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Tencent(騰訊)、今日から中国国内で「Nintendo Switch」を販売開始

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現地メディア 36kr(36気)の報道によると、Tencent(騰訊)は10日、e コマースプラットフォームの JD.com(京東)と Tmall(天猫)上で Nintendo Switch の販売を開始する。 重要視すべき理由:Tencent は中国国内で Nintendo Switch を配給する権利を獲得したことに加え、任天堂との提携でこれまでアメリカ向けのゲームタイトルも開発してきた。 詳…

今年8月、上海で開催された「ChinaJoy(中国国際数碼互動娯楽展覧会)」での基調講演から。
Image credit: Tencent(騰訊)

現地メディア 36kr(36気)の報道によると、Tencent(騰訊)は10日、e コマースプラットフォームの JD.com(京東)と Tmall(天猫)上で Nintendo Switch の販売を開始する。

重要視すべき理由:Tencent は中国国内で Nintendo Switch を配給する権利を獲得したことに加え、任天堂との提携でこれまでアメリカ向けのゲームタイトルも開発してきた。

詳細情報:中国で Nintendo Swtich 用に最初に入手可能となるゲームタイトルは、「New スーパーマリオブラザーズ U デラックス」「マリオカート8デラックス」「スーパーマリオ オデッセイ」であると Tencent が4日に開いたリリースイベントで明らかにした。Nintendo Switch は、バッテリ消耗時間が2時間改善された最新版が推奨価格2,099人民元(約32,000円)で販売される見込み(他市場では8月中旬に販売開始されていた)。

  • New スーパーマリオブラザーズ U デラックスは、ニンテンドー e ショップの中国店舗で10日から購入可能になる。マリオカート8デラックスとスーパーマリオ オデッセイについては、二週間後にリリースされる予定。
  • これら3つのゲームタイトルは全て299人民元(約4,600円)で販売されるが、アメリカのニンテンドー e ショップの販売価格(59.99ドル=約6,500円)より随分と安いものとなる。
  • ローカライゼーションの難しさから、「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」などの人気タイトルは、最初の販売ラインアップには含まれない、と Tencent の任天堂合作部総経理の Xu Geng(徐庚)氏は語った。
  • ユーザは Nintendo Switch のゲームタイトルを WeChat Pay(騰訊支付)を使って購入できる。

背景:Tencent は今年4月、Nintendo Switch を日本では配給する了解を得た。

  • 今年7月には、新設した任天堂合作部のアナリストやデベロッパの採用を開始した
  • 中国の顧客はスマートフォンや PC でビデオゲームをプレイすることに慣れているため、Tencent は Nintendo Switch にささやかな希望を持っていると、Tencent の複数の人物が11月 Wall Street Journal に語っている

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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9億人が利用、Alibaba(阿里巴巴)とTencent(騰訊)「フィンテック」共通戦略を紐解く【後編】

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※本記事は、「9億人が利用、Alibaba(阿里巴巴)とTencent(騰訊)中国「フィンテック」共通戦略を紐解く【前編】」の後編記事です。前回の記事では、Alibaba関連企業Ant FinancialとTencentの中国二大モバイル決済企業による、フィンテック事業推進における共通戦略5つのうち2つを解説しました。 3. Prioritizing health insurance &#8211…

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Image Credit : Pexels

※本記事は、「9億人が利用、Alibaba(阿里巴巴)とTencent(騰訊)中国「フィンテック」共通戦略を紐解く【前編】」の後編記事です。前回の記事では、Alibaba関連企業Ant FinancialとTencentの中国二大モバイル決済企業による、フィンテック事業推進における共通戦略5つのうち2つを解説しました。

3. Prioritizing health insurance – 健康・医療保険を優先する

フィンテック領域において、最も市場規模の大きいビジネスとしては「決済」と「レンディング(クレジット)」の2つが挙げられると思います。しかしその次の主要領域として、人々の様々な生活上・金融行動上のリスクをカバーする保険サービスの領域が挙げられます。当然、両企業も同領域に参入しており、以下では両企業の提供する主要保険事業と、その成長について解説します。

CBIによれば、高齢化や健康ニーズの増加を背景に、中国政府が保険商品の提供を後押しする政策を打ったことで、中国の健康・医療保険市場は益々の拡大が予想されているといいます。

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Image Credit: CB Insights (Health Insurance:健康・医療保険 P&C and Life:損害・生命保険)

そんな背景の中で、領域業は中国の貧困地域や農村地域に対する保険サービスの拡大、及び保険サービスへの投資を積極的に実施しています。

まずTencentは、「Waterdrop」や「 Xiaobang」と呼ばれる保険企業に出資しています。前者のWaterdropは中国で8,000万人が加盟する保険で、月額3〜5元(約50〜80円)を支払うだけで主要な医療支出の際に30万元(約450万円)までを受け取れる保険サービス。後者のXiaobangは中流家庭向けの保険プランニング・金融教育サービスです。

このように、過去同社は投資という形で保険市場への好奇心を見せていましたが、ついに2019年に入って、自社でも保険仲介サービス「WeSure」の提供を開始しています。同サービスでは、Tencent社の持つWechatやQQなどのメッセンジャーアプリから、中国国内の保険業者の保険商品を購入することを可能にしています。

一方、Ant Financialは農村の地域向けの相互扶助プラットホーム「Xiang Hu Bao」を2018年に提供開始。同プラットホームは競合他社サービスの中で最も早い成長速度である10カ月で8,000万人という驚異のスピードで獲得顧客数を達成しました。

またAnt Financialは、2018年ににAlipayユーザーであり、かつ同社のクレジットスコアサービス「芝馬信用」のスコアが650点以上のユーザーらに対し、登録無料の「相互宝」というP2P保険を提供しています。同保険は一定期間内に発生した加入者の保険額(+Ant Financialへの手数料)を、その都度加入者間で割り勘するモデルを採用しています。

以上を踏まえると、両社ともに複数の保険事業に投資・展開し、着実に実績を残している点に驚かされます。

前編で解説した一つ目の共通戦略「フライホイール効果の構築」でも述べましたが、両企業とも、自社で保有するメッセンジャー・アプリやスコアリングと連携する形で各保険サービスを提供していることが分かります。

4. Diversifying options for savings and investing to expand the market – 預金・投資オプションの多様化

前編で一度言及した、6億人のユーザーを持っているAnt Financialの「余額宝」というサービスは、世界で最もユーザー数の多いMMF(マネー・マーケット・ファンド)としてその名を世界に知らしめました。しかし2019年9月、余額宝のユーザー数は2018年のピーク時から39%減少し、世界最大規模の地位から陥落しているそうです。(※以下グラフ参照)

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Image Credit: CB Insights

しかし「余額宝」のユーザー数減少は、実は同社にとって何らネガティブな結果ではありません。なぜならこの結果は同社の戦略によって生じた、想定の範囲内の現象だったためです。

その戦略とは、同社がユーザーがアリペイ内から余額宝一つだけでなく、外部のMMFサービス複数にもアクセスできるようにすることでした。言い換えると、同社は余額宝を単一の”商品”から”プラットホーム・サービス”に進化させたのです。

たとえば、2018年6月にAnt Financialのプラットホームに追加された「 Invesco」というMMFは、その収益を4倍に増加させることに成功しています。このように、Ant Financialはプラットフォーマーとして各種事業から手広く収益化を果たすと同時に、投資オプションの多様化を実現しているのです。

Tencentも自社の資産管理プラットホームが既に1,120億ドル規模に成長している中でさらなる機能充実を画策しており、現在世界最大の資産運用管理企業「Blackrock」と投資ポートフォリオ・ツールを中国市場で利用可能にするため協議を進めてるとのことです。

以上を踏まえると、両企業の目的は、ただ沢山の金融商品を提供する企業になることなく、それらに加え外部の金融プロダクトを複数囲い込むことで、金融プラットホームそれ自体になること、だということが分かります。

実際これはMMFなどの投資サービスに限った話ではなく、Tencent社のWesureが保険商品提供サービスではなく、保険仲介サービスであることからも、フィンテック事業を最大化する上での、一貫した成長スタイルだと考えることができます。

5. Focusing on small businesses – スモールビジネスへのフォーカス

日本では中小企業が全企業の99%を占め、かつGDPの5割を創出しているとされていますが、このような比率は中国においてもほとんど同じです。

CBIによれば、中国市場ではスモールビジネス(中小企業)が全企業の90%以上を占めており、かつ中国経済の生産の60%は彼らによって生み出されているといいます。そのため、Ant Financial及びTencentにとっては、このロングテールが必然的に勝負の決め手となっています。

その勝負の鍵を握るのは、両企業の中小事業者向けのオンライン銀行、Ant Financialの「MYbank(網商銀行)」と、Tencentの「Webank(微衆銀行)」です。

MyBankは中小事業者向けにQRコードでレシートを読み取り、サプライヤーの税務情報を得られるレシートファイナンスというサービスを新たに始めたそうです。このレシート情報によって中小事業者は信用力を示すことが可能になり、MYbankから短時間で大口のローンを得ることができるようになりました。データによればMyBankは2018年末までに1,230万を超える中国の中小事業者にローンを提供しているとのことです。

一方、WeBankは中国のスモールビジネスへのクレジット提供を拡大し続けています。同社によれば、Webankからローンを提供される中小事業者(平均従業員数10名)の66%、実に3分の2が新規ユーザーであると言います。

「MYbank」と「Webank」はAnt FinancialとTencentが取り組むスモールビジネス向けの金融サービスとして好例でしょう。どちらも大量の顧客データをアルゴリズムで解析し、信用スコアを算出することで融資を行うことを大きな収益ポイントとしています。

実は両サービスは信用情報のビックデータ解析にフォーカスしているだけで、資金源は中国国内の既存銀行から得ています。銀行にはデータと技術がないため、両社とも中小事業者と銀行を繋ぐプラットフォーマーとして独占的地位を築いているのです。

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Photo by Gelgas on Pexels.com

以上、両社の成長戦略を踏まえると共通点としてその成長を支えたのは、既に保有していた「決済」アプリケーションを軸に関連金融サービスを確立させるプラットフォーム戦略、そしてプラットフォームから得られる膨大なデータ分析にあったことが分かります。

両輪をフルに活用し、信用・保険領域という決済の次に大きな市場にフォーカスした点や、特に「若者」や「中小企業」、「地方の農村住民」といった従来型の金融に十分なアクセスができていないユーザーをターゲットとしてサービスを展開した点が両企業のフィンテック・サービス拡大の主要因だと捉えられます。

そして両企業によるプラットホーム化も大きな注目ポイントです。Ant FinancialのMMFプラットホーム「余額宝」や、Tencentの保険仲介プラットホーム「Wesure」の提供開始などは、そのトレンドを象徴する現象でしょう。

両企業は今後も以上のような方向性・ビジネスモデルの変化を行なっていく中で、より高スピードで様々な先進的な戦略・サービスを展開していくと予想されます。最近のトレンドでは両社は顔認識技術を決済領域に持ち込むことで、生体情報に基づいたデータの収集に加え、決済アプリの利便性の向上を試みています。

日本でも現在LINEやPAYPAY、メルカリなどの企業を中心にモバイル決済戦争が起きています。本記事を通して学んだ両企業の成長戦略を踏まえると、数年先、勝ち残った国内決済プレイヤーが今後本格的にフィンテック企業化し、データを活用したクレジット・スコアや保険・与信事業を展開、及びプラットホーム化を進めていく可能性も高いと予想されます。

言い換えれば、Ant FinancialやTencentが牽引する中国のフィンテック市場の現在及び彼らの戦略は、これからの日本のフィンテック業界のプレイヤーらが生存戦略を考えるにあたって、非常に有意義な教材となるということです。その意味で、今後も中国のフィンテック業界の変化、両企業の躍進からは目が離せません。

Image Credit: CB Insights

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中華ショート動画戦争ーーTencent(騰訊)がTikTokに対抗、年内にもKuaishou(快手)に20億米ドル出資へ【報道】

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Tencent(騰訊)がショート動画プラットフォーム「Kuaishou(快手)」への20億米ドルを出資する交渉の最終段階に入っているとLatePostが報じた。同ラウンドはプレIPOで、総額30億米ドルを調達することになるという。これによりKuaishouの時価総額は286億米ドルになるとのこと。 重視すべき理由:Tencentはさらなる市場シェアの獲得に向けて同社運営のショート動画プラットフォー…

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Tencent(騰訊)がショート動画プラットフォーム「Kuaishou(快手)」への20億米ドルを出資する交渉の最終段階に入っているとLatePostが報じた。同ラウンドはプレIPOで、総額30億米ドルを調達することになるという。これによりKuaishouの時価総額は286億米ドルになるとのこと。

重視すべき理由:Tencentはさらなる市場シェアの獲得に向けて同社運営のショート動画プラットフォーム「Weishi」の販促に努めるほか、Kuaishouを活用して競合「TikTok (Douyin)」に対抗しようとしている。

  • ショート動画プラットフォーム「TikTok」を運営するBytedance(字节跳动)は2019年6月の時点でTencentと検索大手のBaidu(百度)を追い抜き、中国のデジタル広告市場で第2位に躍り出た。これにより先行企業はEC大手「Alibaba(阿里巴巴)」だけとなっている。

詳細情報:年内に完了するとみられる本案件により、TencentのKuaishou持分は約20%となる。

  • 20億米ドルという投資規模は8月に報じられていた10〜15億米ドルよりは多いものの、持分はTencentが当初取得を目指していた水準(30〜40%)を下回る。
  • 同ラウンドに参加した他の投資家には、Alibabaが出資するYunfeng Capitalのほか、Boyu Capital、Temasek Holding、Sequoia Capitalなどが名を連ねる。
  • KuaishouとTencentは、ビデオゲームに特化したジョイントベンチャーを立ち上げる計画を廃止し、代わりにゲーミングでの協力関係を対象にした提携を交わすことになった。
  • 12月3日のTechNodeからの取材問い合わせに対して、Tencentは回答を控えた。

背景:Kuaishouは来年アメリカで株式を上場し、 Bytedanceが擁するTikTokとの激しい競争に備えた資金を調達する可能性があると、Bloombergが9月に報じていた。

  • LatePostの当初の情報によると、Kuaishouの設立者Su Hua氏は、ショート動画プラットフォーム買収に関するTencentからのオファーを断ったとされる。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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9億人が利用、Alibaba(阿里巴巴)とTencent(騰訊)中国「フィンテック」共通戦略を紐解く【前編】

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ピックアップ:5 Ways Ant Financial & Tencent’s Fintech Growth Playbooks Are Evolving 先日のヤフー・LINE連携で話題になったのが中国テックジャイアントの存在です。GAFAに対抗してBAT(※最近は「B」がBaidu・百度ではなくByteDance・字节跳动)とする場合も)と呼ばれていますが、なかでも勢いがあるのがフィン…

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Image Credit : Pexels

ピックアップ5 Ways Ant Financial & Tencent’s Fintech Growth Playbooks Are Evolving

先日のヤフー・LINE連携で話題になったのが中国テックジャイアントの存在です。GAFAに対抗してBAT(※最近は「B」がBaidu・百度ではなくByteDance・字节跳动)とする場合も)と呼ばれていますが、なかでも勢いがあるのがフィンテック分野での躍進です。

Alibaba(阿里巴巴)グループのAnt Financial(蚂蚁金服)が提供する「Alipay(支付宝)」、そしてライバルのTencent(腾讯)が提供する「WeChat Pay」がそれです。この中国2大モバイル決済アプリについて、米調査会社のCB Insightsが詳しい戦略の考察を掲載していました。本稿ではこれに沿った形で、この2大決済アプリが今、どのような状況なのかを紐解いてみたいと思います。

中国国内決済のほぼ全てを支配する

CBIの記事によれば、トップを走るAlipayは、実に中国国内の決済の54%を占めており、それを追う形のWeChat Payのシェアは約40%だそうです。

つまり、中国のモバイル決済はAlibabaとTencentという、米国のGAFAらと肩を並べる中国巨大テック企業の2社によってほぼ完全に独占されている状態で、これら2社を合わせると、中国国内のユーザー数は実に8〜9億人になるそうです。日本の総人口のざっと5倍です。

事業構造も異なります。Alipay陣営のAlibabaグループはコマースが中心。対するTencentはゲームとメッセンジャー「WeChat」によるコミュニケーション関連事業がメインになっています。特にTencentは広告事業の成長が頭打ち状態の一方、フィンテック関連サービス(レンディングや保険など)が年間40%もの成長を示していると記事は指摘しています。

Ant Financialの推定評価額は1,500億ドル(Alibaba全体では約4,570億ドル)、フィンテック事業に限定したTencentの評価額は1,230億ドル(Tencent全体では約3,875億ドル)と拮抗しており、今後、ヤフーやLINE、東南アジアで勢力を伸ばすテックスタートアップ各社はこことのポジション争いをアジア圏で繰り広げることになりそうです。

といってもこの2社、時価総額では世界トップ10入りの桁違いなので背中は遠いです(※日本のトップを走るトヨタは約1960億ドル)。

AlibabaとTencentが取ったフィンテックの共通戦略

CBIの記事ではこの事業が異なる2社が、フィンテック分野においては同じような戦略を取っていると考察しています。それが次の5つです。

  • 1. Building flywheel effects  – フライホイール効果の構築
  • 2. Making virtual credit a part of everyday life – ユーザーの日常の一部にクレジットを作り出す
  • 3. Prioritizing health insurance – 健康・医療保険を優先する
  • 4. Diversifying options for savings and investing to expand the market – 預金・投資オプションの多様化
  • 5. Focusing on small businesses – スモールビジネスへのフォーカス

詳細はぜひ原文をご一読いただくとして、これらの項目に沿って気になったポイントを解説してみたいと思います。

1. Building flywheel effects  – フライホイール効果の構築

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Photo by Rakicevic Nenad on Pexels.com

「フライホイール効果(弾み車)」とは、Amazonの成長を解説する際にジェフ・ベゾスが引き合いに出した理論です。一言で言えば、“ビジネスの中に好循環を生み出すこと”を意味します。

ジェフベゾスは、Amazon商品の低価格化→顧客満足度の上昇→取引ボリューム増加→品揃えの充実、に至る一連の好循環をフライホイール効果と表現しました。Ant FinancialやTencentの場合、決済アプリと関連金融サービスによる相乗効果がそれです。

CBIがまとめたAnt Financialのデータによると、2019年6月のデータではAlipayユーザーのうちAnt Financial以外の金融サービスを3つ以上利用しているユーザーは80%、5つ以上利用しているユーザーは40%となっています。

具体的には、Alipayの提供するWallet内から、中国の一般的な銀行預金金利と同程度かそれ以上の金利(過去の一時期4%に到達、現在2%周辺)をもらえる「余額宝」と呼ばれるMMF(マネー・マーケット・ファンド)サービスを簡単に利用できたりします。

他にもローンや保険サービスをAlipay Walletから簡単に利用できるなど、関連サービスへの導線が上手く出来ているため、ユーザーの人気を集める理由となっています。新たなサービス導線の誕生ですね。

2. Making virtual credit a part of everyday life – ユーザーの日常の一部にクレジットを作り出す

アジア圏におけるミレニアルやZ世代と呼ばれる新しい年代のユーザーはインターネットで決済することが当たり前になっている状況があります。

<参考記事>

ここで重要なデータがクレジット(信用)です。

Ant Financialが運営する消費者信用サービス「Huabei」は、こうした世代向けに無利息のクレジットを提供し、大きく消費を加速させています。データによれば、同サービスが開始した2015年から累計貸し出し額は1,400億ドル(約15兆円)に及んでいるそうです。

驚かされるのは成長率です。

原文のグラフを見ると一目瞭然ですが、1,400億ドルというのは2017年前半までの累計額の10倍です。この増加を2年と少しの期間で達成しているということには驚かされずに入られません。Tencentも「Fenfu」と呼ばれる同様のサービスを開発しており、2019年末までにローンチされる見込みです。記事の後半では残りの3〜5について解説をお送りします。

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中華テック巨人、Tencent(騰訊)が任天堂とタッグーー苦戦するアメリカ市場を攻める

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中国「Tencent(騰訊)」は11月11日、任天堂と提携してアメリカ市場向けのコンソールゲーム開発を進めているようだ。Tencent関係者からの情報としてWall Street Journalが報じた。 ハイライト:中国のゲーム事業では大きな成功を収めたTencentだが、アメリカとヨーロッパではオリジナルゲームの展開で苦戦。そこで「PlayerUnknown’s Battlegrounds」や…

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Tencent logo at World Artificial Intelligence Conference in Shanghai. (Image credit: TechNode/Shi Jiayi)

中国「Tencent(騰訊)」は11月11日、任天堂と提携してアメリカ市場向けのコンソールゲーム開発を進めているようだ。Tencent関係者からの情報としてWall Street Journalが報じた。

ハイライト:中国のゲーム事業では大きな成功を収めたTencentだが、アメリカとヨーロッパではオリジナルゲームの展開で苦戦。そこで「PlayerUnknown’s Battlegrounds」や「Call of Duty」といった人気ゲームのモバイル版をリリースすることで両市場の開拓を進めようとしている。

詳細情報:任天堂からコンソールゲームの開発手法を学び、有名な任天堂キャラクターを使ったコンソールゲームの制作を目指すと、Tencent関係者がWall Street Journalに語っている。

  • Tencentは4月に公表した両社の合意の一環として、中国で任天堂のゲーム専用機を販売する運びになった。しかし、中国ユーザーはスマートフォンやパソコンでゲームをプレイすることに慣れているため、それほど多く売れるとは予想していなかったという
  • 任天堂のゲームは課金ポイントが少ない作りになっているため、ゲーム配信しても収益は多くないとWall Street Journalに話している

背景:Tencentは数年前、アメリカのユーザニーズに応えるため、同社の人気携帯ゲームで「League of Legends」によく似た「Honor of Kings」をリリースしようと計画していた。

  • アメリカ人が混乱してしまう中国文化特有の要素に変更を加えたのち、ゲームのタイトルを「Arena of Valor」に変更
  • 市場分析企業「Sensor Tower」の調査によると、この修正版は中国版と比較すると利用が少なく、月間ダウンロード数はApp StoreとGoogle Playを合わせてわずか12万回だった。これに対し、同じ期間の「Honor of Kings」のダウンロード数は1億1,000万回を超えていた
  • そこでTencenとその子会社のRiot Gamesは10月、「League of Legends」のモバイル版を2020年にリリースすると発表した

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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現実世界をデジタル化する地理空間技術スタートアップ英SenSat、シリーズAラウンドで1,000万米ドルを調達——Tencent(騰訊)がリード

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インフラ事業向けに実在する場所をデジタル化する地理空間技術のスタートアップ SenSat は、中国のテック大手 Tencent(騰訊)がリードするシリーズ A ラウンドで、1,000万米ドルの資金を調達したことがわかった。同ラウンドは、ロシアの投資会社 Sistema Venture Capital も参加した。 2015年にロンドンで設立後、SenSat は建設、鉱業、エネルギーなどの業界で活躍…

インフラ事業向けに実在する場所をデジタル化する地理空間技術のスタートアップ SenSat は、中国のテック大手 Tencent(騰訊)がリードするシリーズ A ラウンドで、1,000万米ドルの資金を調達したことがわかった。同ラウンドは、ロシアの投資会社 Sistema Venture Capital も参加した。

2015年にロンドンで設立後、SenSat は建設、鉱業、エネルギーなどの業界で活躍する企業がインフラ事業に関わる場所の「デジタルツイン」を作成できるよう準備を進めている。実在世界を機械認識できるバージョンに変換するため、人工知能(AI)システムの学習に適していると、同社は述べている。

このデジタルツインは、ウェアラブルや地上の資産に接続しているセンサーから作られたリアルタイムデータ、そして交通データや衛星、LIDAR、ドローンからキャプチャされた3D画像を含む、様々なデータタイプを駆使し構築される。また、イギリス民間航空局(CAA)のライセンスを取得しており、パイロットから最大12km離れた場所、つまりパイロットの視程範囲を超えて固定翼のドローンを操縦する許可を得ている。それも手伝って、同社は英国最大のドローンデータプロバイダの1つとなった。

SenSat のプラットフォーム「Mapp」のスクリーンショット

SenSat の共同設立者兼 CEO である James Dean 氏は、以下のように語っている。

SenSat には、シンプルかつ大きな目標があります。それは、現実世界をAIが理解できるバージョンに変換可能なインテリジェントなエコシステムであるサードプラットフォームを構築することです。

この目標を実現するのは、Mapp と呼ばれるクラウドベースのプラットフォームである。Mapp は、各場所を介して接続されているすべてのデータセットを取り込み、デジタル形式で現実世界を再現するために使用される。これにより、企業はいつでも特定の場所(建設現場など)の仮想バージョンや、そこで起きているあらゆる事象にアクセスすることができる。

これらのデータを正しい方法で組み合わせると、個々よりも大きな価値を生み出します。この情報は、現実世界の静的描写を動的なものに変え、形状はもちろんのこと、現実の世界で起こっている周囲の状況も正確に描写します。(Dean 氏)

これにより、事業を手掛けるプロジェクトマネージャーは進行状況をトラッキングでき、地上で起こっていることを把握することで、現場で使われている設備の予知保全の解析を行える可能性があるという。

SenSat がまず最初にインフラ企業へ重点を置いたということは、建設などの産業に悪影響を及ぼす非効率性払拭に取り組む、テック企業の動きに乗ったと言える。

例えば、サンフランシスコに拠点を置くOpenSpace は最近、ナビゲート可能な建設現場の360度写真を自動的に作成するAIプラットフォームの開発に向け、1,400万米ドルを調達した。また、Cape Analytics は保険会社がより適正に不動産を評価できるようになる画像解析と地理空間画像を組み合わせたプラットフォームを開発すべく、多額の資金を調達した

当該記事の執筆時点で、SenSat は英国の17都市を地図化している。これは、空間ビッグデータのインデックス作成アルゴリズム、変動調査、3D コンピュータービジョンに関する研究開発に役立つものだ。Dean 氏はこう続けた。

これらをすべて活用することで、最終的にインフラのユースケースへとたどり着きます。SenSat の目標の1つは「現実世界の状況を機械により深く理解させる」ことであり、何が起こっているかを説明する様々なデータがあるため、都市は素晴らしいテストベッドなのです。(Dean氏)

ビッグデータ

SenSatは「異なる膨大なデータをかみ合わせ、誰もが認める有意義な洞察力を生み出す」というテクノロジー部門における別の成長トレンドの一部を担っている。その他の企業として Alphabet の Sidewalk Labs は最近、Replica と呼ばれる新会社を分社化した。プランナーが匿名化された位置情報で「仮想人口」を作成することで、人々が都市をどのように移動するかを把握できる世界を、Replica は実現させようとしている。

Near という会社は、サードパーティの情報源からデータセットをプールし、顧客が現実世界の人々の行動属性を見極められるよう支援をしている。Streetlight Data はモバイルアプリデータを集約して都市の交通量を測定できるよう支援する。そして、世界の出来事からデータを取得し、Uber や航空会社などの企業が需要の急増を予測するのに役立つ PredictHQ がいる。

SenSat は、ヒースロー空港や不動産開発会社 Berkeley Homes などインフラに焦点を当てた英国の複数の団体と提携し、Berkeley Homes のために1万件の新しい住宅を建設する開発プロジェクトに先立ち、現地の環境を再現したと述べた。

SenSat 創業者の2人、Harry Atkinson 氏と James Dean 氏

現在より前は約500万米ドルの資金を調達していた SenSat だが、今回調達した資金を使って、データサイエンティスト、数学者、ソフトウェア開発者および「クリエイティブに問題を解決する者」を中心に、来年中にロンドン拠点のスタッフを3倍にし90人まで増やすと、同社は述べている。また、国際的なプレゼンス向上も目指していくという。

インフラに多くの資金投入を行い、かつ既存の顧客がいるネバダ州、テキサス州、ニューメキシコ州、アリゾナ州に焦点を当て、今後数ヶ月以内に米国でのローンチを計画しているという。実際、SenSatはすでに米国企業の顧客9社、今後数年間で同社を他の市場に開放する数社の多国籍企業がいるとしている。

さらに最新の投資ラウンドでは、Tencent がリードしたことも特筆すべきことだ。昨年、企業再編の一環として Tencent は、「クラウドとスマート産業グループ」と呼ばれるクラウドコンピューティングと AI にまたがる産業インターネット戦略を担当する新しいビジネス部門を立ち上げた。主に小売、医療、教育、輸送などの業界のスマート化を支援することを目的とする。おそらくこれは、将来的に SenSat の持つテクノロジーを活用することを示唆しているのではないだろうか。

Tencent のヨーロッパ代表であり、現在 SenSat の役員でもある Dr. Ling Ge 氏は、以下のように語った。

SenSat は、まだデジタル革命に関与していないオフライン業界に大規模なデジタルオートメーションを導入できる立場にあると考えています。そして、SenSat の手掛けたプラットフォームがスマート産業に幅広く適用させることを楽しみにしています。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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Tencent(騰訊)、日本のクラウド市場へ参入する計画

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中国のインターネット企業 Tencent(騰訊)が、日本のクラウド市場への参入を計画していると Nikkei Asian Review が報じた。日本で先行する Amazon や Microsoft などのグローバル企業に挑む形だ。 重要視すべき理由:規制の厳格化、およびゲームを含む一部のメイン事業に大きな影響を与えた経済停滞の中、Tencent は成長率の高いクラウドコンピューティング分野に焦点…

Image credit: Masaru Ikeda

中国のインターネット企業 Tencent(騰訊)が、日本のクラウド市場への参入を計画していると Nikkei Asian Review が報じた。日本で先行する Amazon や Microsoft などのグローバル企業に挑む形だ。

重要視すべき理由:規制の厳格化、およびゲームを含む一部のメイン事業に大きな影響を与えた経済停滞の中、Tencent は成長率の高いクラウドコンピューティング分野に焦点を移している。

  • Tencent のクラウド部門は、中国で11%のマーケットシェアを持つ、2番目に大きいパブリッククラウドプロバイダーである。圧倒的なシェアを保持しているのはAlibaba(阿里巴巴)で、2018年時点で推定43%である(調査会社 IDC 調べ)。したがって、海外事業は Tencent にとって重要な戦略となっている。
  • 日本で Amazon と Microsoft との熾烈な競争に直面することになるが、Tencent には優位性がある。同社はアジア地域で最大級のゲーム会社であり、動画共有サービスを手掛ける中国の大手会社らはすでに同クラウドサービスを利用している。
  • 詳細情報:Tencent は1年以内に100社のクライアント獲得を目指す。同社のクラウド部門によると、日本ではゲーム、動画共有、ソーシャルメディアを扱う企業にサービスを提供することをメインにしていくという。
  • また、人気のソーシャルメディアアプリ LINE との提携をクラウドサービスにまで拡大することを目指す。LINE は昨年同社と提携し、日本の小売店にモバイル決済サービスを提供した。

背景:Tencent は昨年、クラウド事業の収益を2倍にし、総収益の約3%、91億人民元(約1,436億円)を上げた。規制当局による監視強化で混乱していたゲーム産業を埋め合わせることができた。

Tencent Cloud(騰訊雲)のVPである Da Zhiqian(答治茜)氏は5月、「今年、クラウド事業で4〜5倍の海外収益拡大を目指している」と語った。

  • クラウドサービスにおいて、日本は最も成熟した市場の1つだが、まだ成長を続けている。IDC によると、日本のパブリッククラウド市場は2017年から2022年にかけて年22.9%近く成長すると予想されている。そして2022年には、約125億米ドルに達すると予測されている。
  • Tencent が初めて海外クラウド事業を開始したのは、2016年。現在、アジア太平洋市場で4番目、世界でも6番目に大きなシェアを持っていると同社が述べている。
  • 日本のクラウド市場に参入した中国の大手テック企業は、Tencent だけではない。Alibaba Cloud(阿里雲)はビッグデータと機械学習の需要増加に伴い、1月に日本で2つ目のデータセンターをすでに開設している。Alibaba は当時、「弊社のクラウド部門が e コマース、ゲーム、メディア、製造、IoT など幅広い分野にクラウドソリューションを提供することになるだろう」と語った。

【via TechNode】 @technodechina

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中国の〝ニューリテール〟コーヒースタートアップLuckin Coffee(瑞幸咖啡)、ミレニアル世代に懐かしんでもらおうとQQのテーマカフェを開設

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アプリ連動型のコーヒーチェーンを展開するスタートアップ Luckin Coffee(瑞幸咖啡)は3月25日、中国の大手ゲーム企業 Tencent(騰訊)のインスタントメッセージプラットフォームQQと提携して同社のお膝元である深圳市に QQ のテーマカフェ第一号を開いたことを WeChat(微信)アカウントから告知した。 「1999 beta」と名付けられたカフェは、今世紀初め頃の QQ を思わせる…

1999 beta
Image credit: Luckin Coffee(瑞幸咖啡)

アプリ連動型のコーヒーチェーンを展開するスタートアップ Luckin Coffee(瑞幸咖啡)は3月25日、中国の大手ゲーム企業 Tencent(騰訊)のインスタントメッセージプラットフォームQQと提携して同社のお膝元である深圳市に QQ のテーマカフェ第一号を開いたことを WeChat(微信)アカウントから告知した。

「1999 beta」と名付けられたカフェは、今世紀初め頃の QQ を思わせる内装や造形物で飾りつけられ、中国のミレニアル世代をノスタルジックな気持ちにさせる。この世代はネットに初めて触れたときから、今や20年の歴史を持つインスタントメッセンジャーとなった QQ を使い続けてきた。あの頃の懐かしさを感じさせるため、店内には Tencent の創立者 Pony Ma(馬化騰)氏が1999年に使っていた仕事机のレプリカや、QQ のトレードマークであるマスコットのペンギンの初期版が置かれている。

Luckin はこれまで主に実店舗展開の面で Starbucks(星巴克)に挑んできた。コーヒーのデリバリスタートアップである同社は今年1月、年内に新しく2,500店を開いて店舗数を4,500店まで拡大し、中国最大のコーヒーチェーン運営会社の座を奪い取る計画を明かした。

Pony Ma 氏が1999年に使っていたオフィスデスクの複製
Image credit: Luckin Coffee

一方で、マーケティングに長けた Starbucks は WeChat に実装されたギフト機能で非常な好評を得てきた。つい最近には、二重構造のカップにコーヒーやミルクを注ぐと猫の前足の形が浮かび上がるというキュートな限定商品「猫の手カップ(猫爪杯)」が3月に入ってから熱狂的な人気を博している。入手を争う顧客の間でたびたび暴力沙汰が起きるほどだ。

まだ若い会社である Luckin は、Tencent との提携によって中国で10年に及ぶ歴史を持つブランドとの結びつきを得た。WeChat の兄弟アプリである  QQ は、中国の若者にとってのエンターテインメント総合ポータルという新たなポジショニングにより、ノスタルジーに駆られたミレニアル世代だけでなく、その下の Z 世代の間でも人気を保っている。

今回のテーマカフェは、昨年9月に発表された Luckin と Tencent の戦略協定から生まれたものの1つである。その前月には Alibaba(阿里巴巴)が、食品配送プラットフォーム Ele.me(餓了麼)を通じたデリバリサービスを引っ提げてコーヒー界の巨人 Starbucks の陣営に加わった。Ele.me のライバルで Tencent が出資する Meituan(美団)は、同年12月に Luckin Coffee と配送サービスで手を組んでいる。

【via TechNode】 @technodechina

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中国のeウォレットの成功から学ぶ、東南アジアのプレイヤーたち

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Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから


一般的なインドネシア人が株式市場に投資するのを手助けする新たなアプリが、大物投資家から支援を受けた

東南アジアの e コマースは過熱しているが、同地域の消費者はまだ e ウォレットよりも現金を好んでいる。

2017年のインドネシアのデジタルな買い物では代金引換が3分の2以上を占め、クレジットカードが使われたのは約20%だったと eMarketer は報告している。2016年の現金以外の支払いは、インドネシアとフィリピンでそれぞれ取引の30%と24%だけであったと Oliver Wyman の報告は示している。モバイル決済は両国ともに約0.1%かそれ以下であった。

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Photo credit: Ant Financial(螞蟻金融)

近隣の中国がおそらく世界で最も強固なモバイル決済手段を持っていることを考えれば、東南アジアで e ウォレットの受け入れが遅いのは奇妙に思えるかもしれない。テック大手の Alibaba(阿里巴巴)と Tencent(騰訊)は Alipay(支付宝)と WeChat Pay(微信支付)でこの分野を支配している。

ある意味では、中国で e ウォレットが成功していることは、中国市場の状況が他では再現困難であることを浮き彫りにしていると言える。しかし東南アジアがキャッシュレスな世界へと顧客を向かわせたいのであれば、そこから学べることもある。

1.2社による中国 e ウォレットの独占はネットワーク効果を上げている

2004年の Alipay のローンチ以降、何年もの間 Alibaba は中国の e ウォレット市場を実質的に独占していた。Tencent の WeChat Pay が2013年に参入し、市場は非常に過熱している。

成長する消費経済の中で最大のライバル同士である2社は正面からぶつかり、それぞれのプラットフォームを固め、他の競争相手は大部分が締め出された。Apple Pay が2016年に中国に参入したが、消費者がそれで盛り上がる理由はほとんどなかった。

Kleiner Perkins による Mary Meeker の Internet Trends 2018 によると、今や Alibaba と Tencent が中国のモバイル決済市場の92%を支配している。

中国の消費者は Alipay か WeChat Pay を使えば実質的に何でも手に入るということを分かっているが、周囲の国々における選択はそう単純ではない。

東南アジアのさまざまな市場では e ウォレット競争が企業どうしの融合を引き付け、地元のプレイヤーや地域的なプレイヤーが多数存在している。

ライドヘイリングサービス2社はそれぞれ独自に決済プラットフォームを持っている。インドネシアの Go-Jek の Go-Pay と、シンガポールの Grab の GrabPay だ。マレーシアだけでも40社、シンガポールにも27社の e ウォレット業者があると報告されている。ベトナムとフィリピンもまた独自の自国産のソリューションを持っている。

これだけ選択肢が多いと、消費者にとっては選ぶのが困難だ。しかしながら、そもそもユーザが自社の決済プラットフォームを使う理由を提供するようなネットワーク効果から、Alibaba と Tencent の両社は利益を得ている。

2.Alibaba と Tencent は初期にユーザを引き込む

Alipay は中国最大の e コマースマーケットプレイス Taobao(淘宝)の決済プラットフォームとして始まり、WeChat Pay との競争が始まるまでは先行者利益を享受していた。現時点で Alipay は同国のモバイル決済の54%を占めている。

Tencent がモバイル決済へ進出できたのは、同社が中国最大のソーシャルネットワーク WeChat を持っていたためである。WeChat が e ウォレットを追加したとき、人々はすでに同アプリでつながり合っていたため、友人や家族にお金を送ることが簡単になった。2014年の春節に「紅包」という機能をロールアウトし、古くからの伝統である赤いお年玉袋を模すことで WeChat Pay の人気に火が付いた。

Photo credit: Ant Financial(螞蟻金融)

オフラインの店舗用の WeChat Pay や QR 決済の導入後は、Alibaba と Tencent は店舗向けの競争を始めた。今では主要都市で1つのプラットフォームだけから支払いを受けつける頑固者は非常に少なくなっている。

だが東南アジアでは依然として現金とクレジットカードが標準的な支払い方法となっており、モバイル決済プラットフォームは店でお金を使う際のカード利用の習慣を捨てるよう消費者を説得するのに苦労している。

マレーシアでは、72%の人がモバイル決済に安全面の懸念を持っているが、見返りがあればもっと e ウォレットを使うようになると55%の人が答えていることを、2016年に Nielsen が見出した。フィリピンとシンガポールでもそれぞれ回答者の63%と58%が見返りについて同じように答えた。

モバイル決済を使う別の理由は会計時間の速さである。インドネシア、タイ、ベトナムのそれぞれ65%の回答者は、それがモバイル決済を使うためのより良い動機付けになると答えた。これはすでに中国中の飲食店で実施されており、たとえば、消費者は列に並んでいる間やテーブルに座っている間に QR コードを読み取り即座に注文することができる。

惹かれるものがなければ消費者は e ウォレットへと変える理由がほとんどないため、サービス提供者はサービスを魅力的にしようと努力している。WeChat、GrabPay、Go-Pay はピアツーピアの決済を提供し、ユーザ間の資金の移動を容易にしている。現在マレーシアで利用可能な Razer Pay はセブンイレブン店舗で購入できる暗証番号で e ウォレットに残高を追加できるようにしている。Go-Pay は人々がモバイル決済を試してみるよう、20%50%のキャッシュバックの提供も11月に始めた。

だが新たなユーザを得ることは難しい。クレジットカードやデビットカードはもっとシンプルで、しばしば e ウォレットよりも信頼度が高い。多くの場合、e ウォレットはそういったカードの中間的なものとしても使われる。

3.Alibaba と Tencent は店舗を巻き込んでいる

当然ながら、e ウォレットは店舗を巻き込まないとユーザを集めることはできない。これは e ウォレットが実店舗で競争を始めてから Alibaba と Tencent が非常に上手くやったことである。

両社は早くから、未発達な市場の店舗経営者は設備の更新に大きな投資が必要となるモバイル決済という選択肢をあまり受け入れたがらないだろうということを分かっていた。アメリカでは多くの決済端末が Apple Pay や Google Pay を受け入れるために NFC(近距離無線通信)に対応するようアップグレードしなければならなかった。

中国では誰でも QR コードをプリントアウトし、それをスキャンして支払うということができる。消費者が携帯電話上で QR コードをスキャンし支払いを行えるよう、多くの決済端末がアップグレードし、この動きを加速させてきた。これは中国ではどこにでもある決済の方法となり、QR コードリーダーでキオスクやマクドナルドでの決済を自動化させている。シンプルだが効果的なモバイル決済の実施方法だ。

Tencent は消費者の日々の生活との結びつきを与えることでも、店舗を引き入れてきた。WeChat を通じて支払いを行うと、自動的に店のオフィシャル WeChat アカウントをフォローすることになる。そこではセール情報やクーポンが携帯電話に届き、その店でもっと買い物をしようと思わせるのだ。

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店舗での支払いに使われる WeChat(微信)
Photo Credit: Tencent(騰訊)

店舗にとっては取引ごとに一定の割合でクレジットカード会社に取られるインターチェンジフィーが、常に障害となる。Apple Pay と Google Pay はクレジットカードの情報を保存しアプリ内に蓄えられたカードに直接請求する仕組みであり、インターチェンジフィーは変わらずある。このプロセスは e ウォレットを現状に比べてあまり画期的なものとはせず、店舗が新技術採用のために今までのやり方を変える理由にはならない。

一方で Alipay と WeChat Pay は中国最大のペイメントカードイシュアである UnionPay(銀聯)を通さず、銀行口座から直接資金を引き出すことができる。これによりモバイル決済は、それがたとえ3人民元(0.5米ドル)の水であっても、あらゆる費用の支払いにとって、より実用的なものとなる。2つのウォレットの使用例が増えるにつれて、中国の店舗は販売の機会が増えていくのだ。

これはインターチェンジフィーを避けるものでもあるが、必ずしも中国の店舗にとって安くなるとは限らない。店舗が手数料の値下げを交渉できないならば、Alipay は取引の0.55%を店舗に請求する。

2016年、中国における店舗向けのバンクカード手数料として標準化されていたのはデビットカードが0.35%、クレジットカードが0.45%だった。アメリカの Visa カードの1.51%プラス0.1米ドルに比べれば、かなり安価だ。

他の場所でのプラットフォームは、たとえ e ウォレットの中であっても、カードの処理にさらに頼っているため、インターチェンジフィーに取り組むのは店舗を引き入れる1つの方法かもしれない。手数料は一般的に政府が設定するが、マレーシアはすでに行動を起こしている。2015年、中央銀行に当たるマレーシア国立銀行(BNM)は国際的なデビットカードの処理は0.21%、クレジットカードは1.1%と低い割合に抑える Payment Card Reform Framework を導入した。またマレーシアは店舗がカード決済に割増金を課すことも禁止した

GrabPay や Go-Pay のような東南アジアの主要プレイヤーは Alibaba や Tencent の例に倣い、直接的な銀行への振り込みを通じて e ウォレットの残高を追加できるようにし、インターチェンジフィーを回避している。

加えて、GrabPay や Go-Pay、さらに Razer Pay のような東南アジアの新規参入者もすでに QR 決済を採用している。さらに多くの店舗がこの技術を受け入れる準備ができれば、少なくとも NFC よりも安価な選択肢ができるだろう。

それぞれのやり方で

究極的には、中国で上手くいったからといって必ずしも他の市場に適用できるわけではない。アメリカの多くのシステムが使用している NFC は、QR コード使用を通じて中国で発生しているような種類のフィッシング詐欺には影響を受けにくい。こういった種類のセキュリティは、市場によってはより多くのコストをかける価値があると言える。

東南アジアにおける決済の未来は、その未来が中国と似たものになるかどうかに関わらず、モバイルである。Euromonitor International のデータによれば、東南アジアのモバイル決済はタイとインドネシアが先頭に立ち、2016年の100億米ドル以下から2021年までに310億米ドルへと成長すると見られている。

このトレンドは同地域のライドヘイリング企業を利するものとなるかもしれない。彼ら企業はモバイル決済へと動いているためだ。中国の Alibaba や Tencent のように、Grab や Go-Jek は東南アジアの複数の国々をまたいで構築される巨大なユーザベースのネットワーク効果から利益を上げる最適なポジションにある。

Go-Pay
Image credit: Go-jek

現在 Go-Jek は自国の市場に加えてシンガポール、タイ、そしてベトナムで経営を行っている。Grab の稼働地域はさらに大きく、マレーシアとシンガポールから拡大してインドネシア、フィリピン、タイ、ベトナム、カンボジア、ミャンマーまでカバーしている。

両社とも店舗との提携も行っており、ネットワークを拡大し、それぞれの e ウォレットの採用を加速させている。

しかしながら、Grab や Go-Jek、その他の無数の競合が同地域には存在しているものの、消費者が現金を使わなくなる速度は規制や市場の統合にかかっているのかもしれない。変化を早めることは利益にはなるであろうが、現金が君臨する場所では簡単にはいかないだろう。

【via Tech in Asia】 @techinasia

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Tencent(騰訊)、信用スコアリングシステム「微信支付分」をローンチ——Alibaba(阿里巴巴)系「Sesame Credit(芝麻信用)」に対抗

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Tencent(騰訊)は、中国の主要都市において WeChat Pay(微信支付)用クレジットスコアリング機能の実験を開始した。支出行動や個人的なつながりなどの情報をもとにユーザをレーティングするものだ。 「微信支付分」というこのシステムは、北京、上海、広州、深圳で運用されていると Paper(澎湃)が報じている。同社は、今月初めに中国南部の都市、広州で開催された イベント「WeChat Open…

Image credit: Tencent(騰訊)

Tencent(騰訊)は、中国の主要都市において WeChat Pay(微信支付)用クレジットスコアリング機能の実験を開始した。支出行動や個人的なつながりなどの情報をもとにユーザをレーティングするものだ。

「微信支付分」というこのシステムは、北京、上海、広州、深圳で運用されていると Paper(澎湃)が報じている。同社は、今月初めに中国南部の都市、広州で開催された イベント「WeChat Open Class PRO(微信公開課 PRO)」でこの最新機能の実験を行った。

ユーザのスコアリングに際しては、アプリのソーシャルな側面が含まれる。WeChat(微信)でのつながりや友人関係がユーザのクレジットスコアリングにどのように影響するかという TechNode(動点科技)からの質問に対し、WeChat 関係者は詳細を語らなかった。

このシステムは、Alibaba(阿里巴巴)関連会社の Ant Financial(螞蟻金融)が運営する「 Sesame Credit(芝麻信用)」を思い起こさせる。こちらはユーザを350~950のスコアにレート付けするものだ。このプラットフォームではユーザのスコアリングに購買履歴、資産、契約の履行状況などを活用している。

<関連記事>

WeChat の最新システムでは、モバイル決済サービスから集められたソーシャルなデータを考慮に入れる。Tencent Credit(騰訊信用)では300~850のレーティングを割り当てるため、スコアのレンジを示すものではないという。報道によると、WeChat は年内の全国展開を目標としている。

クレジットスコアは、WeChat Pay でプールされたデータ、とりわけその人の消費行動や義務を果たす能力をもとに計算されます。

同社はTechNodeに語った。WeChatによると、その目的は「人々の生活をよりシンプルに、より便利にするサービスを提供」することである。

WeChat インターフェイスのスクリーンショット。クレジットスコアリング機能が見て取れる。
Image credit: WeChat アカウント「Guofen Zhushou」

高いスコアを与えられたユーザには、レンタルサービスやホテル宿泊の際の保証金が免除されたり、商品・サービスの後払いが可能になったりする特典がある。

パワーバンク(充電バッテリ)サービスの Xiaodian(小電科技)は現在、この機能をサポートしている。高いスコアを持つユーザは、保証金なしで携帯充電器レンタルを申し込める。最新機能の実験を行うため、多くのブランド企業と協業がなされているという。企業側からみたクレジットスコアのシステムには、ユーザリスク評価や代金回収など多くの機能がある。信用度の低い顧客の割合が高まらないようにするのが目標だ。

Tencent は2017年半ばに自社のクレジットレーティングシステムの実験を開始し、昨年にこの機能を正式にローンチした。同社は、2015年にプライベートクレジットスコアプラットフォームを開発する許可を中国人民銀行から与えられた8社のうちの1社である。同じく許可された企業に Alibaba がある。Alibabaは その後まもなく、Ant Financial が運営する Sesame Credit をローンチした。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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