配車サービス大手 Uber は今日(原文掲載日:1月9日)、新プラットフォーム「Uber Movement」をローンチした。このプラットフォームは、同社がサービスを展開する都市で、交通量フローデータへのアクセスを提供する。まずは、マニラ、シドニー、ワシントンDCから開始される。
都市計画や調査をする人々による都市交通改善の支援を目的としたこのプラットフォームは、移動時間などのさまざまな交通関連問題に関して集められた情報を匿名化し共有する。
TechCrunch の報道によれば、ユーザは、1日のうちどの時間か、1週間のうちのどの曜日か、どの地域かを指定して、特定の部位や範囲の Uber のデータを呼び出すことができ、既存の時系列表フォーマットと、自らのモデルに取り込みやすいよう raw フォーマットの両方でダウンロードできる。
Uber は以前、将来 API としてデータへのアクセス手段を提供すると報道されたことがある。
このプラットフォームは、パートナー組織に情報への早期段階でのアクセスを提供し、市役所職員、都市計画や政策立案者、一般市民を対象としている。公式発表によれば、Uber は今後数週間のうちに、潜在ユーザに対してアクセスを開放していくとしている。
Uber はこのプロジェクトが、誰もに役に立つ方法で、都市の成長を促す上で重要な役割を果たすことを望んでいると説明した。
6年半にわたって、Uber は都市交通と、それが都市やそこに住む人々にとって意味することを学習してきた。提携関係にある都市からは、Uber が集めたデータにアクセスできれば、都市をより機能的にするために、既存のインフラを改善したり、未来のソリューションに投資したりする方法を決定するのに役立つだろうとのフィードバックを得てきた。
しかし、Bloomberg の報道によれば、このプラットフォームは、少なくともアメリカでは、役所の職員が求めるような正確な情報を提供するものではないとされている。
ニューヨークの交通規制当局は、より細かい情報が提供されれば、運転手の疲れや違法行為を分析することができるだろうと期待している。Uber とその競合である Lyft は、プライバシー侵害の可能性を再び高めることになる。
Uber の国際的な競合である Easy Taxi、Grab、Le Taxi などは、世界銀行と協業し、Open Transport Partnership の一環として、それぞれのプラットフォームを使うドライバーの交通情報を公開している。
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