東大発・超小型衛星開発のアークエッジ・スペース、4億円をシード調達——インキュベイトF、リアルテックFなどから

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Image credit: ArkEdge Space

超小型人工衛星を開発するアークエッジ・スペース(旧称:スペースエッジラボ)は22日、シードラウンドで4億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、インキュベイトファンド、リアルテックファンドと、その他複数の投資家。

超小型衛星に関わる人材を数多く輩出する中須賀・船瀬研究室(東京大学工学研究科航空宇宙工学専攻)からは、これまでに、アクセルスペースSynspective といったスタートアップが生み出されている。アークエッジ・スペースもこの研究室から輩出されたスタートアップで 3U や 6U といった超小型衛星を開発し、それを商業ベースで運用することに特化している。

これまでにルワンダ政府から「RWASAT」を受注し打ち上げに成功。地上の情報インフラが充実していないルワンダのような国で農業や防災に活用されており、LoRA 通信により低電力・広範囲の通信もサポートしている。

来年には、台湾国家宇宙センター(NSPO)から受注したから「NSPO6U」や、マルチミッション超小型衛星「OPTIMAL-1」など複数の衛星を打ち上げる計画だ。いずれの衛星も、中須賀・船瀬研究室が開発した「TRICOM-1R」の基盤技術をベースとしている。

アークエッジ・スペースは、外務省や内閣府等勤務を経て東京大学特任准教授を務める福代孝良氏が代表を務める。 福代氏は BRIDGE のインタビューに対し、これまでは受注ベースで衛星を開発・提供することに注力してきたが、今期からは複数機によるコンステレーションを提供できるようにしたい、と語った。また、通信・観測・測位などで衛星を利用したい事業者に対し、将来は衛星だけでなく、衛星運用のソフトウェアを含め包括的に提供できるようにしたい、とした。

<参考文献>

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