Robin Joy氏はDocuSignのウェブ・モバイルビジネス部門のバイスプレジデントである。
StarbucksやSpotifyだけではない。楽しさや感動をもたらしてくれる「すごい」瞬間を与えてくれるのはモバイルの生産性ツールだ。
最高のビジネス向けアプリや生産性向上ツールは、他のすばらしい一般向けアプリ同様、ユーザーの能力を高め、解放してくれる。思わぬ問題が持ち上がったとき、ここぞというタイミングでこれぞという情報を持ってきて、解決に導いてくれることもある。別の時代なら手を焼いたであろう厄介事を、びっくりするほど簡単にしてくれることもある。ありがたいことこの上ない。
だが、仕事や日常の悩みを解決すると同時に、顧客の心をがっちりつかむのは容易ではない。デザインを見極める目、スケーリングに必要なありとあらゆる専門スキル、サービスの革新に対する正確なフォーカスが必要だ。優れた生産性向上ツールを使っていると「仕事」とは感じなくなるものだ。現在入手可能なトップクラスの生産性向上アプリの中核にある4つの基本原則を以下にご紹介しよう。
1.基本からスタートし、さらにその基本にフォーカスしよう
生産性を向上させるアプリの中で優れたものの多くは、メモ書きなどの基本作業に役立つだけでなく、楽にこなせるようにしてくれる。私はEvernoteで初めてメモ書きしたとき、非常に感心した。「どこで」「いつ」書き留めたのかという情報を自動で入れてくれたからで、これなら後で利用するのがさらに簡単になる。さらに嬉しいことに、このデジタルノートには会議中、文章のメモをはるかに超えて情報を格納できる。ボイスメモや写真、ウェブクリッピングも保存できるのだ。今でもEvernoteは私のお気に入りだが、こうしたツールの市場は競合相手がひしめき合っているため、絶え間ない革新が重要だ。Evernoteでは現在「どこでも、いつでも、どのデバイスでも」利用できるようにと刷新が図られている。
2. 顧客を理解し、一歩先を行こう
大事な会議に向かっている最中にフライトの遅延や交通トラブルの情報を入手できても、そのトラブルに対するイライラが解消されるわけではないが、Googleが先読みしてくれるおかげで、自分で情報収集する必要がなくなるのは大変ありがたい。Google Nowは既にとてもわかりやすいモバイルアシスタントになっている。しかし、モバイル向けパーソナルアシスタントの分野でGoogle Nowを最新の状態に保ち、革新の最先端という位置をキープさせることが、Googleにとってはきわめて重要なのである。Googleが今春行ったデベロッパーカンファレンスでは、Google Nowの生産性の大幅向上を狙った、近々公開予定の機能のデモンストレーションが行われた。そこで紹介された「Google Now on tap」はマシーンラーニングを使って携帯電話の賢さをアップさせるというもので、物事をより短時間のうちに少ないステップで完了させることを目指している。
3. 瞬時に顧客を満足させよう
ユーザにしてみればConcurやExpensifyといった経費明細アプリは非常に魅力的だ。出張中にレシートの写真を撮り、その後何度かクリックするだけで経費報告書ができあがる。出張から戻ったときにレシートの山と格闘しなくていいと思うと心が軽くなるだろう。こうしたアプリを事業に採用する企業にとっては、この「すごく便利」にはさらなる可能性が秘められている。デジタル化によってプロセスを合理化することにより、従業員の負担を軽減したり、さらには企業の経費に関する新データの発掘にさえ行き着くかもしれない。
4. テスト、評価、改善の繰り返し
モバイルエクスペリエンスはテストと評価を絶え間なく繰り返すことによって改善される。テスト・分析用のプラットフォームを独自に構築する企業もあるが、DocuSignでは迅速かつ手軽にテストと評価を行えるUsertesting.com、Optimizely、Mixpanelなどサードパーティーのツールを利用している。
モバイル化、デジタル化、ネットへの接続が高度に発展した今日では、時間の価値、生産性の価値がますます高くなっている。デベロッパーはその大小を問わず、顧客を感動させることでユーザを取り込もうと必死だ。市場には選択肢があふれているため「仕事を片づける」のに役立つ、と訴えるだけでは生産性ツールの上位を勝ち取れなくなっているのだ。
[編者注:VentureBeatがサンフランシスコで開催するMobileBeatイベントで、本日Robin Joy氏が講演する予定である。]
【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】
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