契約中サービスを一元管理、サブスク見直しSaaS「ScribeUp」がローンチ2ヶ月でユーザ1万人突破

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Image credit: ScribeUp

4分の3の人が、利用していないサブスクサービスにお金を払っている。

世界的なデータ会社 C+R Reasearch が2022年発表したサブスク統計に関する報告書によると、約75%の人が毎月請求書を受け取っているにもかかわらず、それに気づかないまま利用していないサブスクサービスの料金を支払っているという。

ほとんどの消費者は自動引落に慣れているため、その利便性から消費者は日々の支払の詳細にほとんど注意を払わなくなる。C+R Reasearch の報告書に示されているように、約75%の人が自分がどのサービスに加入しているかをしばしば忘れていることを認めている。

ScribeUp のサブスク経費管理プラットフォームは、このような無駄を解決するために設計されている。競合他社と異なり、ScribeUp はバーチャルクレジットカードのコンセプトを取り入れ、無料トライアルの有効期限を知らせるリマインダーや、ユーザが支払額を一目で確認できる支出集計表を提供する。ローンチからわずか2ヶ月だが、すでに1万人以上のユーザを獲得し、一人当たり平均700米ドルの無駄な出費を節約している。

ScribeUp は2023年9月、台湾人が創業した Mucker Capital と有名アクセラレータ MassChallenge からシードラウンドで300万米ドルを調達した。調達した資金は、今後の新機能の研究開発に使用される見込みだ。

サブスク情報を一元化、不要な経費を削減するバーチャルカードを発行

ScribeUp 共同創業者 Jordan Mackler 氏

ScribeUp 創業者の Jordan Mackler 氏と Yohei Oka 氏は2020年、サブスク料金の問題に着目しサブスク情報を統一的に管理するプラットフォームをローンチすることで、取引に対してユーザの積極的な管理への関わりの役割を取り戻したいと考えた。

3年にわたる研究開発の末、2023年7月についにこのプラットフォームはローンチされ、瞬く間に1万人以上のユーザを獲得した。

ScribeUp は、新しいサブスクサービスを試す場合と、すでに利用している既存のサブスクサービスを管理する場合の2つの状況を想定して設計されている。

ScribeUp Card は、ユーザが ScribeUp アカウントを申請した際に受け取る、パーソナライズされたバーチャルクレジットカードで、新しいサブスクサービスを試すことができるように設計されている。

ScribeUp Card は、ユーザが有料版のサブスクサービスの無料トライアルを申し込む際に、バーチャルカードの情報を入力することで、無料期限に気付かずに課金されることを回避できる。期限がが近づくと、システムはユーザに通知し注意を促す。

Image credit: ScribeUp

既存のサブスクサービスについても、ScribeUp に銀行口座とクレジットカード情報を接続し、各サブスクサービスの支払日前に利用者に通知することで、ユーザはその月の支払状況やサービス退会の可否を知ることができる。

統一されたサブスク管理は新しい概念ではない。では、ScribeUp はどのようにして障壁を突破し、企業の投資を引き付けたのだろうか?

Mackler 氏の説明によれば、利用しないサブスクソフトウェアのために月額料金を支払うユーザを減らすために、これまでの企業はサブスク管理の問題を2つの方法で解決してきた。1つは、料金引落の請求書を整理し、ワンクリックでサブスクを解約できるサービスを提供する方法、もう1つは、消費者が請求書をシステムにインポートし、次回の請求通知を受け取る前に気に入らないコンテンツのサブスクを解約できるようにする方法である。

しかし、前者は代金が引き落とされた後にしか退会できず、後者は消費者が主体的にサブスク内容を整理する必要があり、どちらも欠点がある。ScribeUp プラットフォームは、前者のワンクリック退会機能と後者の能動的退会機能の利点、さらに自動リマインダーを組み合わせ、全てのサブスクサービスに関する情報を集約することで、ユーザが課金される前に利用頻度や自身のサブスクの好みについて考えることを可能にし、サブスク管理の新たなビジネスモデルを創出する。

ScribeUp は2023年8月、Mucker Capital と MassChallenge からシードラウンドで総額300万米ドルを調達したと発表した。この際、Mackler 氏は、チームは現在も、現在無料で利用できるパーソナライズされたリマインダーや請求リマインダーなどの新機能に取り組んでおり、新たな調達資金により、クレジットカード会社との提携を通じ、新機能のローンチを加速させると述べた。

現在、ScribeUp は提供するサービスに対して手数料を徴収しておらず、チームは銀行との提携を通じて利益を得ている。銀行側は、ユーザがバーチャルクレジットカードを使って支払を行った場合、手数料の一部を ScribeUp チームに提供するが、この手数料がユーザの処理手数料に転嫁されることはない。

サブスク2.0:導入効果とユーザ体験がカギに

経営コンサル大手 Kearney が2022年に実施したサブスクサービスに関する消費者調査によると、92%の人々が少なくとも1つのエンターテイメント系サブスクサービスに加入しており、40%が加入しているアプリの数が多すぎると考えている。

Forbes によれば、インフレの到来とサブスク市場の競争激化により、これまで企業が相次いで立ち上げてきたサブスクサービスはピークを過ぎ、多くの加入者が退会するサブスク疲れの状況から、巨額の損失の可能性に直面しているとのことだ。ついに、サブスク2.0の時代が到来だ。

サブスクサービスは、短期間ではその価値が見いだせなかったり、支払った金額とユーザ体験がイコールにならなかったりするものであり、ユーザがサブスクサービスを継続的に利用するかどうかは、成果とユーザ体験の2つの要素が重要な判断材料となっている。

サブスク疲れから抜け出す方法を見つけるために、企業は既存のサブスクソリューションを常に改良している。それが、複数事業者のサービスを統合パッケージ化されたサブスクサービスであれ、ユーザ固有のサブスクソリューションであれ、ScribeUp は、サブスク2.0の波に乗り、サブスク習慣を慎重に見直すことに慎重になっているユーザに包括的なソリューションを提供している。

【via Meet Global by Business Next(数位時代) 】 @meet_startup

【原文】

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