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D2CファッションテックのBrandit、プレシリーズAラウンドで1億円を調達——ギークス、DIMENSION、三菱UFJキャピタルから

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D2C ファッションテックスタートアップの Brandit は24日、プレシリーズ A ラウンドで1億円を調達したことを明らかにした。このラウンドのリードインベスターは IT 人材サービスのギークス(東証:7060)が務め、ドリームインキュベータ(東証:4310)傘下の DIMENSION と三菱 UFJ キャピタルが参加した。Brandit にとっては昨年11月に実施したシードラウンドに続くもの…

Image credit: Brandit

D2C ファッションテックスタートアップの Brandit は24日、プレシリーズ A ラウンドで1億円を調達したことを明らかにした。このラウンドのリードインベスターは IT 人材サービスのギークス(東証:7060)が務め、ドリームインキュベータ(東証:4310)傘下の DIMENSION と三菱 UFJ キャピタルが参加した。Brandit にとっては昨年11月に実施したシードラウンドに続くもの。DIMENSION はシードラウンドに続く出資となる。

Brandit は、モバイル動画によるメディア事業やライブコマース事業を営む Candee からスピンアウトする形で昨年11月に設立。有名インスタグラマー佐野真依子氏がディレクターを務める D2C ブランド「TRUNC 88」の運営のほか、D2C ブランド製品の開発・生産・販売・物流を一気通貫で可能なシステムや、アパレル向け EC プラットフォーム「BRANDIT system」を提供している。BRANDIT system を使えば受注だけでなく、原価管理や販売チャネル別手数料も一元管理でき利益の最大化を狙えるという。

資金調達を受けて、Brandit では今回のリードインベスターであるギークスの人材ネットワークを活用しエンジニア採用を強化、また、インバウンドマーケティングとインサイドセールスを強化する。D2C ブランド事業では、TRUNC 88 に加え、進行中3つのプライベートブランドの準備資金に充当するとしている。ギークスにとっては、出資した金額の一部が、人材紹介サービスの提供により自社事業に還元される効果が期待できる。

この分野では、ファッション D2C プラットフォームの「picki(ピッキー)」がシリーズ A ラウンドを発表したばかりだ。また、ここ数ヶ月では、ファッション提案アプリ「FACY(フェイシー)」を運営するスタイラーは、ファッション小売向けの OMO 支援対応を強化すると発表、日本や東南アジアで事業展開する AnyMind Group は、D2C 商品開発・生産プラットフォーム「AnyFactory」をローンチしている。丸井グループb8ta の D2C スタートアップとの取り組みも注目に値する。

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ファッションD2Cプラットフォーム「picki(ピッキー)」運営、プレシリーズAで1.2億円を資金調達——CACやセゾンVなどから

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ファッション D2C プラットフォーム「picki(ピッキー)」を運営する picki は18日、プレシリーズ A ラウンドで1.2億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、サイバーエージェント・キャピタル(CAC)、セゾン・ベンチャーズ、名前非開示の個人投資家。同社にとっては、2019年5月に実施したシードラウンドに続くものとなる。CAC はシードラウンドに続くフォローオン。 pic…

Image credit: picki

ファッション D2C プラットフォーム「picki(ピッキー)」を運営する picki は18日、プレシリーズ A ラウンドで1.2億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、サイバーエージェント・キャピタル(CAC)、セゾン・ベンチャーズ、名前非開示の個人投資家。同社にとっては、2019年5月に実施したシードラウンドに続くものとなる。CAC はシードラウンドに続くフォローオン。

picki は、インフルエンサーなどがファッションブランドを立ち上げ、それを販売することができるプラットフォームだ。新型コロナウイルスの影響でアパレル大手各社が店舗閉鎖やブランド縮小を発表する中、その影響は picki にも少なからずあるものの、売上は堅調に推移しているようだ。

その鍵となるのは、フォロワーが数十万人以上いる有名インフルエンサーとタグを組んだオリジナルブランド。瀬戸あゆみ氏(18日現在、Instagram フォロワー数28.8万人)のブランド「Dear Sisterhood」は初の合同展示会で、用意した商品の消化率96%を達成した。picki CEO の鈴木昭広氏によれば、消化率60%程度でも上場しているアパレル各社はザラであることから、Dear Sisterhood が叩き出した数字は驚異的だという。picki ではこのようなオリジナルブランド(picki では「ソーシャルネイティブブランド」と呼んでいる)を4つ運営している。

「Dear Sisterhood」
Image credit: picki

これに加えて、新型コロナウイルスの影響もあって既存ブランドの売れ行きが低迷する中、そういったブランドからの相談も picki には増えつつある。

彼らの多くは、ソーシャルコマースのノウハウは持っていない。デジタルで世界観を作っていけるのは、picki のアドバンテージ。(鈴木氏)

既存ブランドとの協業では、今あるブランドのアセットをベースに売り方を変えるというアプローチを提案している。picki では既にこのモデルで2つのブランドと協業しており、B2C のみならず、B2B での利益モデルも確立できつつあることから、今後、既存ブランドを買収あるいは譲受する可能性もあるという。

(ブランドをやっている)会社を買うということはないと思うが、ブランドを譲り受ける可能性はあるかもしれない。初期のマーケティングコストが抑えられる分、売り方を工夫して売上を立てられれば、利益率はかなり高いものになる。(鈴木氏)

今後新しい自社ブランドも増やし、現在の3倍程度にはしたいという。

事業を続ける中でデータが貯まってきた。インフルエンサーのブランドを作る際は、ただフォロワー数が多いというだけではダメで、ファンとのエンゲージメントがちゃんと取れているかが大事。キャスティングのノウハウとかもわかってきた。(鈴木氏)

今回出資したセゾン・ベンチャーズは決済大手クレディセゾン(東証:8253)の CVC だ。クレディセゾンは picki の持つ金融的な側面、若年層へのアプローチに特に関心を示しているらしい。ファッションにおいては、ブランドや製品が受けるかどうかの客の反応は、店頭に並べてみないとわからない。生産着手前に客の反応を見られる picki 上で製品予約ができるクラウドファンディング的機能を、アパレル業界に対する新しい金融サービスアプローチの一つと捉えているようだ。

新型コロナウイルス拡大がファッション業界にネガティブな影響をもたらしたことから、今は優秀な人材を獲得しやすい「買い手市場」。picki では調達した資金を使って、ブランド開発のため人材を強化したいとしている。

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ソーシャルECのPinduoduo(拼多多)、ファッションコミュニティ醸成に特化したWeChatミニプログラム(微信小程序)をローンチ

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中国の EC プラットフォーム「Pinduoduo(拼多多)」は、若年層の消費者向けのオンラインファッションショッピングコミュニティ醸成に特化した WeChat ミニプログラム(微信小程序)をローンチした。 重要視すべき理由:このミニプログラムは、ソーシャルインタラクションを強化してユーザエンゲージメントを高めるための Pinduoduo の最新の動きだ。 Punduoduo のの成長は鈍化してい…

Pinduoduo(拼多多)のファッション特化 WeChat ミニプログラム(微信小程序)「Duochao(多潮)」
Image credit: TechNode(動点科技)

中国の EC プラットフォーム「Pinduoduo(拼多多)」は、若年層の消費者向けのオンラインファッションショッピングコミュニティ醸成に特化した WeChat ミニプログラム(微信小程序)をローンチした。

重要視すべき理由:このミニプログラムは、ソーシャルインタラクションを強化してユーザエンゲージメントを高めるための Pinduoduo の最新の動きだ。

  • Punduoduo のの成長は鈍化している。2020年3月末までの12ヶ月間のアクティブバイヤーは6億2,810万人で42%の増加。前年同期は50%の増加だった。
  • Pinduoduo は、Xiaohongshu(小紅書・RED)、Dewu(得物、旧称 Poizon=毒)、Nice などのファッションコミュニティと競合している。

詳細情報:現地メディアが10日報じたところによると、Pinduoduo の中国拠点の運営母体 Shanghai Xunmeng Information Technology(上海尋夢信息技術)は先週、ファッションとライフスタイルに特化した WeChat ミニプログラム「Duochao(多潮)」の配信を開始した。

  • Duochao は、ファッション愛好家がプラットフォームの中央コンテンツフィードを介し、お気に入りのアイテムを投稿したり、スニーカーから服やアクセサリーまで、ストリートファッションへの情熱を共有したりすることができるオンラインコミュニティ。
  • 現地メディアによると、Duochao には広く期待されているものの現段階では EC 機能は存在しない。
  • Duochao には、Nike、DC、Y-3、Fog など17のファッションブランドが公式アカウントを開設している。
  • 今のところ、Duochao にはスタンドアロンのアプリや Web サイトはない。また、Pinduoduo のメインアプリからは Duochao にアクセスできない。
  • Pinduoduo は Duochao を用いて中国の若年層の消費者から人気を集めようとしている。Iimedia(艾媒)のデータによると、Pinduoduo のユーザの78%が35歳未満。また、24歳未満のユーザが全体の24%を占めている。

背景:創業者の Colin Huang(黄峥)氏は先月、Pinduoduo の長期戦略に専念すべく CEO を退任した。その1ヶ月後となる8月3日、運営母体 Shanghai Xunmeng Information Technology の役員も退任した

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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なぜ、yutoriはZOZOを選んだのか

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何年かスタートアップで取材を続けていると、初めての取材に緊張した面持ちだった起業家があっという間に世の中を動かす経営者に変身してしまう事態に遭遇する。嬉しくもあり、同時にスタートアップ初期の未完成さが名残惜しい。 数日前にZOZOへグループインしたニュースで話題を集めたyutoriの代表片石貴展氏も、私の中ではその1人だ。今回のニュースに関して取材でオフィスを訪れたとき、彼は”インスタ起業家”では…

yutori代表取締役の片石氏、新オフィスのbeachにて / 記事内写真は全て同社提供

何年かスタートアップで取材を続けていると、初めての取材に緊張した面持ちだった起業家があっという間に世の中を動かす経営者に変身してしまう事態に遭遇する。嬉しくもあり、同時にスタートアップ初期の未完成さが名残惜しい。

数日前にZOZOへグループインしたニュースで話題を集めたyutoriの代表片石貴展氏も、私の中ではその1人だ。今回のニュースに関して取材でオフィスを訪れたとき、彼は”インスタ起業家”ではなくなったのだと感じた。

ゆとり世代のカルチャーを誰よりも大切にしてきた彼らが、なぜ51%の株式譲渡によって老舗アパレルECのZOZOへグループインする決断に至ったのか、はたまた上場を公言することになったのか、今回は解明したいと時間をもらって話を聞いてきた。

ポエムを書いて過ごした1年目、形になった2年目

本題に入る前に、少しyutoriについておさらいしておく。2018年6月創業のyutoriはInstagramを基軸にファッションコミュニティの「古着女子」「古着男子」やオリジナルブランド「9090(ナインティナインティ)」「spoon」「centimeter」などを運営している。また、2019年7月にはバーチャルインフルエンサーのモデルエージェント「VIM(ヴィム)」を設立した。

現状の主力事業はアパレルブランドの展開で流通金額は非公開だが、昨年対比で月商10倍になっている。ブランドのアカウントの総フォロワー数は80万人だ。ポップアップストアを開けば、東京と大阪を合わせて過去2000人の参加応募がある。まさにゆとり世代のコミュニティ形成が事業によって成されている。いままでの事業の歩みに関しては、前回の資金調達時のこちらの記事を参照頂きたい。

売上が拡大し、チームメンバーも社員やアルバイトを含めて30名程度になったyutori。ZOZOへのグループインのタイミングで新たに拠点を渋谷の神泉へ移した。

前回のpoolと変わり、明るさを出したオフィススペースメインの拠点となった

「ちょっと雰囲気、変わりましたよね」に片石氏はあまり自覚がないようだったが「1年目の仕事、ほとんどポエム書いてたから(笑)」と笑っていた。詳しく聞いてみると1年目はWhy(なぜ)を詰める期間、2年目はWhat(なにを)を詰める期間だったと言う。

「今は1年目で溜め込んだ思想をどうしていくのか、を事業や組織によって言語化できた状態だと思っています。”なんかyutori好き!な人”が多かった1年目から、yutoriカルチャーの言語化や発信によって一緒にやりたいの選択肢に入れてもらえるようになってきましたね」と片石氏は話す。実際この動きにVIM事業の立ち上げや資金調達、コーポレートサイトリニューアルのプレスリリースが重なっている。

スタートアップは常に時間との勝負で1年という期間は非常に需要だ。そんな中でポエムで止まってしまわず、ビジネスの成長に繋げられたのは「その時その時にできることを必死にやって来たら今の地点に行き着いている。自分が得意なのは運営ではなく、ストーリーテリングで、いつも場をつくってきた」からではないか、ということだった。

ZOZOグループインは起承転結の「転」

取材を続ける中で「なぜZOZOにグループインしたんですか?」の問いの答えは「yutoriらしい会社の歩みをしたかった」ではないかという話に至った。スタートアップストーリーとしては、資金調達を重ねて上場を目指していくモデルが多いが、彼らは事業シナジー面はもちろん、彼ららしいやり方をしたかったのが今回のコトの根源にある。

1月に新型コロナウイルスの感染ニュースが報じられるようになり、2月から資金調達に動いていたというyutori。その中で片石氏はZOZOメンバーと会話の機会を得た。自社のビジネスモデルをプレゼンした後、話していく中で双方が一緒にやっていくイメージに確信を得て、初回の打ち合わせの帰り際にははっきりと何か進む感覚があったそうだ。ちなみに、その後コロナ禍でディールはほぼオンラインで行っていた。

「特に自分たちの文化にポテンシャルを感じてくれているところがマッチしました。世代が違うとインスタやってるだけでしょ?と価値観がすれ違ってしまうこともある中で、ZOZOはyutoriの良さの部分を見てくれたと感じていました」(片石氏)。

この2年、yutoriがコンテンツに特化して0から1のノウハウを貯めてきたが、どう昇華していくのかの部分において特にZOZO側とのシナジーを見出したようだ。

大きな決断にも関わらず「グループインへの迷いはなかった」とはっきりした答えがあった。いまは起承転結の「転」の部分でお互い持っていない部分をうまくyutoriの上の世代の人たちと掛け合わせていくことで、転じて結に辿りつきたいと説明してくれた。

発表当日は社員の多くがInstagramのストーリーズにトピックスをアップする状況になった。「自分たちがやっていることがパブリックに評価されたことは非常に嬉しいことだ」と創業からPRを担当する中沢氏も話していた。

上場が腑に落ちたきっかけはメンバーと強烈な好き

ZOZOの決算発表会で登壇する片石氏/同社提供

片石氏はこれまで一度も取材時に「上場したい」と発言することはなかった。今回、上場の方針を打ち出した理由は「上場への納得感ができた」のが理由だという。「上場と言う発言を言っても恥ずかしくない、言っている自分を許せるようになった」と語る片石氏が上場を目指すフックとなったのは人とコトの2つだった。

「数字もまだまだだと思う一方で、いいメンバーがいることで、やれば結果が出るということが積み重なってきたのが人の部分。コトは自分自身に好きなことが強烈にあるのが強みだと思えた部分です。

僕、10年同じ店で服を買って誰よりも古着を愛してきて、音楽とファッションで生きてきたんですよ。起業したての頃は賢さなどで周りと自分を比べてしまい、自信がなくなることもあったんですけど、yutoriを何年か運営して好きの部分を自信にしていいと思えたら妙に納得できて。起業家の成功の条件が長く続けること、だとしたら好きなことが強烈にあるのはすごい強みだな、と思えたんです」(片石氏)。

片石氏の組織のポジショニングが変わったことも大きく関係するようだ。メンバーが増え、片石氏が関与していないプロジェクトでも「yutoriっぽい!」が2019年夏頃から生まれはじめていた。

上場することで彼らは「ゆとり世代向けの発信じゃなく、世の中に対しての”ゆとり”のイメージを変えにいく。ゆとり世代の人間たちが上場したら、面白いのではないかとワクワクする」(片石氏)と先の景色を見ている。

土台が出来たからこそ走り出す

今後の展開については「どうしたいかはyutoriを見てる人でいいアイデアがある人がいたら教えて欲しいな」だそうだ。

「上場した経験はないし、yutoriに対してもっと様々な人のアイデアを聞きたい」とカルチャーを絶対にしつつ、手法にはよりオープンさを求めていくところがyutoriらしさだ。どうやら今回の取り組みを土台として新たな取り組みをどんどんはじめていく準備が整った、ということらしい。(新種かつ斬新な答えで思わず笑ってしまったが、やりとりをそのまま掲載する)

ZOZOとは今後、組織は分けつつ連携体制を構築していく。空気感や雰囲気を重視し、自分たちが心地良く一生懸命できる環境へ双方リスペクトを保った状態での事業展開を目指す。双方のカルチャーの共存については、片石氏の言葉を借りると「ファッションが好きなのは、着てるものを見たらわかるから」お互い近い価値観でリスペクトし合えるそうだ。

yutoriは、ゆとり世代以外の人にもファッションやビジネスを通じて価値観をわかって欲しいからこそ「yutori」を掲げ、社会的な評価やいままで繋がれなかった人との繋がりを今回の取り組みで加速する。

自分たちだけだと時間がかかる部分を連携によってどう加速していくか、がyutoriにとって直近の取り組みになる。土台を作り、また新たな事業の進展が見られるのか、今後新しいニュースを待ってみよう。

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ファッション提案アプリ「FACY(フェイシー)」運営、Tencent Cloud(騰訊雲)と提携——ファッション小売のOMO対応を強化へ

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ファッション提案 O2O サービス「FACY(フェイシー)」を運営・提供するスタイラーは31日、中国のテック大手 Tencent(騰訊)のクラウド部門である Tencent Cloud(騰訊雲)と提携したことを明らかにした。 スタイラーではこれまで FACY を O2O(online-to-offline)サービスとして、オンラインから実店舗への送客サービスという位置づけで運営してきたが、新型コロ…

Image credit: Tencent Cloud / Styler

ファッション提案 O2O サービス「FACY(フェイシー)」を運営・提供するスタイラーは31日、中国のテック大手 Tencent(騰訊)のクラウド部門である Tencent Cloud(騰訊雲)と提携したことを明らかにした。

スタイラーではこれまで FACY を O2O(online-to-offline)サービスとして、オンラインから実店舗への送客サービスという位置づけで運営してきたが、新型コロナウイルスの感染拡大が、消費者の購買行動に大きな変化を与えると判断。事業全体をオンライン体験とオフライン体験をシームレスに統合した OMO(online merges with offline)支援へと進化させる。

新型コロナが加速させるファッション小売の OMO 化

ファッション EC は EC 全体の中でも大きな割合を占めるが(市場規模ベースでは全体の20%前後)、ファッションの実店舗販売に完全に取って代わることは現時点で難しい。その理由の一つは、新型コロナ後のカンファレンスやイベントがオンライン化された時の課題として、筆者が拙稿で何度か述べているセレンディピティの問題がある。

オンラインのカンファレンスやイベントで「偶然の出会い」を創出するのが難しいように、ファッション EC ではレコメンドエンジン(協調フィルタリングなど)を使ったオススメはできても、「知らなかったブランドだったが、店員が勧めてくれたので気に入って買った」というような買い物のセレンディピティを創出するのは難しいかもしれない。

Image credit: Alibaba

新型コロナウイルスが感染拡大下にあった中国では、小売店の店員が店頭にリングライトや三脚をセットアップし、ライブコマースで商品を紹介・販売する姿が各所で目立った。一般的なライブコマースアプリでは、ファッションブランドが持つ顧客向けの自社アプリなどとの連携や統合は難しいが、これを可能にするのが Tencent Cloud が提供するソリューションだ。

Tencent Cloud が提供する店舗と顧客とがスマートフォン越しに互いの顔を見ながらやりとりできる機能は、すでにサイバーエージェント子会社 Cyber Palのファンミーティングを開催できるプラットフォーム「テレライブ」や、イグニスの恋愛・婚活マッチングサービス「with」のビデオ通話サービスなどに採用されている。

スタイラーでは同社が相談を受けるファッションブランドなどに対し、OMO 実現策の一つとして Tencent Cloud が持つオンライン接客やライブコマースソリューションを紹介する。このソリューションでは、フロントエンドである顧客体験のオンライン・オフラインシームレス化のみならず、商品在庫のオンライン・オフライン販売の統合管理、複数リアル店舗間での在庫配置調整などバックエンド業務の支援も行える。

Image credit: Tencent Cloud

流行り廃りの激しいファッション業界においては、D2C ブランドの隆盛が追い討ちをかける形で、ショッピングモールではファッション店舗の出退店が激しくなっているが、Tencent Cloud のソリューションを使えば、モール内の店舗配置 CAD データを読み込むだけで、ショッピングモールの店舗案内マップ表示サイネージに反映させるような仕組みも提供可能だという。スタイラーでは協業関係にある東急不動産(東証:3289)などの協力も得て、ショッピングモールなどでの PoC を展開したい考えだ。

オンラインを主軸にした D2C ブランドが今後増えてくる。彼らの店舗は長期賃貸には馴染まない。そんな中で、店頭でのリテンションでどうやってお金を稼いでいくか、というのはショッピングモールなど施設運営側にとって大きな課題だ。

スタイラーは Tencent Cloud のソリューションなども活用しながら、主にコミュニケーションと在庫のデジタル化をやっていく。オンラインとオフラインを跨いで知見を持っているプレーヤーが日本にはいないため、この分野で圧倒的にリードしたい。(スタイラー 代表取締役 小関翼氏)

ファッション提案アプリ「FACY(フェイシー)」は、ライフスタイル版の OMO アプリへ

Image credit: Styler

スタイラーはファッションブランドに OMO ソリューションを提供するのと同時に、自社の旗艦アプリ FACY の OMO 対応を図る。2020年秋にアプリやサービスの全面リニューアルを図る予定だ。

配車アプリからスーパーアプリになった東南アジアの Grab、レストランガイドとグループ購入サイトから進化した Meituan(美団)、コロンビア発のオンデマンドデリバリ Rappi などをベンチマークしている。

これらのアプリがコモディティ層を狙っているのに対し、FACY はややミドルプライスのライフスタイルに特化した OMO を目指す。New Retail と Luxury という2つのキーワードで攻め、将来は化粧品、家具などにも領域を拡大する。(小関氏)

日本ではおそらく、LINE や楽天、決済アプリ各社などがスーパーアプリになろうとしていると思われるが、前出の Grab、Meituan、Rappi が提供可能なサービスのバリエーションには及ばない。OMO でユーザの心を捉え、提供可能なサービスのバリエーションを拡大できれば、FACY は OMO アプリからスーパーアプリに変貌できる可能性をも秘めている。

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コスメD2Cブランド「DINETTE」、セレスやポーラなど3億円出資

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コスメのD2Cブランドと美容メディアを運営するDINETTEは5月7日、セレス、ポーラ・オルビスホールディングス、D2C&Co.、MTG Ventures、サティス製薬の計5社を引受先とした第三者割当増資を実施したと発表した。調達した資金は3億円。出資比率などの詳細は非公開。 今回調達した資金を元に、プライベートブランド「PHOEBE BEAUTY UP」のマーケティング施策の強化や人材の…

DINETTE

コスメのD2Cブランドと美容メディアを運営するDINETTEは5月7日、セレス、ポーラ・オルビスホールディングス、D2C&Co.、MTG Ventures、サティス製薬の計5社を引受先とした第三者割当増資を実施したと発表した。調達した資金は3億円。出資比率などの詳細は非公開。

今回調達した資金を元に、プライベートブランド「PHOEBE BEAUTY UP」のマーケティング施策の強化や人材の新規採用、2020年以降に発売する新商品の開発、ポップアップストアを活用した店舗販促の展開などに投資するという。

プライベートブランド「PHOEBE BEAUTY UP」は、2019年2月に第1弾のアイテムとして「まつげ美容液」をローンチし、同年11月には、第2弾アイテムの「フェイスマスク」を発売。5月7日より第3弾となる「毛穴美容液」の発売を開始している。

直近では外出自粛の影響で「おうち美容」ニーズが高まり、販売しているまつげ美容液が「まつ育」アイテムとして注目が集め、3月〜4月と過去最高売上を記録しているという。

via PR TIMES

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美容プラットフォーム「LIPS」が11億円調達、MAUは1000万人に

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美容プラットフォーム「LIPS(リップス)」を運営するAppBrewは4月15日、SIG Japan、三菱UFJキャピタル、マイナビ、みずほキャピタルを引受先とする第三者割当増資の実施を公表した。調達した資金は11億円で、累計調達額は27億6000万円となる。出資比率や株式評価額などの詳細は非公開。調達した資金は開発体制の強化、マーケティング、新規事業への投資に使われる。また、同社はこれに合わせて…

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美容プラットフォーム「LIPS(リップス)」を運営するAppBrewは4月15日、SIG Japan、三菱UFJキャピタル、マイナビ、みずほキャピタルを引受先とする第三者割当増資の実施を公表した。調達した資金は11億円で、累計調達額は27億6000万円となる。出資比率や株式評価額などの詳細は非公開。調達した資金は開発体制の強化、マーケティング、新規事業への投資に使われる。また、同社はこれに合わせてCI(コーポレート・アイデンティティ)の刷新も伝えている。

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刷新したコーポレートロゴ

LIPSは2017年1月に公開された美容特化型のメディアサービス。メイクやスキンケアなどの商品レビュー、ユーザーコミュニケーションなどの場を提供し、10代から20代の女性を中心にアクセスを集めている。ダウンロード数は3月時点で500万件、月間の利用者数(MAU)は1000万人となっている。

via PR TIMES

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コーデで貢献したユーザーには還元も、ソーシャルコマース「PARTE」にGBやジェネシアVなどが1.7億円出資

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ニュースサマリ:ファッションをコーディネートから買えるショッピングSNS「PARTE(パルテ)」を運営するREGALI(レガリ)は3月16日、第三者割当増資の実施を公表した。増資を引き受けたのはグローバル・ブレインとジェネシア・ベンチャーズ、AGキャピタルの3社。調達した資金は1億7500万円で、この資金を元に機能開発、人材採用などを進める。株価や払込日、出資比率などの詳細は非公開。 また同社はこ…

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リード投資したグローバル・ブレインの百合本安彦氏とREGALI代表取締役の稲田光一郎氏・取締役の北野あゆみ氏

ニュースサマリ:ファッションをコーディネートから買えるショッピングSNS「PARTE(パルテ)」を運営するREGALI(レガリ)は3月16日、第三者割当増資の実施を公表した。増資を引き受けたのはグローバル・ブレインとジェネシア・ベンチャーズ、AGキャピタルの3社。調達した資金は1億7500万円で、この資金を元に機能開発、人材採用などを進める。株価や払込日、出資比率などの詳細は非公開。

また同社はこれに合わせ「Kastane」「Discoat」などのアパレルブランドを運営するパルとの業務提携も公表している。提携したアパレルブランドとは今後、サービス内での購買導線などを通じて協業を進める。PARTEはユーザーが投稿したファッションコーディネート画像からアイテムを購入できるソーシャルコマース。利用年代は25歳から40歳の女性が中心で、Instagramなどで影響力のあるインフルエンサーもユーザーとして参加している。

話題のポイント:ファッション系のソーシャルコマース、コーディネートサービスのアイデアは随分前からあるもので、例えば2007年のPolyvore(米)あたりから始まった第一世代のCGMサービスは、自分でファッションアイテムを「切り貼り」してウェブ上で自由にコーデを作って共有する、というシンプルなものでした。プラットフォーマーはアフィリエイト導線を使ったり、提携したファッションブランドからの広告収入という方法で事業する、まあいわばキュレーションモデルです。

国内ではiQONがその文脈で生まれ、その後、ZOZOのWEARがコーディネート系サービスを集約していったような流れになりました。ZOZOは最終的に自社プラットフォームでブランドが売れればよいので理にかなった導線設計です。

もう一つ、これとは別の流れがInstagramを中心とするインフルエンサー、KOL戦略の流れです。影響力を持った個人はブランドにとって無視できないほどの売上をもたらす存在となり「インフルエンサーマーケティング」というひとつのカテゴリを形成するまでに成長しています。

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PARTEはユーザーのコーデ写真から購入できるアイテムを表示してくれる

さて、前置きが長くなりましたが、ここでこの二つの流れを集約するような動きが出てきています。端的に言うと「インフルエンサーが自分のアイデアで儲かる仕組み」の必要性です。コーディネートサービスは前述の通りCGMですが、コーディネートを作ったユーザーは承認欲求を満たすのみで、特に自分に具体的な売上の還元はありません。つまり、インフルエンサーはどれだけ自分の影響力がブランドに貢献しても、ストレートに還元する仕組みが揃っているとは言い難い状況なのです。

そこで生まれたのが「PARTE」です。

現在はWEARとよく似た印象で、ユーザーが投稿したファッションコーデと関連するアイテムを自分で登録することで、閲覧した人はお気に入りのアイテムを購入できる、といった具合になっています。

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PARTEで一部ユーザーに公開している報酬還元の確認画面

異なるのは現在テスト中のサービスです。現在、一部のユーザーにのみ開放しているのですが、上記の画面をみて分かる通り、自分で作ったコーディネートからアイテムが購入されるとしっかり還元される仕組みを提供しているのです。

そもそもコーディネート経由での購入率は高い傾向があるらしく、ブランドは一般的なアフィリエイトのサービスプロバイダーを使って購入導線を作りますが、こういった個人ブログなどを経由する平均値に比較してPARTEは4倍ほどよく購入されるそうです。残念ながら全体への公開時期はまだ未定ということでしたが、インフルエンサーとして影響力を持ったユーザーと、彼らの影響力を活用したいブランドにとっては一石二鳥のプラットフォームになる可能性があるのではないでしょうか。

開発したのは2015年のVOYAGE新卒組。現在8人がメンバーで、2017年にジェネシア・ベンチャーズやエンジェルの赤坂優さんから出資を受けてスタートアップしています。

あと世の中のトレンドとして注目しておきたいのが中国ソーシャルコマースの流れです。ユーザーやインフルエンサーの力を使ってブランドと消費者をつなぐ動き(KOL戦略)は、1日で4兆円もの売上を作り出した独身の日(W11)の原動力とも言われています。

中でもRED(小紅書)はInstagramとAmazonのいいとこ取りと言われ、後発ながら登録ユーザー数は3億人以上、月間アクティブユーザー数(MAU)は1億人以上(2019年7月時点)と急成長しているプレーヤーです。良質な口コミと画像素材がユーザーの信頼を生み出し、商品購入への流れを作ったとされています。

<参考記事>

中国ソーシャルコマースの衝撃ーー「インスタ+Amazon」“RED”(小紅書)攻略法

インフルエンサーやセレブマーケのようなアイデアは別に目新しいものではありませんが、やはりタイミングは重要です。東アジアで動き出している大きなトレンドとしてのソーシャルコマース、さらにその中心となるKOL戦略まで紐解くと、PARTEが思い描いているブランド、インフルエンサー、消費者を巻き込んだエコシステム全体像が見えてきます。

振り返ればこれまでは「ネットでファッションが売れるはずがない」という課題へのチャレンジでした。今は違います。個人を使ってネットでいかにしてブランドを消費者に繋ぐか、そのプラットフォームを誰がいち早く構築するか、そういうレースです。

PARTEのGMVが魅力的な数字になれば開示されるでしょうから、その時を待ちたいと思います。

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シンガポールのStyle Theory、東南アジア随一のファッションレンタルスタートアップになるまでの軌跡(後編)

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Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから


前編からの続き)

「テストファースト(まずはテスト)」な考え方

Style Theory の開始以来、Halim 氏と Lim 氏は1つの考え方に基づいて運営してきた。それは「常にテストファースト」である。

同社の発端そのものがこの考え方から生まれたものだ。彼らは1か月以内に500人のメンバー登録を目指し、その目標に届かなかったらアイデアを捨てるつもりだった。

左から:Raena Lim 氏、Chris Halim 氏。共に、Style Theory 共同創業者。
Photo credit: Style Theory

この姿勢は、同社のシンガポールにおけるバッグレンタルサービスのローンチや新商品のリリースといった、製品のイノベーションに関する決定も左右した。

弊社は非常にデータドリブンです。80個の様々なデータポイントを集め、それを使ってどの服を購入するかを決めます。(Lim 氏)

例えば、同社は通常まず S サイズと M サイズの服を購入し、その後もっと小さなサイズや大きなサイズの需要があるかどうかをチェックする。特定のサイズに対する需要が十分にあれば、そのサイズも購入する。

持続可能な成長

2016年に Style Theory がローンチした際、東南アジアには同じようなサービスがなかったため、同社はアメリカのファッションサブスクリプションサービス Rent the Runway や中国のレンタルプレイヤーをモデルにしようとした。しかしながら、東南アジアの市場はとてもユニークだった。

シンガポールでは人々は公共交通機関で移動するので、弊社は駅と多く協力し、ユーザが通勤の行き帰りに荷物を受け取れるようにしました。宅配サービスが一般的に直接玄関先まで届けてくれるアメリカとは違います。(Lim 氏)

また、シンガポール人はあまり流行に敏感な方ではない。彼らは特定のデザイナーの最新作を着たいとはあまり考えず、むしろ行きたいと思うイベントや会いたいと思う相手のことを気にすると同氏は述べた。彼らはそれに合わせて装うのだ。

インドネシアでは、顧客プロファイルが微妙に違っているという。

彼らはおよそ20歳から25歳前後と若く、ソーシャルメディアに大きく影響を受けています。職場環境も違います。フォーマルなビジネスの場面でも、人々はよりカジュアルな服を着るためです。(Lim 氏)

インドネシアに攻勢をかけていても、Style Theory の主要なビジネスはまだシンガポールにある。これはシンガポール市場で同社がより長く運営しているからであり、またバッグのレンタルのようなより多くのサービスを展開しているためでもある。

Photo credit: Style Theory

しかしながら、ビジネスの成長のために両国で同様の戦略をとっている。不動産業の戦略的パートナーもしくは投資家を引き込むことだ。

2019年11月にはシンガポールにオフラインの店舗をオープンした

インドネシアでは、国内に様々なモールを所有しコワーキングスペース運営業者 GoWork に対する投資家でもある The Paradise Group とパートナーシップを結んでいる。また、Style Theory は FX Mall 内に倉庫とオフィスも持っている。このモールは中央ジャカルタの SCBD エリアにほど近く、The Paradise Group が所有しているものでもある。

インドネシアではモールが適切です。みんなそこに行くことを好みます。ですが、弊社はまだそれを有効活用する方法を探っているところです。(Lim 氏)

他方では、Style Theory はテック製品に注力したいとも考えている。最近の資金調達で得た投資は、インドネシアでエンジニアやプロダクトマネージャー、プロダクトデザイナー、リサーチャーを雇用するために使われることになると Halim 氏は述べている。

同社には現在社員が200名以上いて、そのうち120名ほどはインドネシアで働いている。80名ほどの、製品とデータの全てのチームはジャカルタのオフィスで働いている。

しかし服のレンタルビジネスには困難がつきものだ。2019年には Rent the Runway が新規サブスクリプションの受付を停止し、配送に1日から2日の遅れが生じている。このアメリカ拠点のスタートアップの問題に関して、Halim 氏はスケーラビリティの問題というよりはシステムの問題だと考えている。

あらゆるシステムをきちんとテストし、服から倉庫システムに至るまで全てを予測しプランを立てておくことが非常に重要です。ですのでここ2か月間、弊社は本当に多忙でした。そして今、プランニングは完了しています。

こう述べる Halim 氏は、今年はビジネスを3倍以上に成長させたいと考えている。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

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シンガポールのStyle Theory、東南アジア随一のファッションレンタルスタートアップになるまでの軌跡(前編)

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2016年、Chris Halim 氏と Raena Lim 氏は Style Theory というファッションのレンタルプラットフォームを試していた。サービスの順番待ちリストが3,000人以上にまで成長すると、シンガポールを拠点とする2人は、このアイデアには追い求める価値があると決断した。

彼らは母国でプラットフォームをローンチし、そして2017年にインドネシアに進出した。MadThread や The Treasure Collective といった他のスタートアップが存在し、同じようなサービスを提供していたが、Style Theory は地理的なカバー範囲や資金面で抜きん出ている。

Photo credit: Style Theory

同社は設立以来、2019年12月に SoftBank Ventures Asia がリードした1,500万米ドルのシリーズ B ラウンドも含め、2,500万米ドルを調達している。投資家の中には Alpha JWC Ventures や The Paradise Group なども挙げられる。

Halim 氏は Tech in Asia に次のように語っている。

今後数か月間でさらに多くの資金、おそらく200万米ドル以上を調達する機会があります。

同社のプラットフォームには20万人以上の登録ユーザがいるとしている。

見た目はファッションのスタートアップ、中身はロジスティクスのスタートアップ

服のレンタルは新しいビジネスではない。以前からいくつものブティックがこのサービスを提供している。一般的には、直接ショップに出向き、服を借り、着た後で返却する。

今日では、インドネシアの BelsbeeTheDressCodes、シンガポールの Covetella、タイの Style Statement、マレーシアの Lola のようなウェブサイトで、ドレスのコレクションをオンラインで借りることができる。しかしこれらのサイトが注力しているのは、結婚式や式典といった特別なイベント用の服である。

対照的に、Style Theory が注力しているのは普段着だ。同社が提供しているサブスクリプションサービスでは月額料金を払い、コレクションの中から無制限に、一度に3着から5着までを借りることができる。Lim 氏はこのプラットフォームを「クラウドワードローブ」と例えている。

このアプローチで同社はユーザを引き留めているが、ロジスティクスの観点からは悪夢のようなものだ。

弊社のビジネスは本当にユニークです。出て行ったものは戻ってくる必要があります。片道のロジスティクスだけを必要とする e コマースとは大きく違います。(Halim 氏)

彼が Style Theory を始めたときは、30社以上のサードパーティのロジスティクス企業とパートナーシップを結び、様々な倉庫管理システムを使用していた。一般的なロジスティクスビジネスにとってリバースロジスティクスは比較的小さな部分であるため、彼らの多くはそこに十分な投資をしていないということに同氏は気づいた。しかし、一般的にはサプライチェーンの中で製造元への返品を意味するリバースロジスティクスが、Style Theory にとっては消費者への商品発送と同じく重要だったのだ。不十分なリバースロジスティクスのソリューションは、顧客にとって多くのペインポイントを生じさせかねない。

返却のロジスティクスのプロセスは複雑だ。スケジュールに合わせて洗濯できるように、そして偽物でないことを確認しなければならないので、商品は時間通りに到着しなければならない。そして別の顧客が借りたいと言った際に簡単に取り出せるように、システムは服がどこに保管されているのかを理解しておかなければならない。

Halim 氏はこう回想する。

最終的に私たちは、これはどうやったら落とし込めるのだろうと自問しました。ビジネスの経済的な面を享受することはできるのだろうか?そのときから全てを査定し始め、ロジスティクスと倉庫のシステムを一から作り始めたのです。

左から:Raena Lim 氏、Chris Halim 氏。共に、Style Theory 共同創業者。
Photo credit: Style Theory

左から:Raena Lim 氏、Chris Halim 氏。共に、Style Theory 共同創業者。<br>Photo credit: Style Theory

共同設立者らはインサイトを求めて元 Redmart 従業員だった運営のトップに頼った。Halim 氏によれば、独自の RFID タグや倉庫管理システムを作るという決断、そしてシンガポールの配達員グループによって、顧客満足度は88%から98%に上昇している。同社は外から見るとファッションのスタートアップのように見えるが、内側から見ればロジスティクスのスタートアップの方が近いというのは同氏も認めるところである。

レンタルサービスは e コマースよりも時間に厳しいです。顧客は具体的に着る状況をすでに考えていますから。ある特定の状況で服を着たいと思うものです。弊社のユーザのリテンションはそこにかかっています。(Lim 氏)

Style Theory がシンガポールよりもずっと大きな市場であるインドネシアに進出した際、新たな難関に直面した。シンガポールとは違い社内の配達員に頼るということができなかったのだ。さらにずっと広いエリアをカバーするには、より大きな規模の配達業者が必要となったためである。幸運なことに、同国には仕事を頼むことができる、信頼できるサードパーティロジスティクス企業があった。

インドネシアではサードパーティのロジスティクスの方が、いろいろな意味で優れています。競争が多く存在するというのも、弊社にとって良いポイントです。(Halim 氏)

インドネシアで Style Theory は Gojek とコラボレーションしてジャカルタ内の翌日配達を提供し、宅配企業 Paxel とのコラボレーションでスラバヤには2日から3日で配達している。サービスに対する顧客満足度は90%以上だが、特に適時性と返却サービスにおいてはまだ改善の余地があると Halim 氏は言う。

Alpha JWC Ventures のマネージングパートナー Jeffrey Joe 氏はこう述べている。

ビジネスの最も重要な指標はリテンション率であると弊社は考えています。製品にどれだけの価値があるのか、顧客はお金を払い留まってくれるのか、それを証明するものだからです。

Halim 氏と Lim 氏は、インドネシアでビジネスをスケールすることに関して注意を払っていると認めている。現在は3,500万人が暮らすジャカルタ都市圏に注力しており、今年はそれを続けるつもりだ。同社はスラバヤでも小規模に運営している。

もし料金や速度の点で十分に良好なパートナーが見つかれば、弊社はメダンやマカッサルのような他の大きな都市へも進出するつもりです。ですが今のところは、まだジャカルタ都市圏に注力しています。(Halim 氏)

今年、インドネシアやシンガポール以外の他の国にも進出を計画しているが、詳細は明らかにされなかった。

純粋な物量というロジスティクス面の困難が、同地域に Style Theory のようなレンタルの大手プレイヤーがあまりいない理由の1つだ。

2018年に設立されたシンガポール拠点の MadThread は、エンジェル投資家コミュニティの AngelCentral からシードファンディングで51万3,000米ドルを受け取っている。SimilarWeb と Google Play のデータによれば、ウェブサイトの訪問者数アプリの総ダウンロード数は Style Theory に比べてはるかに少ない。

マレーシアでは Zarrel というスタートアップが同じサービスを2016年に提供しようとしたが、それ以来営業を停止している。

Alpha JWC の Joe 氏はこう述べる。

Style Theory のビジネスモデルを実際に行うのは簡単なことではありません。よく見てみれば非常に複雑なビジネスですし、彼らは上手く実行しています。Style Theory のようなレンタルビジネスでは、服の買い付けから洗濯まで、サービスの品質を維持するために強力なテック、マーケティング、そして運営の優れた能力が要求されます。そしてもちろん、これだけのスケールで何かを行うには大きな資金が必要です。

オンラインの服のレンタルはまだニッチな市場だが、将来は非常に有望だ。Research Nester の最近のリサーチでは、2018年のオンライン服飾レンタル産業は11億米ドルであるとされ、2027年までに28億米ドルに達すると推定されている。アジア太平洋地域は強力な成長を遂げ、2027年までに世界市場で22.14%のシェアを占めるようになると見られている。

後編へ続く)

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

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