THE SEED、15億円規模の2号ファンドを組成——1号ファンドからは十数社に出資、有望社が頭角を表す

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THE SEED 代表と投資先の皆さん。左から:廣澤太紀氏(THE SEED 代表)、中尾渓人氏(New Innovations)、中道貴也氏(AGRI SMILE)、冬野廉人氏(SoLNi)、西澤理花氏(Chai)
Image credit: The Seed

シードスタートアップ向け VC「The Seed Capital(ザ シード キャピタル、以下、THE SEED と略す)」は29日、同社のファンド「THE SEED」の2号ファンドを最大15億円規模で組成することを明らかにした。今週ファーストクローズを迎え、LP との契約・着金ベースで調達完了額は6億円に達する見込み。潜在的 LP との口頭ベースでのやりとりを含めると、10億円ほどの調達が見えているという。

2号ファンドの LP には、大広、ギフティ(東証:4449)のほか、個人投資家として富島寛氏(メルカリ共同創業者)、松本龍祐氏(カンカク代表取締役)、適格機関投資家として村口和孝氏(日本テクノロジーベンチャーパートナーズ ジェネラルパートナー)らが名前を連ねる。1号ファンドでは、今回フォローオンの松本龍祐氏や村口氏に加え、ユナイテッド(東証:2497)、 松本大氏(マネックスグループ代表執行役社長 CEO)、高畠靖雄氏(デザインワン・ジャパン代表取締役社長)らが出資参加していた。

THE SEED 代表の廣澤太紀氏が1号ファンドを立ち上げたのは約2年半前。当初10億円を目標に組成した1号ファンドは5億円を集めてクローズし、十数社への投資が実行済だ。出資先には、AI カフェロボットの「√C(ルートシー)」開発の New Innovations、アグリテック SaaS「AGRI Suite」運営の AGRI SMILE、京都 の VR/AR ゲームデベロッパ CharacterBank などがある。

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昨年開催された「THE FUTURE」の一コマ
Image credit: The Seed

THE SEED は、京都・洛北に CharacterBank のオフィスとのシェアでインキュベーションオフィスを設けているが、京都大学の学生が起業したり、スタートアップに関心を持つ CAD デザイナーらが立ち寄ったりするなど、次第にスタートアップハブ化が進んでいて、近日中に移転・増床を計画しているという。また、昨年から始めたカンファレンス「THE FUTURE」は今後も継続する。

1号ファンドから出資したスタートアップの数は決して多くはないが、数に対して確度は高いと思っている。CharacterBank は地方のスタートアップながら成長著しく、創業から約1年半の昨年11月に1億円を調達した。AGRI SMILE は、全国の地域 JA 向けに SaaS を提供していて、4,000万円の調達から1年ほどしか経っていないが、時価総額は大化けするのではないかと期待している。(廣澤氏)

廣澤氏はまた、世の中でスタートアップへの注目が高まったことで、メリットもある反面、逆風も強くなっていることを指摘。さらにコロナ禍でイベントの開催や対面での接触に制約がある中でセレンディピティが起きづらくなっており、イノベーションを起こすことが求められるスタートアップには厳しい状況だと強調した。いかに起業家をしていくか、支援のあり方に模索の日々が続きそうだ。

1号ファンドと比べ、2号でも投資先スタートアップのビジネス領域には変化はなく、創業初期の起業家へ投資するシードラウンド全般。ただ、これまではバリュエーション1億円に対してチケットサイズは1,000万円前後だったが、今後はやや高めのバリュエーション1〜5億円に対してチケットサイズ3,000〜5,000万円を提供し、シードラウンドでリード投資家を目指したいとしている。