ポルトガルのリスボンで毎年開催されているスタートアップカンファレンス「WebSummit」が、2023年からブラジルでも開催されることが決定した。WebSummit は2020年12月、WebSummit Tokyo と、WebSummit の国際展開版として、2022年からブラジルのリオ・デ・ジャネイロとポルト・アレグレへの進出検討を発表していた。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大により、202…
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ポルトガルのリスボンで毎年開催されているスタートアップカンファレンス「WebSummit」が、2023年からブラジルでも開催されることが決定した。WebSummit は2020年12月、WebSummit Tokyo と、WebSummit の国際展開版として、2022年からブラジルのリオ・デ・ジャネイロとポルト・アレグレへの進出検討を発表していた。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大により、2021年の WebSummit は対面開催となったものの、2022年の WebSummit Tokyo は中止が発表されている。
昨年、ブラジルでは10社以上がユニコーンに認定され、国内のスタートアップ売上高は94億米ドルと2020年の3倍となった。我々は、今こそ、この場所が必要だと考えており、2023年の第1回 WebSummit Rio を待ちきれない。
WebSummit のポルトガル・カントリーマネージャー Artur Pereira 氏は、ブラジルでこのイベントを開催できたのは、官民団体とリオ・デ・ジャネイロ市長の Eduardo Paes 氏のサポートがあったからだと述べた。WebSummit Rio は、ブラジルのビジネス振興機関 Invest.Rio と共同で開催される。Invest.Rio の CEO Rodrigo Stallone 氏は声明の中で、「WebSummit とリオ・デ・ジャネイロ市のパートナーシップは、ラテンアメリカ全体のテクノロジーにとって変革的なムーブメントになるだろう」と述べた。
LiSA は、企業がライブコマースを実施するのを支援するプラットフォームだ。ライブビデオ、リアルタイムの顧客交流、シームレスなオンラインショッピングを組み合わせ、ライブ配信中の商品購入、グループチャット、2人のモデレーターによる遠隔操作などの機能が搭載されている。スタッフやインフルエンサーが発信するライブストリームを、オンラインショップ形式に変換し、客は通常のオンラインショップのように、動画の中から欲しい商品を選び、ショッピングカートに入れることができる。
同社によると、中国ではすでに e コマースの売上の17%がライブストリームで行われており、アメリカではすでに250億米ドルの売上を上げているという。LiSA は、消費者のプロセスを簡素化することで、画面の向こう側にいるアシスタントに質問したり、情報を収集したりした瞬間に購入することができるようになる、といった体験で差別化しようとしている。小売業者にとっては、視聴者を収益化し、消費者との直接的な関係を築くことができるメリットが得られる。
Okra Solar(オーストラリア)
Okra Solar のミッションは、いまだに十分な電力供給を受けられない世界の11億人の人々に、クリーンで安価な信頼できる電気へのアクセスを提供することだ。同社のスマート・ソーラー・マイクログリッドとソフトウェアは、カンボジア、インドネシア、フィリピンなどの未電化地域に電力を供給してきた。マイクログリッドで最もコストがかかるのは太陽電池や蓄電池ではなく、配電と電力調整であることから、スマート IoT デバイスと連携させることで、発電された電力がその場所で消費されるよう工夫した。
電力が余ったときや、ある家が一定期間大きな電力を必要としたときだけ、ネットワークを通じてメッシュ内の近隣システム間で電力を共有する。同社では電力消費を管理するためのデバイスを作り、地元の電力会社にそのデバイスを販売し、需要家の家に設置してもらっている。Okra Solar のソフトウェアは、ソーラーシステムを制御するだけでなく、モニタリングシステムや請求書作成も行う。プラットフォームでは、ユーザは電力料金をいくら支払わなければならないのかがリアルタイムでわかるようになっている。
本稿は、WebSummit 2021 の取材の一部である。 世界最大のスタートアップカンファレンス「WebSummit」がリスボンに帰ってきた。昨年はコロナ禍のため完全オンライン開催となったが、世界で最もワクチン接種率の高いポルトガル(Our World in Data が公開している10月25日現在の数値で、2回の接種を終えた人は全人口の86%)の政府の全面的な協力を得て、今年は2年ぶりに対面型…
世界最大のスタートアップカンファレンス「WebSummit」がリスボンに帰ってきた。昨年はコロナ禍のため完全オンライン開催となったが、世界で最もワクチン接種率の高いポルトガル(Our World in Data が公開している10月25日現在の数値で、2回の接種を終えた人は全人口の86%)の政府の全面的な協力を得て、今年は2年ぶりに対面型で開催となった。
期間中、WebSummit には、70社以上のユニコーンの創業者や CEO をはじめ、Twitter 共同創業者 Biz Stone 氏、Amazon CTO の Werner Vogels 氏、チャレンジャーバンク N26 の共同 CEO Maximilian Tayenthal 氏、WWW の発明者 Tim Berners-Lee 氏、俳優の Amy Poehler 氏、ミュージシャンの Tinie Tempah 氏、元サッカー選手の Thierry Henry 氏、Black Lives Mattersの共同創設者 Ayo Tometi 氏をはじめ700名以上が登壇する予定。
WebSummit は、CEO の Peter Cosgrave 氏、Daire Hickey 氏、David Kelly 氏によって2010年に設立、ダブリンで150名を集めるイベントからスタートし、2016年にリスボンに移転した。これまでに、姉妹イベントとしてカナダのトロントで Collision、香港では RISE を開催している。来年には、日本の経済産業省や東京都との契約により WebSummit Tokyo が開催され、香港からマレーシアへの移転が発表された RISE は当面、香港で開催が継続される。
WebSummit を運営する Manders Terrace の2019年の売上高は4,790万ユーロ(約63.4億円)に達した。イベント体験を最大化するスケジュールチェックやネットワーキングのための専用モバイルアプリは、国連や CES 2022 にライセンス供与されることも明らかになった。同社は現在、共同創業者の Kelly 氏がチームを去った後、WebSummit の名前を利用して無断でファンド「Semble Ventures(旧称:Amaranthine)」を設立したとして、1,000万米ドルの損害を主張する訴訟を起こしている。
ABAY-CHR では診療記録は病院サーバやクラウドに暗号化された形で保存され、病院の担当医師らは、自らのパスワードでログインして必要な患者の記録を閲覧できる。大病院でなくても、農村部にあるクリニックでもノーコードで導入できるのが特徴。Lalibela は月次利用料を徴収するが、紙で運用されている現在のシステムに比べコストを大幅に下げることが可能。エチオピアのみならず、周辺諸国や南アジア諸国への導入を目論む。Jack Ma Foundation(馬雲公益基金会)のトップ20ファイナリストに採択。
最近、海外のスタートアップが集まるカンファレンスに来ると、必ずと言っていいほど話題に上るのが気候問題、水・食糧問題だ。今回の WebSummit でもペットボトルやカップを再利用し、なるべくプラスチックゴミを減らそうという試みが始まっている。ペットボトル入りのミネラルウォーターを買わず、マイボトルを持参してミネラルウォーターをフィルしてもらう「Just Water」の Jaden Smith 氏や、映画俳優の Matt Damon が共同創業者を務めることで知られる「安全な水へのアクセスを可能にする活動」を展開する NPO Water.org/WaterEquity の CEO Gary White 氏もキーノートを務めた。
Image credit: Masaru Ikeda
WebSummit のオープニングにあたって記者会見に臨んだ WebSummit の CEO Paddy Cosgrave 氏は、自身もアイルランドの農場で育った生い立ちから、水・土壌・食糧には人一倍関心を持っていると話し、今回、WebSummit でもプラスチックゴミを減らそうという努力をしていることに理解を求めた。
2010年にダブリンで始まった WebSummit だが、2016年にリスボンに移り、通算で10回目、ポルトガルでは4回目の開催となる。ダブリンに本拠を置く WebSummit の運営会社 Ci では、社内で250人以上の人々が WebSummit の3日間のために日夜努力している。無論、イベント当日は、場内警備やコンテンツプロダクションなど契約ベンダーのスタッフが数多く働き、ボランティアや地元警察なども含めれば、総勢数千人以上が従事していると見られる(ボランティアの数だけで2,702人)。
今回、展示エリアには、経済産業省や JETRO(日本貿易振興機構)が主導する J-Startup から日本のスタートアップ16社を、Plug and Play Japan は「Batch 2」デモデイ優勝の No New Folk Studio、Orange Fab Asia は直近シーズンのデモデイで優勝した meleap を提供する HADO をそれぞれ招聘し展示ブースを開設。このほか、日本からは昨日2億円の資金調達を発表した mui Lab のほか、Stroly、Axelspace などがグローススタートアップとして参加している。創業の日から世界市場で競うことが宿命となる宇宙スタートアップの参加が目立つようだ。
コンペティションには、世界中からスタートアップ1万社がエントリし、WebSummit 開催期間中に会場内で断続的に予選が繰り広げられた。準決勝では8社から3社へ、決勝ではその3社がガチンコで戦いを挑んだ。奇しくも、決勝に残った3社中の2社が自動運転に関するスタートアップで、また全チームとも AI を提供サービスの柱に据えるスタートアップとなった。
WebSummit CEO でホストの Paddy Cosgrave 氏(最左)と審査員の皆さん Image credit: Masaru Ikeda
ピッチの審査条件は、プロダクトの可能性、ディスラプティブかどうか、財務面での評価、チーム構成、ピッチの品質の5点。決勝は、Bedy Yang 氏(500 Startups)、Tom Stafford 氏(ST Global)、Holly Liu 氏(Y Combinator)が審査員を務めた。
Wayve(イギリス)
Alex Kendall, Co-founder and CTO of Wayve Image credit: Masaru Ikeda