ファッションD2Cプラットフォーム「picki(ピッキー)」運営、プレシリーズAで1.2億円を資金調達——CACやセゾンVなどから

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Image credit: picki

ファッション D2C プラットフォーム「picki(ピッキー)」を運営する picki は18日、プレシリーズ A ラウンドで1.2億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、サイバーエージェント・キャピタル(CAC)、セゾン・ベンチャーズ、名前非開示の個人投資家。同社にとっては、2019年5月に実施したシードラウンドに続くものとなる。CAC はシードラウンドに続くフォローオン。

picki は、インフルエンサーなどがファッションブランドを立ち上げ、それを販売することができるプラットフォームだ。新型コロナウイルスの影響でアパレル大手各社が店舗閉鎖やブランド縮小を発表する中、その影響は picki にも少なからずあるものの、売上は堅調に推移しているようだ。

その鍵となるのは、フォロワーが数十万人以上いる有名インフルエンサーとタグを組んだオリジナルブランド。瀬戸あゆみ氏(18日現在、Instagram フォロワー数28.8万人)のブランド「Dear Sisterhood」は初の合同展示会で、用意した商品の消化率96%を達成した。picki CEO の鈴木昭広氏によれば、消化率60%程度でも上場しているアパレル各社はザラであることから、Dear Sisterhood が叩き出した数字は驚異的だという。picki ではこのようなオリジナルブランド(picki では「ソーシャルネイティブブランド」と呼んでいる)を4つ運営している。

「Dear Sisterhood」
Image credit: picki

これに加えて、新型コロナウイルスの影響もあって既存ブランドの売れ行きが低迷する中、そういったブランドからの相談も picki には増えつつある。

彼らの多くは、ソーシャルコマースのノウハウは持っていない。デジタルで世界観を作っていけるのは、picki のアドバンテージ。(鈴木氏)

既存ブランドとの協業では、今あるブランドのアセットをベースに売り方を変えるというアプローチを提案している。picki では既にこのモデルで2つのブランドと協業しており、B2C のみならず、B2B での利益モデルも確立できつつあることから、今後、既存ブランドを買収あるいは譲受する可能性もあるという。

(ブランドをやっている)会社を買うということはないと思うが、ブランドを譲り受ける可能性はあるかもしれない。初期のマーケティングコストが抑えられる分、売り方を工夫して売上を立てられれば、利益率はかなり高いものになる。(鈴木氏)

今後新しい自社ブランドも増やし、現在の3倍程度にはしたいという。

事業を続ける中でデータが貯まってきた。インフルエンサーのブランドを作る際は、ただフォロワー数が多いというだけではダメで、ファンとのエンゲージメントがちゃんと取れているかが大事。キャスティングのノウハウとかもわかってきた。(鈴木氏)

今回出資したセゾン・ベンチャーズは決済大手クレディセゾン(東証:8253)の CVC だ。クレディセゾンは picki の持つ金融的な側面、若年層へのアプローチに特に関心を示しているらしい。ファッションにおいては、ブランドや製品が受けるかどうかの客の反応は、店頭に並べてみないとわからない。生産着手前に客の反応を見られる picki 上で製品予約ができるクラウドファンディング的機能を、アパレル業界に対する新しい金融サービスアプローチの一つと捉えているようだ。

新型コロナウイルス拡大がファッション業界にネガティブな影響をもたらしたことから、今は優秀な人材を獲得しやすい「買い手市場」。picki では調達した資金を使って、ブランド開発のため人材を強化したいとしている。