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(前編からの続き)
「テストファースト(まずはテスト)」な考え方
Style Theory の開始以来、Halim 氏と Lim 氏は1つの考え方に基づいて運営してきた。それは「常にテストファースト」である。
同社の発端そのものがこの考え方から生まれたものだ。彼らは1か月以内に500人のメンバー登録を目指し、その目標に届かなかったらアイデアを捨てるつもりだった。

Photo credit: Style Theory
この姿勢は、同社のシンガポールにおけるバッグレンタルサービスのローンチや新商品のリリースといった、製品のイノベーションに関する決定も左右した。
弊社は非常にデータドリブンです。80個の様々なデータポイントを集め、それを使ってどの服を購入するかを決めます。(Lim 氏)
例えば、同社は通常まず S サイズと M サイズの服を購入し、その後もっと小さなサイズや大きなサイズの需要があるかどうかをチェックする。特定のサイズに対する需要が十分にあれば、そのサイズも購入する。
持続可能な成長
2016年に Style Theory がローンチした際、東南アジアには同じようなサービスがなかったため、同社はアメリカのファッションサブスクリプションサービス Rent the Runway や中国のレンタルプレイヤーをモデルにしようとした。しかしながら、東南アジアの市場はとてもユニークだった。
シンガポールでは人々は公共交通機関で移動するので、弊社は駅と多く協力し、ユーザが通勤の行き帰りに荷物を受け取れるようにしました。宅配サービスが一般的に直接玄関先まで届けてくれるアメリカとは違います。(Lim 氏)
また、シンガポール人はあまり流行に敏感な方ではない。彼らは特定のデザイナーの最新作を着たいとはあまり考えず、むしろ行きたいと思うイベントや会いたいと思う相手のことを気にすると同氏は述べた。彼らはそれに合わせて装うのだ。
インドネシアでは、顧客プロファイルが微妙に違っているという。
彼らはおよそ20歳から25歳前後と若く、ソーシャルメディアに大きく影響を受けています。職場環境も違います。フォーマルなビジネスの場面でも、人々はよりカジュアルな服を着るためです。(Lim 氏)
インドネシアに攻勢をかけていても、Style Theory の主要なビジネスはまだシンガポールにある。これはシンガポール市場で同社がより長く運営しているからであり、またバッグのレンタルのようなより多くのサービスを展開しているためでもある。

しかしながら、ビジネスの成長のために両国で同様の戦略をとっている。不動産業の戦略的パートナーもしくは投資家を引き込むことだ。
2019年11月にはシンガポールにオフラインの店舗をオープンした。
インドネシアでは、国内に様々なモールを所有しコワーキングスペース運営業者 GoWork に対する投資家でもある The Paradise Group とパートナーシップを結んでいる。また、Style Theory は FX Mall 内に倉庫とオフィスも持っている。このモールは中央ジャカルタの SCBD エリアにほど近く、The Paradise Group が所有しているものでもある。
インドネシアではモールが適切です。みんなそこに行くことを好みます。ですが、弊社はまだそれを有効活用する方法を探っているところです。(Lim 氏)
他方では、Style Theory はテック製品に注力したいとも考えている。最近の資金調達で得た投資は、インドネシアでエンジニアやプロダクトマネージャー、プロダクトデザイナー、リサーチャーを雇用するために使われることになると Halim 氏は述べている。
同社には現在社員が200名以上いて、そのうち120名ほどはインドネシアで働いている。80名ほどの、製品とデータの全てのチームはジャカルタのオフィスで働いている。
しかし服のレンタルビジネスには困難がつきものだ。2019年には Rent the Runway が新規サブスクリプションの受付を停止し、配送に1日から2日の遅れが生じている。このアメリカ拠点のスタートアップの問題に関して、Halim 氏はスケーラビリティの問題というよりはシステムの問題だと考えている。
あらゆるシステムをきちんとテストし、服から倉庫システムに至るまで全てを予測しプランを立てておくことが非常に重要です。ですのでここ2か月間、弊社は本当に多忙でした。そして今、プランニングは完了しています。
こう述べる Halim 氏は、今年はビジネスを3倍以上に成長させたいと考えている。
【via Tech in Asia】 @techinasia
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