空気浄化でCSRと収益の両立を支援、イタリア発Bufagaのアジア市場戦略【ACVインタビュー】

Bufaga共同創業者兼COOのFederico Roviglioni氏

本稿はアクセンチュア・ベンチャーズによる寄稿転載。アクセンチュア・ベンチャーズではポッドキャストを配信している。

アクセンチュア・ベンチャーズでは4月に東京で開催されたスタートアップカンファレンス「TakeOff Tokyo 2024」にブースを出展。日本企業とのオープンイノベーションを展望する海外のスタートアップが数多くブースを訪問してくれました。

そんな中から、いくつかのスタートアップをご紹介します。Bufagaはローマを拠点に空気の浄化とモニタリングができるスマートデバイスとアプリケーションを開発しています。共同創業者兼COOのFederico Roviglioni氏に、アクセンチュア・ベンチャーズのPiotr Kroujkovが話を聞きました。

空気浄化デバイスの革新的な技術

Image credit: Bufaga

イタリアのスタートアップBufagaの名前は、アフリカに住む小さな鳥に由来します。日本語では、アカハシウシツツキと表現されるこの鳥は、動物の背中に止まって、ダニやハエの幼虫といった寄生虫をとってくれるので共生関係にあり、動物は皮膚を清潔に保つことができます。同社は、車両の屋根に装着し、空気を浄化できるスマートデバイスを開発しています。

このデバイスは車両などが走行中にPM2.5、PM10などの大気汚染粒子を吸収して除去する機能を持っています。また、センサーで除去量をリアルタイムに計測し、輸送機関や運送会社などは、web ダッシュボードを通じて、除去したデータや温度などを確認できます。年間データを集計すれば、企業は持続可能性報告書に環境への貢献度を示すことができます。

ガソリン車ではデバイスによる除去量が車両排出量を上回る場合もあり、ユーロ5やユーロ6規制(ヨーロッパにおける排ガス規制標準)の車両では、除去量が排出量を上回る効果が期待できるのでネットプラス、電気自動車だと必ずプラスの影響を与えることができます。さらに大型車両では除去能力が高く、排出量の150%までを除去できるそうです。

現在イタリアでは、空港会社やShellなど主要企業とパイロットテストを実施中です。対象は企業車両、カーシェアリング、公共交通機関、タクシーなどを想定していて、各社とは、今後の商用化に向けて前向きに動いているそうです。特に競合他社に対する優位性は、除去とモニタリングを同時に実現できる点にあると、Roviglioni氏は強調しました。

競合他社は除去かモニタリングのどちらかしかできませんが、私たちは両方を組み合わせています。サービスには除去デバイスのハードウェア、モニタリングソフトウェア、サステナビリティ報告書の提供、メンテナンスがパッケージされており、手頃な価格で提供できます。デバイス一台当たり約3,000ユーロ(約51万円)で、その後の保守費用が年間1,000ユーロ(約17万円)かかります。大型デバイスは5,000ユーロ(約85万円)ほどの価格になりますが、数量次第で単価は下がる可能性もあります。(Roviglioni氏)

日本市場への期待と展望

Roviglioni氏はイタリア人であると同時に、中国生まれの中国育ちであるため中国語が話せます。中国をはじめとするアジアは空気汚染が深刻な地域が多く、大きな市場の可能性を見出しています。中国で生じた空気汚染は日本や韓国にも影響を及ぼし、また、日本では花粉アレルギーの問題があるなど、Bufagaのスマートデバイスが貢献できることは少なくないと見ています。

Bufaga共同創業者兼COOのFederico Roviglioni氏(右)に話を聞く、アクセンチュア・ベンチャーズのPiotr Kroujkov(左)

話を聞いたアクセンチュア・ベンチャーズのKroujkovは、鉄道、自動車、トラックなど、多くの輸送・配送システムがある日本で、Bufagaがどのような協業の可能性が考えられるかを聞いたところ、Roviglioni氏は、スマートデバイスの移動型と固定型で2つのユースケースが考えられると答えました。

移動型デバイスは企業の車両に搭載いただくことを想定しています。一方、固定型は広告付きの塔状デバイスで、駐車場や地下鉄の駅構内などに設置することで、設置場所の浄化と広告収入の両立を目指せます。ソフトウェア開発やアジア企業とのブリッジといった部分で、アクセンチュアと協業できる可能性に期待しています。

もし複数の企業がデバイスを導入すれば、お互いの排出削減実績をダッシュボードで共有し合こともできます。その結果、お互いが空気汚染の低減に貢献していることが一目瞭然になり、企業間で気運を高め合えることも期待できます。広告収入や自社のブランド力向上などにより、ROIを得られるはずです。ユーザーが環境に優しい企業を選ぶ指標にもなるでしょう。(Roviglioni氏)

リッジといった部分で、アクセンチュアと協業できる可能性に

Bufagaはこの事業を通じて、環境保護と社会貢献を両立させることを目指しています。同社が、政府機関や大手企業とのつながりの深いアクセンチュアの力を活用できれば、大規模な普及施策の実施にもつながる可能性もあります。企業の社会的責任(CSR)を果たしながら新たな収益源も生み出せるビジネスモデルが、世界で広く受け入れられることが期待されます。

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