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廣澤太紀氏率いるTHE SEED、若手起業家らとこれからの10年のスタートアップシーンを考えるカンファレンスを開催へ

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先週、BRIDGE は誕生の日(当時はイベント運営のオーガナイザーであり、Startup Dating の名前だった)から十年を迎えた。福岡がスタートアップハブとして頭角を現すきっかけとなった明星和楽も、第1回の開始からまもなく十年だ。ドッグイヤーと言われて久しいものの、「新たなムーヴメントを作るには、やっぱり十年を要するかも」というのが最近の筆者の口癖だが、十年経つと十歳年をとるわけで、そこには…

The Seed Capital の廣澤太紀氏と、New Innovations 代表取締役 CEO の中尾渓人氏。
二人は THE FUTURE に登壇予定。

先週、BRIDGE は誕生の日(当時はイベント運営のオーガナイザーであり、Startup Dating の名前だった)から十年を迎えた。福岡がスタートアップハブとして頭角を現すきっかけとなった明星和楽も、第1回の開始からまもなく十年だ。ドッグイヤーと言われて久しいものの、「新たなムーヴメントを作るには、やっぱり十年を要するかも」というのが最近の筆者の口癖だが、十年経つと十歳年をとるわけで、そこには世代間ギャップも生じてくるし、世代交代も必要になるだろう。

2年前弱冠26歳にして、シードスタートアップ向け VC「The Seed Capital(ザ シード キャピタル)」を設立した廣澤太紀氏もまた、スタートアップシーンに、こういった世代間ギャップの是正や世代交代の必要性を感じている。一度イグジットを果たした起業家やシリアルアントレプレナーの世代の厚みが増してきている分、廣澤氏らと世代を同じくする若手起業家にとってはハードルが上がっているという。シニア層に遠慮してか、廣澤氏の世代からはっきりとした言葉で、そのような指摘を受けることは今までになかった。

シリアルアントレプレナーの人たちがチャレンジをする事例が増えている。彼らは経験もあるので、資金調達や事業規模などのサイズ感も大きい。クロステック系のスタートアップは既存ビジネスの DX なので、ビジネス経験のあるシニアの人たちの方が有利。

そうした結果、若手が起業の名乗りを上げるのが難しくなってきているのを感じる。若い起業家が最初の調達で1,000万円や2,000万円集めた程度では目立たなくなってしまった。若手起業家にメンターをしてくれていたシニアの起業家は自分の事業に忙しくなり、メンターを探すのも以前に比べ難しくなってきている。(廣澤氏)

最近ブームのオープンイノベーションも、スタートアップが成長の活路を見出す手法としては有用なものの、伸るか反るかでホッケースティック的な成長に賭ける起業家にとっては、対極にある選択肢かもしれない。オープンイノベーションも典型的なパターンは国内で需要と供給がグルグル回る形であるから、このモデルでは、例えば、日本から世界を目指し、外需に応えるスタートアップを生み出すという大きな夢は描きにくい。

New Innovations 代表取締役 CEO の中尾渓人氏(右)は大阪出身。事前注文型のカフェロボット「root C」を開発しており、先月、THE SEED を含む投資家から1.7億円の調達を発表した。

一方で、東京かそれ以外か、というギャップも存在する。新型コロナによる社会変化が常態化すれば、地方の起業家は一度も上京せずに東京のベンチャーキャピタルから資金調達するのが当たり前になるかもしれない。地方の起業家が高いコストを払って慣れない地へと集まるのは、投資家はもとより、苦楽を共にする他の起業家などスタートアップのコミュニティ機能を求めてのことだ。新型コロナが収束しても、スタートアップシーンの醸成に必要な基本機能は、東京以外の場所にも定着してほしい。

THE SEED ではシニアの若手のギャップ、東京とそれ以外の地域のギャップに焦点を当て、これからのスタートアップシーンの10年を若手起業家らと共に考えるカンファレンス「THE FUTURE」を今月22日に開く。初回はバージョンゼロと位置づけ、三密防止の観点から全てのコンテンツをオンラインで配信する予定。将来起業を志す地方の若い世代にとっても、東京に足を運ばずして同世代から有用な言葉を聞ける良い機会となるだろう。

今から十年ほど前の TechCrunch 40 か TechCrunch 50 のメインステージのピッチで、かなり高齢の起業家がひどいフランス語訛りの英語でプレゼンしているのを見て衝撃を受けたことがある。当時の日本では、起業家と言えば、だいたいスタイルが決まっていて、そこから大きくかけ離れた存在だったからだ。何歳になってもスタートアップできるんだと確信させられた。男であれ女であれ、LGBTQ であれ、何歳であれ、このダイバーシティこそがスタートアップシーンの極みなのだろうと。

おそらく THE FUTURE が目指すのも、決してベテランやイグジットしたシニアの起業家の再挑戦を否定するものではない。そういう人もいていいが、一方で、経験未熟な若手起業家にだって、もっとチャンスがあっていいではないか、という心の叫びである。日本のスタートアップシーンにも、本当のダイバーシティがもたらされることを願ってやまない。

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自分好みのコーヒーを淹れてくれるロボット「√C(ルートシー)」が大阪に爆誕ーーTHE SEEDとDEEPCOREらから資金獲得、実証実験開始

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ロボット及び需要予測システムを開発するNew Innovationsは7月30日、人工知能による需要予測が可能な無人のカフェロボットの実証実験を開始すると公表した。難波駅にあるなんばスカイオ1階にあるロビーに設置されたロボット「√C(ルートシー)」にて需要予測AIの精度向上を目的に実施される。期間は8月1日から31日まで。 実証実験はいくつかの段階に分かれており、今回は提供側として通行量や天候…

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開発者で代表取締役の中尾渓人氏(写真左から二人目)

ロボット及び需要予測システムを開発するNew Innovationsは7月30日、人工知能による需要予測が可能な無人のカフェロボットの実証実験を開始すると公表した。難波駅にあるなんばスカイオ1階にあるロビーに設置されたロボット「√C(ルートシー)」にて需要予測AIの精度向上を目的に実施される。期間は8月1日から31日まで。

実証実験はいくつかの段階に分かれており、今回は提供側として通行量や天候、時間帯等などの変動要素をふまえ、生活導線上でどのような需要が予測できるかを検証する。

また同社はこれにあわせ増資についても公表している。第三者割当増資によるもので、引受先となったのはTHE SEEDおよびディープコアほかから。調達した資金は総額約7000万円で出資の比率など詳細は非公開。

√Cは自分にあったコーヒーを探すのではなく「コーヒーの方からユーザーに合わせる」ことをコンセプトにした需要予測AIを搭載した無人のコーヒーマシーン。今回の実証実験などを経て、将来的に味の好みや忙しさ、体調や気分などに合わせたコーヒーを待ち時間なく提供してくれることを目指す。

同社を創業した開発者の中尾渓人氏は1999年生まれの学生起業家。14歳から自律型ロボットの開発を手がけ、競技大会「ロボカップジュニア」に日本代表として参加した実績を持つ。本誌では中尾氏に今回の実証実験にあたりショートインタビューを実施した(太字の質問は本誌佐々木峻。回答は中尾氏。編集:平野武士)

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設置予定のコーヒーロボット√C

難波駅で最初の実証実験をされるんですね

中尾:鉄道会社やディベロッパーが人々の生活の基盤となる存在でありながら、移動手段だけにとどまらない付加価値の提供をもとめられる中、需給予測AIを活用した顧客体験にご期待いただけた結果です。テナントとしての高い収益性みもちろんですが、やはり鉄道が街全体を活性化させていく側面で、弊社プロダクトを通じてより多くの人が新たなコーヒー購買体験を経験し、結果として他のテナントへの好影響へと繋がる部分もご期待いただいています。

√Cではユーザーはどのような体験を得られるのでしょうか

中尾:今回の実証実験においては、通勤・通学の途中に√Cの店舗に立ち寄っていただき、上質で美味しい淹れたてコーヒーを待ち時間なく提供することが可能です。コーヒー自体は、ホテルのラウンジや喫茶店で一杯800円〜1200円で提供されているものと同じブレンド豆を使用しています。また今回の実証実験の特徴として、注文後の待ち時間は5秒を目標値としており、需要予測AIの精度向上より待ち時間が徐々に改善される予定です。

今回の実証実験はロボットが自分好みのコーヒーを淹れるために必要なAIの精度向上を目的とされていますが、今後、実証実験で試したいと考えている仮説について教えてください

中尾:まず今回の実証実験では(1)コーヒー購買における需給予測AIの実装と、(2)消費財としてのコーヒーの提供が人々の生活動線上に最適化されたときのニーズの深さ、の2点を検証する予定です。私たちはコーヒー購買が消費財と似た傾向にあると捉えていて、その中でユーザーが最も重視するのは「いかに生活動線上に最適化されているか」であるという仮説を検証していく予定です。

毎日買うものですからね。提供側として平日の暑い日にどういうコーヒー需要があるかを把握できていれば、提供スピードが短縮される。ちなみにどういう情報を取得する予定なのですか

中尾:過去の全ユーザーの購入履歴や時間帯による購入比率、店舗前の通過人数、近隣の大規模イベントの有無、ユーザー属性、天気や湿度、改札通過人数をはじめとする多数のデータを組み合わせて需要予測をする予定です。

そのあとにパーソナライズも検証する

中尾:はい、今後の実験計画としてユーザーからのアプリを用いた事前注文データや、定期利用ユーザーの嗜好等も考慮される予定です。

今回出資者についても公表されました。ファンドについては数も増えてきてエコシステム全体の厚みが増していますが、特にこういったディープなAI技術を持つスタートアップとして今回の2社を選んだ理由について教えて下さい

中尾:今回の実証実験の舞台となる南海電気鉄道さんもそうですが、THE SEEDさんからは企業ネットワークの提供や採用を中心にご支援いただいています。また代表の廣澤(太紀)さんも私自身も関西出身ということもあって、まだ実績のない中、実証実験第一弾を関西で実施できる運びとなりました。DEEPCOREさんはAI特化VCとして需給予測AIの構想段階からお手伝いいただき、インキュベーション施設にも入居させていただいています。

ありがとうございました。

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「起業家に一番寄り添う投資家に」ーーEast Ventures・Skyland Ventures出身の26歳投資家、廣澤太紀氏が新ファンドを設立

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East Ventures・Skyland Venturesと2社で経験を積んだ廣澤太紀氏は9月4日、シードラウンドのスタートアップ向けベンチャーキャピタル「The Seed Capital(ザ シード キャピタル)」の設立を公表した。出資者として参加するのは、ユナイテッド、マネックスグループ代表執行役社長CEOの松本大氏、メルペイ取締役兼CPOの松本龍祐氏、デザインワン・ジャパン代表取締役の高畠…

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同ファンド代表の廣澤太紀氏

East Ventures・Skyland Venturesと2社で経験を積んだ廣澤太紀氏は9月4日、シードラウンドのスタートアップ向けベンチャーキャピタル「The Seed Capital(ザ シード キャピタル)」の設立を公表した。出資者として参加するのは、ユナイテッド、マネックスグループ代表執行役社長CEOの松本大氏、メルペイ取締役兼CPOの松本龍祐氏、デザインワン・ジャパン代表取締役の高畠 靖雄氏、適格機関投資家として日本テクノロジーベンチャーパートナーズの無限責任組合員村口和孝氏。ファンド規模は最大10億円となっている。

投資対象はシードラウンドのスタートアップ。事業領域などはIT関連であれば、絞らないということだ。「1社へは出資が決まっており、他数社と検討中」(廣澤氏)とファンド自体は既に動き出している。同ファンドからは20から30社程度への出資を想定しているそうだ。

本誌でも取材している若手投資家グループ「Sprint」など、同分野で活躍する若手プレイヤーが増えてきた。そんな中、廣澤太紀氏は同ファンドの設立について次のように話す。

「CFOをしていた会社や大学時代の友人が起業家になった会社の側で、企業ストーリーを身近に感じてきました。そんな中、もっと起業家たちと寄り添っていきたいという気持ちを常に持っていたんです」(廣澤氏)

創業初期への投資にこだわるのは「一緒に進みたいから」

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THE SEEDはその名のとおりタネという意味、率直にいこうと思いました(廣澤氏)

VCに憧れ、ずっとシード投資がしたかった」とシードラウンドへの投資へこだわる廣澤氏。スタートアップコミュニティのHiveShibuya立ち上げや、スタートアップ関西などのコミュニティ立ち上げも多く携わっている。

出資先に対しては、バックオフィス面やマーケティング、プレスリリースの作成など細かな作業をもスタートアップのメンバーのように支援していた。そういった部分まで支援する理由を、廣澤氏は「起業家に寄り添って、この業界に優秀な人を増やしたい」と話す。

「同世代のキャピタリストの中で、自分が誇れることといったら『誰よりも多くの人と会ってきたこと』です。フェイスブックの共通の友達がスタートアップにいないような人とも会ってきました。

僕も関西にいて、(Skyland Venturesd代表取締役の)木下さんや(East Venturesの)松山太河さんが発信をしてくれていたからこそ、東京に連れてきてもらい、憧れる人と出会えたんです。だから今度はベンチマークになる人の提案をスタートアップ外の人に提案し、僕が人を連れてくる。寄り添う側になろうと思ったんです」(廣澤氏)

今後は個別の相談会や関西に著名な起業家と触れる接点をつくるスタートアップ関西などを実施し、コミュニティを拡大していく方針だ。スタートアップ領域に足を踏み込んでいない人や実務経験が少ない優秀な人の発掘を目指す。

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