耕作放棄地活用や選果作業自動化で生産から販売までサポート、日本農業がデット含め42億円をシリーズC調達

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Image credit: Nihon Agri

農産物の生産から販売まで一気通貫で展開する日本農業は30日、シリーズ C ラウンドで約42億円を調達したと発表した。

このラウンドに参加した投資家は次の通り。

  • オイシックス・ラ・大地(東証:3182)
  • ぐんま地域共創パートナーズ
  • 慶應イノベーション・イニシアティブ
  • しののめ未来創造ファンド(しののめ信用金庫と信金キャピタルによる運営)
  • やらまいかファンド(浜松磐田信用金庫と信金キャピタルによる運営)
  • 令和元年台風及び新型コロナウイルス等被害東日本広域復興支援ファンド(地域経済活性化支援機構が運営、地銀各行が LP)
  • 東和 SBI お客様応援ファンド(東和銀リース、SBI 地域活性化支援らによる運営)
  • 日本政策投資銀行
  • 農林中央金庫
  • 博報堂、
  • 31VENTURES Global Innovation Fund(三井不動産とグローバル・ブレインによる運営)
  • ヤマタネ(東証:9305) ほか

調達額には、宇都宮農業協同組合、日本政策金融公庫、ハイナン農業協同組合、群馬銀行、静岡銀行、静岡県信用農業協同組合連合会、多野藤岡農業協同組合、東和銀行、東日本銀行、みちのく銀行からのデットが含まれる。

これは同社にとって、2022年6月に実施したシリーズBラウンドに続くものだ。オイシックス・ラ・大地は以前のラウンドに続くフォローオンでの参加。今回の調達を受けて、日本農業の累計調達額は約66億円に達した。

日本農業の資金調達の背景には、日本の農産物が国内の人口減少で消費が縮小する一方で、高品質な日本産農作物が外国産と比べても高く評価されているという現状があるという。同社は、日本の農産業を維持・発展させるために、規模を拡大し生産性向上・コスト削減を図り、海外市場でも競争力のある農産業を創出する必要があるとしている。

日本農業は、2016年の設立以来、日本産りんごのアジア各国への輸出を手掛け、青森県でのりんご生産や選果・梱包機能の構築を行ってきた。また、りんごで培った輸出産地形成の知見を生かし、他品目・他産地への展開も行なっている。現在では、さつまいも(静岡県)、ぶどう(栃木県)、キウイ(香川県・群馬県)、いちご(山梨県)、なし(茨城県)、もも(茨城県)を展開しているという。

同社の事業は、生産、選果・梱包、販売の三つの主要なセクターに分かれている。

生産においては、国内外で大規模な農地を運営し、最先端の栽培技術や機器を導入して農産物の生産性と品質を向上させている。

選果・梱包では、複数の農産物に対応する選果場を運営し、高速かつ精度の高い選果機を導入して効率的な選別と梱包を実現している。例えば、日本初の大型果樹選別機を導入し、1秒間に約15個のりんごの選別作業を自動化することで、処理速度の向上とコスト削減を図っている。

販売においては、自社の販売ルートを通じて、国内外に日本産農産物を展開している。海外市場でのブランド構築を進め、産地直送販売を全国に展開することで、日本の高品質な農産物を世界に広めることができるという。

また、国内市場の需要縮小に対応するため、アジアを中心とした海外市場への進出を強化しており、自社ブランドの設立により価格競争力を高め、新規需要を開拓しているという。

今回の資金調達により、日本農業は輸出拡大に向けたバリューチェーンの最適化を進める計画である。具体的には、青森県内の自社りんご選果場にオランダのGREEFA社製大型選果機を導入し、生産性や透明性の向上、販売・流通の効率化を図る。

また、他品目・他産地への展開として、2025年以降も耕作放棄地や荒廃農地を有効活用し、収益性が高い農業モデルを構築して輸出産地の形成を目指すとしている。あわせて、これらの事業拡大に伴う採用活動・組織力の強化を図るとしている。

via PR TIMES    Summarized by ChatGPT

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