世界各国から4万人が参加、「SusHi Tech Tokyo 2024」が開幕

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Image credit: Masaru Ikeda

※ 都知事の発言引用は英語によるもののため、会場やオンラインで提供された同時通訳とは表現に差異がある場合があります。

東京都などが開催するスタートカンファレンス「SusHi Tech Tokyo」が開幕した。昨年は、SuShi Tech(Sustatinable High City-Tech)をテーマに「City-Tech.Tokyo」とされていたが、カンファレンス名も「SusHi Tech Tokyo」に統一された。スタートアップカンファレンス以外に、東京のベイエリア(ウォーターフロント)を中心に、エンターテイメント色の強いショーケースイベントなども併催される予定で、これら含めた合計参加者数は4万人(事務局発表)に達する見込みだという。

イベント数が違うため単純比較はできないが、昨年の3〜4倍の参加者数に達する事になる。SusHi Tech Tokyo 2024 の Global Startup Program が開催される15〜16日の2日間以外にも、都内各所で地元のスタートアップエコシステムビルダー、各国のスタートアップ支援組織や経済促進組織、ベンチャーキャピタルなどがサイドイベントを開催している。冒頭挨拶に登壇した東京都知事の小池百合子氏は、東京が目指す持続可能な都市への変革とイノベーション促進に向けた決意を強調した。

冒頭挨拶する東京都知事の小池百合子氏
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東京都は、挑戦を奨励し、5年間で10億ドルの支援を行う挑戦者のための都市に生まれ変わる。世界経済がめまぐるしく変化を遂げる中、日本の経済的な潜在力と政治的安定性が高まっており、スタートアップを支援し育成する好機がやってきた。

古着や割れた食器を修理して再利用する習慣、(使い捨てでない)風呂敷を使って持ち運んだり、玉川上水といった高度な土木技術による水道供給システムなど、江戸時代の循環型経済の流れを組む持続可能性に関する DNA が、東京には昔から息づいている。

世界有数の鉄道網、どこでも安全な水が飲める上水道、再生可能エネルギーや水素エネルギーの活用による排出ガスゼロを目指している。さらに、歌舞伎や能、浮世絵から最新のマンガやアニメまで、多様な文化の共存も東京の強みだ。(小池氏)

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東京都が昨年11月、有楽町にプレオープンした「TOKYO INNOVATION BASE(TiB)」もこの日、グランドオープンを迎えた。SusHi Tech Tokyo 2024と歩調を合わせる形で、いくつかのサイドイベントが TiB で開催される予定だ。小池氏はプレオープンから半年足らずの間に100を超すイベントが TiB で開催され、すでに活発な活動の場となっていることを強調、「TiB を通じて、東京から生まれる革新的なアイデアがグローバルに発信され、世界に広がっていくことを期待したい」と想いを込めた。

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15日から始まる SusHi Tech Tokyo 2024の「Global Startup Program」では、150人を超える専門家や著名人が登壇するセッションでは、ビジネスとテクノロジーの境界を越えた活発な議論が行われ、将来の都市のあり方について考える貴重な機会となることが期待される。また、ピッチコンテスト「SushiTech Challenge 2024」では、国内外から集まった500超の製品・サービスの中から、グローバル課題解決につながる技術やアイデアが選出される。

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さらに、インフラ、環境、教育、文化、インパクトといった都市を形作る5つのメイン分野に分かれ、430を超える国内外のスタートアップが出展する展示会が開催される。出展エリアは世界48か国・地域からの出展団体で構成され、新たな試みとして5つの国・地域がパビリオンを出展、また、今回は日本の自治体や大学などが出展する「Japan Ecosystem Area」も用意された。大企業26社のブースではオープンイノベーションの創出が期待されるほか、ベンチャーキャピタリストや投資家とのマッチングの場が新設された。

学生チームが主体的に運営するパビリオンも開設された。学生らは、SusHi(寿司)になぞらえて「Itamae(板前)」と名付けられ、若者のためのトークセッションやワークショップ、展示会などを実施する。会場外でも、東京を中心に68件ものパートナーイベントが開かれる。40を超える世界各国の都市リーダーが一堂に介し、都市課題の解決に向けた協力を深める「City Leaders Program」からは、ヘルシンキとナイロビがスタートアップ連携で逆提案する「リバースピッチ」を行う。

(画像の一部を加工しています)
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充実した時間を過ごすためには、美味しい食事は欠かせない。日本の宝である東京の食は、多様なラインナップが用意されている。ベイエリアの各会場では、さまざまな東京の味覚を楽しむことができるだろう。最新の冷凍技術を活用した、本物さながらの出来立ての美味しい寿司も振る舞われる。皆さんは、その寿司を味わいながら、SushiTech Tokyo を存分に堪能していただきたい。(小池氏)

(画像の一部を加工しています)
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