東大発量子科学スタートアップのTopoLogic、7億円を調達——トポロジカル物質の活用でエネルギー可視化

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「TL-RAM」と「TL-SENSING」
Image credit: TopoLogic

トポロジカル物質を活用し、世界中の演算と熱に関する課題の解決を目指す TopoLogic は29日、直近のラウンドで7億円を調達したと発表した。ラウンドステージは不明。このラウンドには、SBI インベストメント、東京大学協創プラットフォーム開発(東大IPC)、大和企業投資、科学技術振興機構(JST)、アイティーファーム(IT-Farm)、JMTC キャピタル、Plug and Play Japan が参加した。

これは TopoLogic にとって、2022年4月に実施したシードラウンドに続くものだ。直近ラウンドに参加した投資家のうち、IT-Farm と東大 IPC はシードラウンドに続くフォローオン。

東京大学発の研究開発型スタートアップである同社は、トポロジカル物質を産業現場に導入することで、革新的な解決策の提供を目指している。トポロジカル物質は通常の物質とは異なる電子バンド構造を持ち、従来の物質では見られない現象を引き起こす。2016年には、この分野の業績により3名の研究者がノーベル物理学賞を受賞した。TopoLogic はこのトポロジカル物質を活用し、エネルギーの可視化や省エネルギー化を推進する。

今回の資金調達は、主に二つのプロジェクトへの投資に充てられる。

一つは MRAM(磁気メモリ)の新型チップ「TL-RAM」の開発で、低消費電力と高速書き込みの特性を持つこのチップは、AIの普及による大規模なデータセンターの消費電力増加に対処することを目指している。もう一つは、熱流束センサ「TL-SENSING」の開発である。このセンサは、超高速な応答性と低コストで熱を可視化することが可能であり、バッテリーの異常検出や熱の調整など多岐に渡る応用が期待されている。

via PR TIMES    Summarized by ChatGPT

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