ネットでマンションを売却できるマンションマーケットがシリーズBで約2億円を調達、営業エリアを拡大へ

Masaru IKEDA by Masaru IKEDA on 2016.3.29

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マンションマーケットの売却コンサルタントの皆さん。右から2人目が、代表取締役の吉田紘祐氏。

インターネットを通じて、マンションの売却仲介専門サービスを提供するマンションマーケットは29日、シリーズBラウンドで約2億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、インキュベイトファンドインベスターズクラウドみずほキャピタル、および複数名のエンジェル投資家。今回のラウンドは、2014年12月にインキュベイトファンド、ソラシード・スタートアップス、複数名のエンジェル投資家から約1億円を調達したシード〜シリーズAラウンドに続くものだ。なお、今回のラウンドに参加したインベスターズクラウドは、アパート経営サポートアプリ「TATERU(タテル)」を運営しており、2015年10月には、不動産ネット窓口の ietty にも出資している。

マンションマーケットは、リクルートで SUUMO を担当していた吉田紘祐氏が2014年5月に設立。「IncubateCamp 7th」では、マンションの個人間売買ビジネスを標榜していたようだが、その後、インターネットを介した集客とコミュニケーションで固定費を圧縮した、マンションの売却専門不動産サービスに落ち着いたようだ。一般的に不動産売却時の仲介手数料は、法定限度額である物件価格の3%+6万円というレートが適用されることが多いが、マンションマーケットでは、営業コストの圧縮分を仲介手数料に還元する形で、一取引あたり一律49.8万円に設定している。

昨年9月には、各種不動産サイトをクローリングすることで物件の価格情報を集約し、地図上で中古マンション価格相場を一覧できる「マンションスコアマップ」をリリース。これらのメディア機能を武器に、マンションの潜在顧客をインバウンドで集め、効率のよい不動産営業を行っている。吉田氏によれば、現在いる約30名の社員のうち約3分の1が営業担当者だが、担当者一人あたり扱う顧客数は、通常の不動産事業者平均の3〜5倍以上だという。

マンションマーケットは売主の元付けに徹し、他社や市中の不動産事業者が買主の客付けをします。売主は心理的に、安心できるところに仲介してほしいと思うので、名前が通っている大手に依頼されることが多い。したがって、中小の不動産事業者が扱う場合、買主を見つけるより、売主を見つける方が圧倒的に難しいです。(吉田氏)

不動産の売買取引ににおいては、完全にオンラインで完結するのは実務面からも法律面からも難しいため、内見や契約の立会いにマンションマーケットの営業担当者が立ち会うのは、従来の不動産事業者と同じプロセスを踏むことになる。このため、マンションマーケットは現在、取り扱う物件の対象地域を東京23区に限定しているが、今年4月には関東1都3県、年内秋頃には日本全国にまで拡大する計画だ。今回の資金調達は、そのための拠点拡大や人材確保が主な用途で、営業エリア拡大に伴い、4月には大幅なサイトリニューアルも予定されている。

昨年10月にソニー不動産が公開した「不動産価格推定エンジン」を皮切りに、不動産データを集約してクレンジングする「data terminal」不動産投資シミュレータの「Gate.」など、RealEstate Tech のサービスが花盛りだ。実存するマンション不動産の数に比べて、中古物件の流通量が圧倒的に少ないと言われる日本の市場に、これらのサービスは風穴を空けることができるだろうか。マンションマーケットが、アナログの最たる不動産取引の現場をテクノロジーでどのように変えていくか、大いに注目していきたい。

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Masaru IKEDA

Masaru IKEDA

1973年大阪生まれ。インターネット黎明期から、シンクタンクの依頼を受けて、シリコンバレーやアジアでIT企業の調査を開始。各種システム構築、ニッポン放送のラジオ・ネット連動番組の技術アドバイザー、VCのデューデリジェンスに従事。SI、コンサルティング会社などを設立。Startup Digest(東京版)キュレータ。

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