チャットではなくメールで頼むAIアシスタント「Mindy」、Sequoia Capitalから600万米ドルをシード調達

Image credit: Mindy

Microsoft が OpenAI に100億米ドルを投資し、ChatGPT を新しい検索エンジン「Bing AI」に連携して以来、私たちは「AI アシスタント」について、ますます想像を膨らませている。Microsoft の CEO Satya Nadella(サティア・ナデラ)氏、AI 導入後の Bing のデイリーアクティブユーザ数は1億人を超えたと述べている。

このような状況に直面した元 PayPal と YouTube のエンジニアたちは、AI メール「Mindy」で AI アシスタント市場に参入することを選んだ。ミンディは、誰もが仕事や生活の「参謀」となり、物流問題から詳細な検索分析までアドバイスを提供することを望んでいる。Sequoia Capital を筆頭とする有名なベンチャーキャピタルは、彼らに600万米ドル近い資金を投下したほどだ。

Bing AI とは異なり、Mindy はメール使って差別化

Mindy を使用するには、アプリケーションをインストールする必要はない。[email protected] にメールを書いてニーズを表明するだけで、Mindy が関連する提案をする。

1.生活関連

生活面では、人々はしばしば面倒を恐れ、行動を起こさない。例えば、「○○の近くのコンサートに行きたいが、スケジュールが合わない」「東京への家族で旅行に行きたい」など、Mindy を使えば、あなたのニーズや心配事をメールに記載するだけで、可能な手配の概要を教えてくれるので、行動を起こすかどうかの判断材料が得られる。

メールとカレンダーを組み合わせて、最適な外出プランを提案。
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旅行の手配については、Mindy は心配事を条件付きの仮定に変えて、可能な旅程を提案する。
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2.仕事の補助

職場で新しいツールに慣れる必要はない。Mindy にメールで「xx社の過去8四半期の財務報告書を教えてください」と頼めば、Mindy がインターネットで情報を探し、数分後にメールで返信してくれる。

ユーザは Mindy を メールによる AI 秘書として考えることができる。想像することができる。Mindy にメールで「xx社の過去8四半期の財務報告書を教えてください」と頼めば、Mindy がインターネットで情報を探し、数分後にメールで返信してくれる。

Mindyチームは、Yu Pan 氏、Cuong Do 氏、Benoit Berthoux 氏によって2023年に設立された。中でも、Pan 氏はPayPal と YouTube の創業エンジニアだった。チームがメールを媒介に選んだ理由は、メールには件名があるからだ。それに、チャットでは一度に多くのメッセージが入力され、文字情報が乱雑になり過ぎて大規模言語モデル(LLM)が混乱してしまう。

オフィス環境では、メールを媒介とする Mindy が有利かもしれない。ユーザは単一のインターフェースで指示を出し、返事を受け取ることができ、データの問い合わせに加えて、Mindy は本物の秘書のようにスケジュール管理を支援することもできる。

しかし、Mindyの応答はまだ完璧ではない。例えば、プロンプトが英語でも中国語でも、Mindy の応答には情報源が含まれることもあれば含まれないこともあり、場合によっては、ユーザが自分で確認しなければならないこともある。

Mindy は Yu Pan 氏、Cuong Do 氏、Benoit Berthoux 氏によって2023年に設立された。Pan 氏は PayPal と YouTube の創業エンジニアだった。
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AIアシスタントは未来の仕事仲間?

それでも Mindy は、Sequoia Capital がリードしたシードラウンドで600万米ドルを調達した。Sequoia Capital のマネージングパートナー Roelof Botha 氏によると、Mindy の利点は、ユーザが新しい作業習慣を作る必要がなく、既存のデジタルツールに生成 AI を適用していることだという。世界中では40億人以上がメールアカウントを持っていて、Mindy には消費者が利用する際の障壁がない。

台湾でも、Tricuss は LINE と生成 AI を組み合わせ、台湾に2,000万人以上いる LINE ユーザのビジネスチャンスを拡大しようとしている。Mindyと同様に、Tricuss をLINEの友だちに追加することで、ユーザは AI アシスタントにチャットルームでのスケジュール調整や文書翻訳などのタスクを依頼することができる。

台湾の最新イノベーションは、生成 AI とLINEを組み合わせたものである。ユーザは、Tricuss をLINE の友だちに追加するだけで、AIアシスタントにチャットルームでのスケジュール管理や文書の翻訳などのアクションを依頼することができる。
Image credit: Tricuss

先進的な AI 製品のブレークスルーの敷居がどんどん高くなる中、現在のデジタルツールの文脈に AI を融合させた「AI コラボレーション製品」がトレンドになる可能性があり、Y Combinator は2024年にそのようなスタートアップ65社に投資しているが、もはや  AI 技術やデータ量を過度に追求するのではなく、むしろ、日常生活に AI を融合させることを重視していることがわかる。

【via Meet Global by Business Next(数位時代) 】 @meet_startup

【原文】

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