OB・OG訪問マッチングやダイレクトリクルーティングのMatcher、ポートにグループ参画——新卒市場のドミナント狙う

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Image credit: Matcher

<29日午後3時30分更新> ポートは、Matcher を持分法適用の対象としていないため、該当箇所を削除。

OB・OG 訪問ができる就活アプリ「Matcher(マッチャー)」を運営する Matcher は29日、人材支援サービスのポート(東証:7047)と資本業務提携し、ポートの傘下に入ることを明らかにした。ポートが経営陣株主を除く既存株主が持つ発行済全株式を引き受ける。取得条件は明らかにされていない。

また、これとあわせて、Matcher はシリーズ B ラウンドでポートから1億円を調達したことも明らかにした。これらを合計すると、最終的にポートは Matcher 発行済全株式の約39%を保有することになるため、持分法適用会社になるとみられる。資本提携後も Matcher の経営陣は Matcher 株式の約61%を保有することになり、経営体制、オフィスの所在、社名、サービス名などについては変更はない。

Matcher の創業は2015年11月。2016年2月には、Matcher のサービスをスタートさせている。において、7割の学生が OB 訪問したいと思っているが、実際に OB 訪問できているのはわずか。その理由は、所属大学の OB にしか会えない、大学が管理している資料が紙ベースであるため訪問する OB を探しづらく手続が面倒だからだ。Matcher では、「就活相談にのるので、◯◯してくれませんか?」という合言葉のもと、「就活相談をしたい学生」と「お願い事をしたい社会人」をWEB上でワンクリックで繋ぐ。

その後、企業から卒業予定の大学生に対してダイレクトスカウトができる「Matcher SCOUT」を立ち上げた。Matcher は学生30万人、社会人4.2万人が利用、Mathcer SCOUT は利用企業400社で、900人の内定支援実績がある。今回の資本業務提携を受けて、ポートの「キャリアパーク!」「就活会議」と Matcher の間で学生会員の相互送客を行う。また、両社は Matcher ユーザである新卒向け人材紹介サービス「Matcher Agent」を3月中旬をメドに立ち上げる予定だ。

西川晃平氏

Matcher 代表取締役の西川晃平氏によれば、ポートの創業者で代表取締役の春日博文氏とは、数年前から事業連携の可能性について議論を続けていたそうだ。Matcher では以前から事業提携している企業はいくつかあったが、コロナ禍で求人や求職といった活動が大きく遅滞するのを経験したのを受け、資本関係を含む、パートナーとのより深い間柄での業務提携が必要だと考えるようになったという。

ポートは先月、楽天グループから「みん就(みんなの就職活動日記)」を約22億円で買収しており、総会員数が80万人であることが明らかになっている。統計によれば、直近では日本の新成人人口が123万人、大卒の就活生人数が40万人とされる中で、ポートと Matcher が手を組めば、そのうちの大きなシェアを取れることになる。

ちなみに、みん就は、現在、ユーザーローカル(東証:3984)を経営する伊藤将雄氏が構築し、のちに楽天に売却した事業だ。伊藤氏は、Matcher が2018年に実施したプレシリーズ A ラウンドに投資家として参加していた。

昨今、企業に M&A されるのか、IPO を目指すのか、2つのイグジットの選択肢を同時に模索する「Dual Track Process」という言葉をよく耳にする。今回のポートへのグループ参画を受けて、Matcher の今後の展開について西川氏に聞いたところ、M&A の可能性も、IPO の可能性も、現時点では肯定も否定もできるものではなく、今後も学生に使われるサービスを作るために邁進していきたいと語った。

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