幼児教育コンテンツ開発のgrowVが20億円、OLED蒸着部品開発のFINE1が17億円調達——韓国スタートアップシーン週間振り返り(9月25~29日)

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Image credit: growV

9月25日~9月29日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは8件で、資金総額は721億ウォン(約79.3億円)に達した。

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主なスタートアップ投資

  • エドテック企業 growV(그로비교육)が180億ウォン(約20億円)を追加調達し、累積調達額は440億ウォン(約48億円)に達した。同社は、4歳~8歳を対象に、英語、数学、ハングルなどカスタマイズされたスマート教育コンテンツを専用タブレットで提供する「SuperV(슈퍼브이)」を主力製品として提供。
  • Fine1(파인원)が150億ウォン(約17億円)を調達した。同社は、OLED ディスプレイ蒸着プロセスの核心部品であるマグネットプレートの国産化に成功した企業で、昨年の売上は406億ウォン(約45億円)を達成した。
  • ヘルスケア専門医療機器企業 Curaum(큐라움)が106億ウォン(約12億円)を調達した。Curaum は口腔センサーとソフトウェア医療機器(SaMD)を融合した次世代医療サービスを開発する企業で、慢性睡眠疾患(閉塞性睡眠時無呼吸症など)を治療する機器「Oralog(오라로그)」を開発・提供している。
  • AI 翻訳スタートアップ XL8(엑스엘에이트)が100億ウォン(約11億円)を調達した。同社はメディアコンテンツローカライゼーションソリューション「MediaCAT(미디어캣)」を開発・運営している。調達した資金を使って、アメリカ、ヨーロッパ、中東市場への進出を加速させる。

トレンド分析

投資が集中するフードテック

フードテック業界は以前よりも投資の下落を経験しているが、現在の投資環境を考えると、まだ投資家から大きな関心を集めていると言える。Startup Recipe のデータによると、今年は9月までに、フードテックスタートアップは3,469億ウォン(約380億円)を調達した。 縮小した投資環境でも、いくつかの注目すべき取引が行われ、この産業に依然として関心と投資があることを示した。 投資ステージもシリーズ B ラウンド以降の割合が大きかった。

投資はフード e コマースを筆頭に、予約や決済などレストラン運営の DX(デジタルトランスフォーメーション)を構築するスタートアップ中心に大規模投資が行われている。 IPO を狙った e コマース企業が市場状況の悪化に伴い上場を延ばしたが、最も多くの投資金が集まった分野も断然 e コマースだ。

培養肉などの代替肉への投資は停滞している状況で、大規模投資は少数に過ぎないが、シード投資が引き続き行われていることから、気候変動対応による代替食品への関心は回復する見込みだ。今年は機能性食料品をはじめ、キッチンや食堂で活用されるサービス型ロボットの成長が注目に値する。キッチンロボット、給仕ロボットなど、飲食店の運営効率を高め、人件費を削減する無人ソリューションと自動化ソリューションを保有したスタートアップは、今後も投資家に注目される見込みだ。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

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