobilTech(모빌테크)」が130億ウォン(約14.3億円)を調達した。空間複製する3D 空間スキャナにより、スマートシティ向けの3D 空間情報、ハードウェア、ソフトウェアソリューションを提供している。今回の投資で国内外の顧客を拡大し、コスダック上場準備予定。
  • Habit Factory(해빗팩토리)が65億ウォン(約7.7億円)を戦略的調達した。保険比較推薦アプリ「SignalPlanner(시그널플래너)」を運営し、AI で顧客別のカスタム商品レコメンデーション、プランナーとの連携相談を提供する。新韓金融からの出資により、顧客カスタマイズ商品開発の協業を推進する。

トレンド分析

第3四半期の投資善戦……下半期には肯定的?

今年第3四半期が終わった。スタートアップが調達した資金額は月単位で増減を繰り返しているが、四半期単位では上昇傾向を見せている。投資環境の悪化により、昨年比の投資額は減少したが、徐々に改善していることが分かる。第3四半期の投資額は昨年同期比32%減少したことが明らかになり、55%以上減少していた第1四半期よりは明確に減ったことが分かった。

第3四半期の調達額の増加を牽引したのはグロースステージのスタートアップだ。第3四半期にはシリーズ B ラウンド以降で資金調達したスタートアップが第1四半期に比べで2倍以上増加した。また、シリーズ C ラウンド以降でも第3四半期は善戦した。プレ IPO ラウンドとともにシリーズ D、E ラウンドの調達が増加した影響だ。

第3四半期の最高調達額も第1四半期より大きくなったことが分かる。Tossbank(토스뱅크)が2,850億ウォン(約310億円)の有償増資に成功し、Musinsa(무신사)が2,000億ウォン(約220億円)、韓国信用データ(한국신용데이터)が1,000億ウォンを調達するなど、1,000億ウォン(約110億円)以上の調達に成功した企業が多かった。

また、第3四半期には100億ウォン(約11億円)以上を調達したスタートアップが第1四半期に比べ20社以上増え、投資の質的側面でも改善されたと見ることができる。第1四半期は大規模調達した少数企業が調達企業全体の半分以上を占めたが、第3四半期以降は500億ウォン(約55億円)以上の調達に成功した企業が第1四半期より増え、資金調達の偏りが減った。

第4四半期にもこの流れが続けば、投資環境の回復に肯定的な影響を与えるだろう。昨年、Startup Recipe が調査した結果によると、多くの投資家は2024年の投資環境の回復を展望していた。ただ、今年第3四半期までの調達総額が昨年上半期の調達総額にも及ばないことがわかっているため、投資の下落が始まった昨年と比べても調達総額はかなり減る見通しだ。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

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