ヨーロッパ史上最大の1億1,300万米ドルのシードラウンドで生成 AI 競争に参入して1年、Mistral AI はさらにその6倍の資金を調達した。

パリを拠点とするこのスタートアップは11日、負債と株式の組み合わせで6億4,000万米ドルのシリーズ B 資金を確保し、評価額を約60億米ドルにまで引き上げたと発表した。

この投資は General Catalyst がリードし、Lightspeed、Andreessen Horowitz、Bpifrance、IBM、Samsung、Salesforce 、Cisco、Nvidiaの投資部門など、複数の新規および既存の投資家が参加した。注目すべきは、2023年6月にはわずか2億4,000万米ドルだった Mistral の評価額が23倍になったことだ。

Mistral の共同創業者兼 CEO の Arthur Mensch 氏は、VentureBeat に提供した声明の中で、次のように述べている。

新規および既存の投資家の皆様が当社の事業に対する信頼を新たにし、事業拡大に向けて新たな支援を提供してくださることを大変嬉しく思います。この新たなラウンドにより、当社は AI のフロンティアを押し広げ、最先端の技術をすべての人の手に届けるというユニークな立場に立つことができます。これは会社の継続的な独立性を保証するものであり、創業者の管理下に完全に留まります。

同社はこの資金を、より多くの計算能力を構築し、国際的に商業化の取り組みを拡大し、OpenAI や Anthropic（前者は、新しい iOS 18で Apple のソフトウェアにバンドルされる最初のサードパーティの LLM プロバイダとなる契約を結んだばかり）など、世界的な AI 競争のライバルにより対抗するために、各部門のチーム規模を拡大するために使用する予定であると述べている。

Open AI 大国としての Mistral の台頭

昨年の立ち上げ以来、Mistral はオープンソースモデルと、それらをダウンロードしテストするための torrent リンクをドロップするという異例のアプローチに大きな焦点を当てて、かなりのイメージを作り上げてきた。

同社はまず Mistral 7B と Mixtral 8x7B の「mixture of experts」モデルを発表し、その後 Mixtral 8x22B と Codestral を発表した。Codestral は22B のパラメータを持つオープンウェイトの生成 AI モデルで、コーディングタスクの生成から完了までを専門とする。

また、GPT-4のすぐ後ろに位置し、5つの言語と32K トークンのコンテキストウィンドウにネイティブな習熟度を持つ Claude 2、Gemini Pro、GPT 3.5を上回る独自のモデル、Mistral Large も発表した。

注目すべきは、オープンリリースではなく、主に同社の API と Microsoft Azure 経由でアクセス可能なままであることだが、同社が最近導入したチャットアプリでテストすることができる。

全体として、Mistral は公開リポジトリから2,700万件以上のダウンロードがあり、オープンモデルは複雑なユースケース、特に金融業界、ハイテクシーン、公共部門で使用されていると主張している。

オープンモデルの性能がヨーロッパのみならず世界的に波紋を広げると、Mistral は主要な業界との提携により商業化への取り組みを加速させた。この半年ほどの間に、同社は Microsoft、Snowflake、Databricks、Capgemini、IBM、Perplexity など、複数のハイテク大手やスタートアップと提携した。Microsoft を含むその多くは、同社への投資も行っている。

このアプローチは、スタートアップのリーチを広げただけでなく、OpenAI、Anthropic、Google が支配する AI カテゴリにおいて、ベンダーから信頼されるプレーヤーとしての地位を固めた。現在、5億米ドルの株式と1億4,000万米ドルの負債を含む最新のラウンドで、同社はこの取り組みを加速し、アメリカを含むさまざまな市場で同社のモデルの使用を加速するために、より多くの販売チャネルを採用することが期待されている。

Bloomberg Intelligence によると、資本集約的な生成 AI 市場は、2022年には400億米ドルの規模に過ぎなかったが、爆発的に成長しており、今後10年間で年平均成長率42％で1兆3,000億米ドルに達する見込みだ。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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