2014年に YesVideo は Legacy Republic 部門を立ち上げ、600万米ドルを投資して古い家族写真のアルバムやビデオをデジタル形式に変換するコンサルタント部隊を雇用した。
YesVideo は小売店でのサービス提供に特化している一方、Legacy Republic は直接消費者の家庭を訪問する。その実現に向け、タッパーウェアのホームパーティー商法の現代版を立ち上げた。そのホストとは同社が雇用したコンサルタントで、パーティーに来た人が懐かしい思い出写真を集めるのを手伝い、デジタル形式に変換するために同社へ転送する、という点が違うだけである。
カリフォルニア州サンタクララにある事業部の Brian Knapp 事業部長は、2014年時点は250名だったエバンジェリスト(またはレガシーメーカー)は、現在は1,400人と4倍以上(編注:正確には5倍以上)に増えていると VentureBeat のインタビューで語った。
Knapp 氏によれば、本サービスは2つの州を除き全州に進出し、既に100万枚近い写真やビデオ、フィルムリールがディスクやオンラインコンテンツ、スマートフォンのアプリに変換・保存されたという。
「私はまだ人間中心主義です」と Knapp 氏はコンサルタントについて話す。 「自分の思い出を託す相手は、サッカーの試合や社交の場で会うような人だと思うのです。」
Legacy Republic には利点もあり、同様のサービスを提供する小売店舗では「一夜明けたら潰れていた」ようなことが多々ある、と Knapp 氏は話す。
「灰の中から何が出てくるというのでしょうか?」と同氏は話す。「私たちは Legacy Republic をソーシャルかつ経験的コマースの一形態だと考えているのです。」
レガシーメーカーは独立した契約社員で、請け負った分の仕事に応じて報酬が支払われる。
「レガシーメーカーが会社のよりどころです。彼ら抜きでは会社は成り立ちません。」
また、Legacy Republic は Legacy Studio を開発した。これは3D スキャナ技術を利用したポータブルアルバムスキャナで、昔ながらの写真スキャナ手法を一新するものだ。
現在 Legacy Republic は親会社の YesVideo からのスピンアウトの準備を進めており、外部投資家からの追加資金調達も見込まれている。Knapp 氏は同社の粗利改善に取り組んでおり、カナダと日本への進出も目指している。
Knapp 氏は、育った場所を古い写真を元に作り直すといったような、テクノロジーを利用して記憶を再生するというアイデアを気に入っている。そして競合企業への注意を欠かさない。競合には Google フォトがいるが、こちらは無料で写真をアップロードできる。しかし Knapp 氏は、Google フォトは Legacy Republic のユーザ体験を提供するわけではなく、単に膨大な数の写真が保存されるにすぎないと話す。
Amazon や音声指示サービスの Alexa の方が優れているでしょうか?これは自問しなければいけません。私たちはコミュニティにより優れた体験を提供できますし、それは報酬ベースで働くレガシーメーカーがいてこそ可能なのです。問題はどうやってレガシーメーカーを5,000名、1万名へと増員していくかということなのです。そして私たちはノスタルジアのブランドプラットフォームになりたいと考えています。
今週末は母の日だ(原文掲載日:5月14日)。何か新しい思い出を作ってみてはいかがだろうか。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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