Web Summitがドーハで初開催、カタール政府は10億米ドルのFoF組成を表明

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カタール首相の Sheikh Mohammed bin Abdurahman bin Jassim Al Thani 氏
Image credit: Web Summit

世界最大のテックカンファレンス Web Summit の中東版が26日、カタールの首都ドーハで開幕した。カタール政府は近隣諸国と協力して、アーリーステージのテックスタートアップを誘致しようとしており、4日間のイベントには80カ国から1,100社以上のスタートアップが参加する予定だ。Web Summit にとっては、リスボン、リオデジャネイロに続いて3地域目での初開催となる。

Web Summit で大々的に宣伝される取り組みのひとつが「Startup Qatar」だ。このプログラムは先週から開始され、有望なテック企業にビザ、免税、ライセンス、オフィススペース、資金を無料で提供する。Web Summit Qatar では、カタール投資庁(QIA)が、10億米ドルの FoF(Fund of Funds)を組成することを明らかにした。

QIA によると、これのプログラムは、国際的な VC やスタートアップをカタールや湾岸協力会議(GCC)地域に誘致するもので、特にフィンテック、エドテック、ヘルスケア分野に焦点を当てている。QIA では、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)といった近隣諸国の、より確立されたエコシステムとの差を縮め、カタール国内のスタートアップや VC の数を増やしたいと考えている。

湾岸諸国では、アブダビ投資庁、ADQ、政府系のムバダラ(以上、UAE=アラブ首長国連邦系)、サウジアラビアの政府系ファンドなどがスタートアップへの投資を活発化させ、石油一辺倒の経済構造からの脱却を念頭に置いているものが多い。ただ、シードラウンドを終え、次のラウンドに進むスタートアップ向けのファンドがまだ少なく、今回のファンド組成にはこうした問題を解決するための呼び水の意図もあるようだ。

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