CyberAgent Pitching Arena 2024(9):インテントデータの分析で、効率の良い顧客獲得を支援するSales Marker

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Image credit: Masaru Ikeda

これは、CyberAgent Pitching Arena 2024年版の取材の一部だ。

サイバーエージェント・キャピタル(CAC)は20〜21日、東南アジアのスタートアップと投資家が参加するピッチイベント「CyberAgent Pitching Arena」の2024年版をタイ・バンコク市内で開催した。日本や東南アジアから10社が登壇し、数十名の投資家が参加した。

サイバーエージェント・キャピタルではかねてから国内スタートアップや投資家を対象に「Monthly Pitch」を開催しているが、その国際展開として、2019年にジャカルタで海外版 Monthly Pitch を開催。以降、2021年1月に第2回目となる東南アジア版では「Monthly Pitch Asia」として、2021年9月に開催された第3回から「CyberAgent Pitching Arena」として運営している(2022年のピッチの様子はこちら)。

イベントでは、サイバーエージェント・キャピタルの取締役・パートナーの北尾崇氏による開会の辞に続き、インドネシア、ベトナム、タイ、日本からのスタートアップ10社がピッチを披露。続いて、投資家から寄せられた質問に対して回答する Q&A セッションが展開された。投資に関心を持った投資家は今後、各スタートアップの代表らにコンタクトすることになる。

今回は、ピッチ登壇したスタートアップ10社のうち、Sales Marker を取り上げる。

Sales Marker(日本)

Image credit: Masaru Ikeda

Sales Marker は、AIを活用したインテントベースの営業支援ソリューションを提供する日本のスタートアップだ。同社は、従来の営業手法を革新し、効率的かつ効果的な顧客獲得を可能にする先進的なプラットフォームを開発している。同社はこれまでにシリーズ A ラウンドを完了していて、年内にシリーズ B ラウンドの調達、2028年までにユニコーンとなることを目指すという。

Sales Marker が解決するのは、営業担当者が直面する「ターゲティングの誤り」「タイミングの悪さ」「非効率なアプローチ」という3つの主要課題だ。公開された情報を元に B2B データ資産を形成、広告、コールドコール、SNS によるメッセージ送信など、多様な顧客アプローチ方法により、ユーザは効率的に潜在顧客との接点を見出し、成約率を向上させることができる。

Image credit: Masaru Ikeda

料金はサブスク形式で、プランにもよるが、クライアントは月額で数千米ドル相当を支払う。Sales Marker のオンボーディング時にhは、2〜3回のミーティングを経てサービス利用を開始し、導入後3ヶ月間はコンサルティングチームがサポートする。このサポート体制により、クライアントは新しい営業手法を円滑に導入し、最大限の効果を得ることができる。

同社の成長率は、Trilio、ServiceNow、Shopify などの成功企業をも上回るペースで、顧客数はすでに400社を超えているという。ユーザには Zoom、Salesforce、HubSpot などの大手テクノロジー企業も含まれ、金融、サイバーセキュリティ、広告など幅広い業界にサービスを提供している。この多様な顧客基盤は、 Sales Marker のソリューションの汎用性の高さを示している。

Image credit: Masaru Ikeda

Sales Marker のグローバル展開戦略は4段階で構成されていて、最初は世界への情報発信から始まり、最終的にはすべての企業のグローバル展開支援を行う計画だ。この段階的なアプローチにより、Sales Marker は国際市場での地位を着実に確立していくことを目指している。今後新製品も展開予定で、海外企業の日本市場参入支援など、より専門的なニーズに応えていきたいとしている。

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