変動持分事業体(VIEs)の取締りで中国企業が米国でのIPO機会を失う可能性──不安な外国投資家

SHARE:

【翻訳 by Conyac】 【原文】

国際投資界には、もし中国政府が変動持分事業体(VIEs)を取り締まれば、外国投資家は中国のウェブ企業から締め出されるのではないかという不安が広まっている。この変動持分事業体の仕組みは、実際には外国企業と中国のインターネット企業との間の合意によるもので、外国企業は現地での持株から報酬を生み出すことができるというものだ。

VIEsは中国で批准され何年も利用されてきたが、最近、ヤフーやアリババ、そしてアリペイで騒動が起こったことで、この合法な仕組みに世界からの注目が集まり、その仕組み自体が実際には曖昧な法律で持続可能であることを示した。

週末、ロイターは中国の株式監査機関が政府に対しVIEsを取り締まるように求めたと報道した。もし、そのような外国投資を取り締まる政策が実際に起これば、その仕組みを利用する中国のウェブ企業―百度(ナスダック登録名:BIDU)、新浪(ナスダック登録名:SINA)、アリババ(香港株式:1688)など―に甚大なる影響を及ぼすことになる。

さらには将来、中国のウェブ企業がアメリカ市場に上場をすることを妨げることにもなり、それは大臣級レベルの各VIEの承認や、もしくはすべてのVIEsの撤廃の可能性に直面し、中国のウェブ企業がアメリカで上場することはほとんど不可能になる恐れもある。

ロイターの状況変化に関する報道

9月1日から実施となった商務省の新規定により、海外の投資家達は、中国のセキュリティ監査プロセスを脅かす要因となる難解な投資ストラクチャーの使用を禁止された。しかし、これはVIEsを直接的に名指したものではない。中国証券監督管理委員会(CSRC)の報告によると、これが確かな情報とすれば、本懸念案件は、監督機関の圧力により現状は更に深刻であるということである

これが本当に意味するところを知るには、3名の著名な中国ウォッチャー( 政治、法律、ビジネスエリアのノウハウの架け橋となる専門家 )の本案件に対する意見を聞いてみるのが良いだろう。

ウェブ=メディア=危険

まず始めに、北京に拠点をおくアナリストであるディビッド・ウルフ氏は年間を通してこの浮上した議論を追跡し、去る7月に国営新聞の新華の社説から取締りがあることを察知した。今週末のツイートで、同氏は「予言は十分だ。VIEsや銀行家は毅然とした態度をとるべき時が来ている」と述べている。

最近、ウルフ氏はこの状況変化が今起こっているのは「中国の監督機関がインターネット企業を見る見方や理解の仕方が変わった」からだと書いている。鍵となる側面の1つは、当局がやっとウェブは単に本を買うためにだけにあるのではないと気づいたということだ。

ウェブは影響力のあるメディアでもあり、メディアは中国政府が非常に厳しく取り締まっており、外国の所有者もしくは介入はほとんどできない。国営テレビよりSinaのWeibo(新浪微博)プラットフォームの方が若いネチズン(ネット上の人々)の強力なニュースポータルであることは明白なため、当局のコントロールをおこなうという要素がそこにはある。

「法的には違法」

北京に拠点をおく経験豊かな起業家でDigichaのビル・ビショップ氏も、こういう動きがあると以前から察知していたようだが、警戒心を抱いている。ビショップ氏は本日の新たな投稿で複数のインターネット企業の中国人役員によるWeiboの投稿を指し示し、現存するVIEsの合意は尊重され更新されると示唆した。

とはいえ、同氏は中国政府がウェブ企業の外国人所有権は国家の安全保障を脅かすものとみていること、そしてVIEsは基本的には法的に違法であると頻繁に強調してきた。VIEsは中国においてどのくらい普及しているのだろうか?フィナンシャル・タイムズの記事によれば、

「2011年4月時点で、アメリカで上場している中国企業の42%がVIE形態で、何千社という非上場企業もVIE形態と通して業務を行なっている」と法律事務所のキャドワレーダーは顧客宛てのメモ書きで述べている。しかし、最終的なメモ書きに関して、ビショップ氏は「保証人や証券取引委員会で要求されている通りVIE形態を守るために、中国の法律事務所(中国の法律事務所でなくてはならない)を見つけることはますます難しくなっていると聞いている」と述べている。

お仕置き

最後に、ビジネス・インサイダー寄稿者のポール・デンリンガー氏は、反対の立場をとり、当局はVIEsを閉鎖させ、外国投資家を締め出す良い時期だと感じていると述べている。同氏は2回続けて行なったツイートで「中国政府がVIE形態を閉鎖させるようとしていることは完全に理にかなっている。中国は外国からの投資はもはや必要としていない。実際、中国における外国投資によってインフレおよび地方の腐敗が助長されている。政府はVIEsを懲らしめる準備ができているのかもしれない」と述べている。

現段階では、世界は政策転換によって実際に何が起こるのかについては様子見をする必要がある。公平に言えば、これは曖昧な部分をなくすということで済む可能性も十分あり、それによって監督機関がこの分野において適切な司法権をえて、この夏にIPOをふいにした中国ハイテク企業の粉飾決算という不祥事を回避することができるようになる。

また、精査をさらに増やすということは必ずしも取締りにつながるとは限らない。しかし、今のところは、中国のウェブ業界の外国投資家は中国にもつ自らの組織の仕組みを検討するのが賢明であろう。

【via Penn Olson 】 @pennolson

----------[AD]----------