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Infinity Ventures、シード特化の新ファンド「LAUNCHPAD FUND」を組成——ピッチイベント「LAUNCHPAD」は年4回に拡充

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Infinity Ventures(旧称:Infinity Venture Partners)は5日、シードステージに特化した新ファンド「LAUNCHPAD FUND」を組成したことを発表した。Infinity Ventures の既存ファンドがシリーズ A ラウンドへの出資を中心としていたのに対し、新ファンドでは J-KISS によるシード投資を中心に行う。 LAUNCHPAD はもともと、In…

Infinity Ventures Summit 2019 Summer in 神戸 の「 LAUNCHPAD」から
Image credit: Masaru Ikeda

Infinity Ventures(旧称:Infinity Venture Partners)は5日、シードステージに特化した新ファンド「LAUNCHPAD FUND」を組成したことを発表した。Infinity Ventures の既存ファンドがシリーズ A ラウンドへの出資を中心としていたのに対し、新ファンドでは J-KISS によるシード投資を中心に行う。

LAUNCHPAD はもともと、Infinity Ventures  が年に2回開催するイベント「Infinity Ventures Summit(IVS)」の目玉コンテンツとして提供されてきたピッチイベントで、ここで露出したスタートアップが IVS や他の投資家からのシード資金調達の機会を獲得してきた。新ファンドでは、このようなスタートアップに対し、より直接的な資金調達機会を提供すると見られる。

LAUNCHPAD は今後、IVS のコンテンツの一部として開催される「IVS LAUNCHPAD」以外に、単独で開かれる「LAUNCHPAD X」が2回追加される予定で、年間で合計4回の開催となる見込み。直近では12月18日に SaaS 領域に特化したスタートアップの募集が既に開始されている。エントリはフォームでの設問入力(選択式)と、1分間のサービス紹介動画で完了する。

Infinity Ventures Summit は今年7月、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、初めてオンラインで開催された。コロナ禍において、資金調達の機会を求めるスタートアップが VC にアクセスする方法は多様化しつつあり、同時に VC もまたディールソースからデューデリジェンス、投資契約の締結、投資実行までを一貫してフルオンラインで行うなど、新常態での模索が続いている。

<参考文献>

via PR TIMES

IVPの小野氏が17LIVE(イチナナ)グローバルCEOに、ファンドは卒業へ

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ライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」を運営する17Media Japanは8月17日、日本事業を立ち上げた小野裕史氏が、親会社となるM17 Entertainment Limited(M17)のグローバルCEOに就任したことを公表した。今後、M17は日本事業を中心に、現在展開する台湾、香港、シンガポール、マレーシア、インドなどの運営にあたる。これまでM17のCEOだったJoseph Phu…

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M17 Entertainment Limited(M17)のグローバルCEOに就任した小野裕史氏

ライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」を運営する17Media Japanは8月17日、日本事業を立ち上げた小野裕史氏が、親会社となるM17 Entertainment Limited(M17)のグローバルCEOに就任したことを公表した。今後、M17は日本事業を中心に、現在展開する台湾、香港、シンガポール、マレーシア、インドなどの運営にあたる。これまでM17のCEOだったJoseph Phua氏は非常勤会長に就任する。小野氏は引き続き17Media Japanの代表取締役も継続する。

M17が運営するライブ配信アプリ「17LIVE(英語圏では「LIVIT」)」が日本でサービスを開始したのが2017年。投資ファンド「インフィニティ・ベンチャーズ」の共同代表パートナーとして投資事業を手掛けていた小野氏が代表として事業を立ち上げ、一般ユーザーから歌手、タレントなどがライバーとして参加するライブ配信プラットフォームとなった。2019年11月時点で世界全体の登録者数は4500万件。

また、小野氏はこの発表に合わせ、自身も共同代表として参加していたインフィニティ・ベンチャーズの共同代表を今年9月に退任することも公表している。2000年にシーエー・モバイルの創業期メンバーとして参加した小野氏は、2008年に共同代表パートナーである田中章雄氏らと共にインフィニティ・ベンチャーズを創業。

日本や中華圏でベンチャー投資を手掛ける傍ら、自らも事業家として創業メンバーに加わる独自のスタイルで新興企業成長に寄与した。手掛けた立ち上げ事業はサンシャイン牧場のRekoo Japan、ジモティー、グルーポン・ジャパン、Farfetch Japanなどで、17Media Japanもそのうちの一つだった。また、国内最大のベンチャー・カンファレンス「Infinity Ventures Summit」を12年にわたって主催するなど、投資家としてスタートアップエコシステムに大きな影響を与えてきた。

これについては小野氏がFacebookでオープン・コメントを発表していたので、そちらも合わせて掲載する。

【ご報告:インフィニティ・ベンチャーズを卒業します】

このたび、2008年から Akio Tanakaと共に率いてきたインフィニティ・ベンチャーズ(IV)を、今年9月をもって卒業させて頂く事となりました。

また、IVの投資先の17LIVEにて、2017年より日本法人17 Media JapanのCEOを務めておりますが、この度、親会社(M17 Entertainment, Ltd; M17)にてグローバルCEOに就任する事になりました。

17LIVEを日本でゼロから立ち上げ、売上日本No.1までの成長を率いてきたなか、M17のCo-founderである Joseph PhuaよりグローバルCEOのポジションを継いでほしいとの強い希望があり、IV田中や Joseph Huangらともディスカッションのうえ、IVからの最大の投資先のM17を経営者として育てていくことでIVの投資家関係者の皆様に恩返しをしていくのが最も良いであろうと判断し、小野がIVから卒業して経営者としてM17にコミットしていく選択をさせて頂きました。

ゼロからIVを立ち上げてから12年、投資だけではなく、自身で会社の経営を数多く行なわせて頂きました。サンシャイン牧場のRekoo Japan、グルーポン・ジャパン、ジモティー、ファーフェッチ・ジャパン、そして17 Media Japan。幸いに、自ら経営に関わった投資先のほとんどが大きな成長を遂げ、大きなexitにつなげる事ができました。

特にジモティーは完全にゼロから一人で会社を立ち上げ、今年上場にまで持っていけたのは嬉しい限りです。

また、IVPのファンドとしても、ソラコム、freeeのような素晴らしいexit、そしてYeahKa(HKにて上場しており3000億円強の時価価値です)やウェルスナビといった大きく成長する企業への投資にも関わることができました。

17LIVEは日本、台湾、インド、US、中東と広く展開をしており、おおいに拡大しており、ライブ配信事業をさらに世界に広げていけるよう、経営者個人としてもより大きく成長を目指して参ります。

今後は、経営者・連続起業家の小野として、長くお付き合い頂けると幸いです。

またIVについても、株式会社IVSの代表の 島川 敏明も過去最大1,000名以上の開催に成功し、IVの日本チームもリフレッシュ&強化していきますので、引き続きよろしくお願いいたします。これまでご連絡頂いている 川村 達也中心に、引き続き窓口をさせて頂きます。

また、小野もIVS LaunchPadのアドバイザーとして、今後もIVならびにスタートアップ育成にも貢献してまいります。

台湾のAIスタートアップGliaCloud(集雅科技)、IVPらからシードで50万米ドルを調達——AIが動画を自動生成・編集する「GliaStudio」を開発

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台湾を拠点とする人工知能スタートアップ GliaCloud(集雅科技)は15日、THE BRIDGE の取材に対し、同社がシードラウンドで50万米ドルを調達していたことを明らかにした。リードインベスターは Infinity Venture Partners(IVP)が務め、複数名のエンジェル投資家が参加した。なお、エンジェル投資家の名前について、同社は開示していない。 GliaCloud は、人工…

台湾を拠点とする人工知能スタートアップ GliaCloud(集雅科技)は15日、THE BRIDGE の取材に対し、同社がシードラウンドで50万米ドルを調達していたことを明らかにした。リードインベスターは Infinity Venture Partners(IVP)が務め、複数名のエンジェル投資家が参加した。なお、エンジェル投資家の名前について、同社は開示していない。

GliaCloud は、人工知能により動画を自動生成・編集できるプラットフォーム「GliaStudio」を開発している。GliaStudio は、ユーザから与えられた課題(文章)などを理解し分析することで、画像、動画クリップ、インフォグラフィックスを自動編集、字幕やナレーション(合成音声)も自動的に挿入される。これを可能にしている技術は、コンテンツマネージメント、自然言語処理(NLP)、コンピュータビジョン(画像解析)、動画検索などだ。

これまでに中華圏のメディア10社と提携し、毎日1,000を超える動画クリップを作り続けているとのこと。提携メディアには、先ごろ20億米ドルを調達した中国のニュースアグリゲーションアプリ最大手の「Toutiao(今日頭条)」や、台湾のテックメディア大手「BusinessNext(数位時代)」などが含まれる。

GliaStudio は、英語・中国語・日本語に対応しており、主に中華圏や日本の E コマース事業者やメディアをターゲットにしているが、今回、IVP らが投資家に加わったことにより、日本市場への積極的な展開も期待されるところだ。特に動画を使って分散型メディアを運営する企業などにとっては、GliaStudio を使ってニュースやトピックをもとに動画を生成、それらを各種ソーシャルメディアに投稿することで、サービスの完全無人運転さえ可能になる。

GliaCloud は2015年7月、台湾系カナダ人の起業家で、これまでにも Tagtoo などアドテク企業を創業している、クラウド技術に強いエンジニア David Chen 氏により設立。2016年には Tech in Asia Singapore で、優秀なクラウドサービスに贈られる「Aliyun Award(阿里雲賞)」を受賞している。

7,400万DAU・平均滞在時間76分/日を誇るニュースアプリ「Toutiao(今日頭条)」は、来年にも日本市場を動画アプリで攻める #IVS16F

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本稿は、12月6日〜7日、京都で開催されている Infinity Ventures Summit 2016 Fall の取材の一部である。 <12月21日更新:主催者依頼により、写真の一部を加工しました。> 先月、Wall Street Journal に、目を見張る記事が掲載された。創業からまだ4年しか経たない、中国のニュースキュレーションアプリ「Toutiao(今日頭条、簡体字では〝今日头条〟…

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左から:Infinity Venture Partners 共同代表パートナー 田中章雄氏、ByteDance(字節跳動)副総経理 Josh Liu 氏

本稿は、12月6日〜7日、京都で開催されている Infinity Ventures Summit 2016 Fall の取材の一部である。

<12月21日更新:主催者依頼により、写真の一部を加工しました。>

先月、Wall Street Journal に、目を見張る記事が掲載された。創業からまだ4年しか経たない、中国のニュースキュレーションアプリ「Toutiao(今日頭条、簡体字では〝今日头条〟)」を経営する ByteDance(字節跳動)が、IPO を前に100億ドル(約1兆1,400億円)のバリュエーションで資金を調達しているという。

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12月6日〜7日、京都で開催されている Infinity Ventures Summit(IVS)の冒頭、Toutiao の Global Operations を統括する副総経理の Josh Liu 氏が登壇した。モデレータは、Infinity Venture Partners の共同代表パートナーの田中章雄氏が務めた。

日本や世界を代表するニュースキュレーションアプリとも、その規模で溝を開ける Toutiao の凄さは数字で見ると明らかだ。

  • 1日あたりの利用者数 7,400万人
  • 1日の1人当たり平均利用時間 76分以上
  • 1日に Toutiao 上で読まれる記事数の総和 13億本
  • 1日に Toutiao 上で再生されるビデオの再生数の総和 15億回
  • コンテンツを作成するクリエイター(=Toutiaohao/頭条号 or 头条号)の人数 30万人
  • Toutiaohao によって、1日にパブリッシュされる記事やビデオの本数 15万件
    (Toutiao 上でパブリッシュされるコンテンツのうち、90% が Toutiaohao が制作したもの)
  • コンテンツ供給を受けるメディアパートナーの数 1万社
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AppAnnie では、無料アプリ、有料アプリ、売上のすべてのランキングにおいて、中国で2位の座につけている。

Toutiao を Toutiao せしめているのは、何も書き手やニュースの数の多さだけではない。徹底的なアルゴリズム分析によるパーソナライゼーションがカギだ。現在、約2,500人いる Toutiao の全社員のうち実に約1,500人がエンジニア、そのうちの半数を超える約800人がデータサイエンティストやアルゴリズム解析に従事する人々ということからもわかるだろう。

Toutiaohao(頭条号、簡体字では头条号)と呼ばれるクリエイターの多くは、それまで伝統的なメディアで仕事してきた、プロのライターや動画のプロデューサーなど。彼らは、コンテンツ制作のスキルを引っさげて、従来の職業よりも稼げる新興メディアへと転向してきた人々だ。Toutiao クオリティの高いコンテンツを創出するトップティアのクリエイターには最低限の支払金額を保証しているが、トップティアのクリエイターだけを贔屓したいわけではないという。

いろんな種類のクリエイターを Toutiao のプラットフォームに招いているのは、人々がニュースだけではなく、知識を得る場所として捉えてくれているからだ。(中略)

Toutiao の肝はパーソナリゼーション。ユーザがどのような記事を好んでいるかを分析しているので、(トップティアの)よく読まれる記事だけを提供したいわけではない。

アルゴリズムとエモーションで世界を制覇

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北京にある ByteDance(字節跳動)の本社ビル。以前は、航空機の博物館だったという。
2016年8月、北京で池田将撮影。

Toutiao 運営会社の ByteDance は設立以来、2012年にシリーズAラウンド、2013年にシリーズBラウンド、2014年にシリーズCラウンドと順調に資金調達を連ねてきた。Byte + Dance(中国語では、字節 + 跳動)という社名には、ニュースカンパニーというだけでもなければ、テクノロジーカンパニーというだけでもない、アルゴリズムとエモーションの両方を兼ね備えた会社という思いが込められているという。

Toutiao は主に中国国内をターゲットとしているが、ByteDance は今年10月にはインドのニュースアプリ「Dailyhunt」を買収したのをはじめ、グローバル向けには「TopBuzz」というアプリを、中国に加え、アメリカとブラジルでローンチしており、英語とポルトガル語で利用できる。

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田中氏が日本への進出計画について尋ねたところ、Liu 氏が具体策については語らないまでも、世界の他の地域とは異なる戦略をとることを明らかにした。

日本はタフな市場だ。すでにローカルのプレーヤーもいるので、異なる方法で進出しようと考えている。それは動画を使ったものだ。動画を取り入れることで、我々は日本の市場でより早く立ち上がることができるだろう。

ニュースアプリ(Toutiao)と(これから日本に進出する)動画アプリで戦略が異なる可能性はあるが、Liu 氏によれば、Toutiao では広告(主にネイティブ広告)から得られる収入の、実に15%をコンテンツクリエイターに還元しているそうで、それが腕のいいクリエイターを集め、コンテンツ品質の向上に大きく寄与しているようだ。

折しも日本では、キュレーションメディアの品質低下が議論を呼んでいるが、来年の今頃は、ByteDance は日本のウェブメディアのランドスケープを変えているかもしれない。

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北京にある ByteDance(字節跳動)の本社ビルの受付
2016年8月、北京で池田将撮影

IVPが3号ファンドで台湾政府系ファンドらから2,500万ドルを調達——ファンド規模は7,500万ドルに

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日本・中国・台湾などのアーリーステージ・スタートアップを中心に出資するベンチャーキャピタル Infinity Venture Partners(IVP)は28日、「Infinity e.ventures Asia III, L.P.(3号ファンド)」が資金調達し、ファンド規模が7,500万ドルに達したことを発表した。2014年11月に3,200万ドル規模で始まった同ファンドは、開始当初の約2倍強の…

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日本・中国・台湾などのアーリーステージ・スタートアップを中心に出資するベンチャーキャピタル Infinity Venture Partners(IVP)は28日、「Infinity e.ventures Asia III, L.P.(3号ファンド)」が資金調達し、ファンド規模が7,500万ドルに達したことを発表した。2014年11月に3,200万ドル規模で始まった同ファンドは、開始当初の約2倍強の規模に達しており、調達のクローズを予定している2016年後半までに1億ドル規模を目指す。なお、1号ファンド〜3号ファンドの通算の評価額については、調達額の約3倍のパフォーマンスで運用されていることも明らかにされた。

3号ファンドの LP(Limited Partner)はリクルートホールディングス、大和証券グループ本社、サミーネットワークス、ORSO、ミクシィ、ユナイテッドなどの企業の他に、日本内外のネットやモバイル関連企業の経営者個人が中心。今回のフェーズで IVP は新たに2,500万ドルを調達しているが、THE BRIDGE の取材に対し、そのうちの2,000万ドルについては、台湾の政府系ファンドである行政院国家発展基金 NDF(National Development Fund, Executive Yuan、またの名を連合国発基金)から調達したことを明らかにした。

NDF はこれまでに、500 Startups、台湾のアクセラレータである AppWorks(之初創投)360ipIndustry Technology Investment Corporation(台湾創新工業技術移転)などにも出資しており、主に台湾スタートアップの海外進出支援を意図している。

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IVP は、日本市場への進出を成功させた PinkoiKKBox を筆頭に台湾スタートアップのグローバル展開支援に積極的だ。また、IVP は中国国内3箇所——北新橋(北京)・三里屯(北京)・深圳——にインキュベーション・スペースの TechTemple(科技寺)を備えており、台湾スタートアップが頻繁にターゲットとする中国市場への進出においても、有利であるとの判断がなされた可能性がある。

オーディエンス・ターゲティングのEyeotaが、GBやIVPなどからシリーズAで700万ドルを調達

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アドテク・スタートアップの Eyeota は今日、シリーズAラウンドで700万ドルを調達したと発表した。このラウンドはグローバル・ブレイン(東京)がリード・インベスターを務め、Infinity e.Ventures(北京・東京) と Project A Ventures(ベルリン)が参加した。Eyeota は海外オフィスのチームを編成、技術開発チームの拡大、他地域への市場展開に資金を使う計画だ。 …

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アドテク・スタートアップの Eyeota は今日、シリーズAラウンドで700万ドルを調達したと発表した。このラウンドはグローバル・ブレイン(東京)がリード・インベスターを務め、Infinity e.Ventures(北京・東京) と Project A Ventures(ベルリン)が参加した。Eyeota は海外オフィスのチームを編成、技術開発チームの拡大、他地域への市場展開に資金を使う計画だ。

グローバル・ブレインのパートナーである鈴木伸武氏は次のように述べている。

Eyeota の経験豊かなチームと他に類を見ない技術に感銘を受けた。彼らは将来有望で、グローバルのデータおよびデジタル広告業界において、トップ・ティアプレーヤーの一社になると確信している。

e27 へのメールの中で、鈴木氏は今回の出資が、グローバル・ブレインにとって日本国外でリード・インベスターを務める初のケースであると述べている。グローバル・ブレインはこれまで Eyeota の日本市場への参入を支援しており、今後は役員会の席に名を連ねることになる。

Project A Ventures は、Eyeota がアーリーステージの頃、最初に投資した VC だ。今回の調達ラウンドを受けて、Eyeota はこれまでに総額1,000万ドルを調達したことになる。

Eyeota はローカル・オーディエンスデータを扱う企業で、現在、ベルリン、デュッセルドルフ、ロンドン、メルボルン、シンガポール、シドニー、東京に拠点がある。同社は高品質のオーディエンスデータでブランドに力を与え、ブランドが対象となるオーディエンスを理解するのを支援し、適切なユーザに対し適切なタイミングで適切なメッセージを届けられるようにする。現在、データによる売上を上げている同社のパートナーには、CACI、Experian、Ipsos、Immobilienscout24、Netspring、Roy Morgan Research、Semasio などがいる。

Eyeota は2010年、Kevin Tan、Kristina Prokop、Trend Lloyd の3人により設立。2015年までに、同社の従業員数は創業時の2倍に増加している。

【via e27】 @E27sg

【原文】

インフィニティ・ベンチャーズLLPが3号ファンドを設立、2015年に1億米ドル(約110億円)規模を計画

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インフィニティ・ベンチャーズ LLP(以下、IVP)は11月6日、同キャピタルの第3号ファンド「Infnity e.ventures Asia III,L.P.」を11月1日付で設立したと発表した。今回の締め切りで調達した金額は約3200万米ドル(110円換算の日本円で約35億円)となり、2015年前半にはこれまでに投資実績のある海外の大口投資家などからの投資を含め、1億米ドル規模にするとして…

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インフィニティ・ベンチャーズLLP(以下、IVP)の共同代表パートナーである田中章雄氏、小野裕史氏、小林雅氏の三人

インフィニティ・ベンチャーズ LLP(以下、IVP)は11月6日、同キャピタルの第3号ファンド「Infnity e.ventures Asia III,L.P.」を11月1日付で設立したと発表した。今回の締め切りで調達した金額は約3200万米ドル(110円換算の日本円で約35億円)となり、2015年前半にはこれまでに投資実績のある海外の大口投資家などからの投資を含め、1億米ドル規模にするとしている。

これにより、2009年1月に設立した1号ファンドからの累計調達金額は1億2800万米ドル(同換算で約141億円)となり、これまでに国内外合わせて40社以上に投資、この累積投資金に対する時価評価額は3倍になったとした。

新しい3号ファンドに参加した投資家はリクルートホールディングス、大和証券グループ本社、サミーネットワークス、ORSO、ミクシィ、ユナイテッドなどの企業の他に、ネットやモバイル関連企業の経営者個人となっている。また、リクルートホールディングスとは中国の投資活動で協力体制を作る。

国内独立系ベンチャーキャピタルとして異彩を放つIVPの特徴と言えばやはり「Infinity Ventures Summit」だろう。

通称「IVS」と呼ばれるこの招待制イベントは国内のネット関連経営幹部のネットワーキングの場所として既に10年の実績を持ち、ここで開催されるスタートアップの登竜門「Launch Pad」は数多くの優秀な企業を生み出してきた。12月に開催されるイベントには既に120社の応募があったそうだ。

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北京のTechTempleに在籍したスタートアップたち

また、IVPのもう一つの特徴がアジアフォーカスだ。以前取材した、北京にあるIVP主催のインキュベーション施設「TechTemple」からは中国最大のローカルテックメディア「36Kr(36気)」をはじめ、数多くの中華系スタートアップを排出している。ちなみに36Krは既に増員してここを巣立っている一社でもある。

同様に国内にもfreeeのオフィスに併設する形でTechTempleを開設しており、ややシードに近いスタートアップの育成にも力を入れている。

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国内のTechTemple(freeeオフィス内併設)

中国TechTempleの活動については池田将の現地レポートがあるので興味ある方はぜひご一読頂きたい。

11時追記:IVP共同代表パートナーの小林雅氏から新ファンド設立に関連してコメントをもらった。

「freeeがシンガポールの投資会社から資金調達をしたり、台湾の会社がシリコンバレーのVCから資金調達をしたりと 投資先だけ見ていても投資活動(資金調達活動)はグローバル化・ボーダレス化していると感じています。IVPは国際的な投資会社として進化していきたいと考えています。 台湾のPinkoiに日本法人設立はIVPが支援して設立しましたし、サンフランシスコのThe RealRealに日本展開のJVを行なるなどしていますが、ニーズとしては非常に高いです。

日本の商社のような活動なのですが、新しい「商社」のような存在になっていきたいですね」。

IVP LP Summit(後編)〜中関村で成長を続けるテックメディア36Kr、中国版UberのYongche(易到)、インキュベーション・スペースtheNode(極地)を訪ねて

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夏の暑さも一段落した9月下旬、Infinity Venture Partners(以下、IVP と略す)の LP Summit に参加するため北京にいた。IVP は日本に加えて中国にも多くの投資先スタートアップを擁しており、LP Summit は、彼らのファンドの出資者に対して、中国での投資動向を伝える機会として定期的に設けられている。前編に引き続き、今回はその後編である。 36kr(36気) 3…

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夏の暑さも一段落した9月下旬、Infinity Venture Partners(以下、IVP と略す)の LP Summit に参加するため北京にいた。IVP は日本に加えて中国にも多くの投資先スタートアップを擁しており、LP Summit は、彼らのファンドの出資者に対して、中国での投資動向を伝える機会として定期的に設けられている。前編に引き続き、今回はその後編である。

36kr(36気)

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36Kr(36気)はかつて TechTemple をベースに活動していたが、スタッフが増えて TechTemple には収まりきらなくなり、北京の秋葉原の異名を持つ、Zhongguancun(中関村)」近くにインキュベーション・スペースを「Kr Space(気空間)」開設し、自らもその中に入居した。

Kr Space が面する通り(本稿トップの写真)には、北京の起業家の溜まり場としては老舗の Garage Cafe(車庫珈琲)があり、筆者もこれまでに何度となく訪れているエリアだ。数ヶ月前、この通りには中国政府の肝入りで名前が付けられ、その名も起業のハブを意味する Z-Innoway(中関村創業大街)と呼ばれるようになった。以前、ロンドンの TechCity についても触れたが、新しい名前を冠することでスタートアップ・ハブ形成のきっかけになるのは、よくあることである。

36Kr が中国内外のニュースを配信し続けていることは以前と変わらないが、今年の5月に気加という名の起業家向け資金調達サイトをオープンさせた。言わば、AngelList(関連記事)の中国版だ。気加を通して、年内には120のスタートアップが合計140億円相当を調達できるだろうと、36気 CEO CC Liu(劉成城)氏は語ってくれた。

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36Kr には、「THE BRIDGE Data」のような、スタートアップのデータベースが存在しており、ここには会社やチーム単位ではないが、プロジェクトの数によるカウントで毎月5,000件が登録されている。シリコンバレーを除けば、中国は世界で2番目にスタートアップが多い国なので当然の成り行きだが(関連記事)、日本のスタートアップ・シーンの10倍以上の勢いには圧倒される。Xiaomi(小米)の隆盛に象徴されるように、Google や Facebook の次を担う会社が中国から出てくるかもしれないという展望は、このような数値にも裏打ちされているのだ。

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Yongche(易到)

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IVP の LP Summit では、投資先のみならず、その時々の旬な中国企業の訪問を織り込んでくれるのも、筆者が参加を楽しみにしている理由の一つである。1年前は Baidu(百度)と Xiaomi(小米)、半年前は Tencent(騰訊)Haxlr8r、そして、今回は中国版 Uber の異名をとる Yongche (易到)だ。

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Yongche は73都市5カ国で展開しており、Yongche を利用するパートナー企業(≒タクシー会社)は1,200社。パートナー企業を通じて擁する車両は5,000台に上り、中国国内であれば、ほぼどの街でも利用することができる。

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中国では人口の多さに比べると、車の台数はまだまだ少ない。そこには大きな市場可能性があるが、レンタカー会社は中小が多く、単独では大体的にサービスを提供できないため、そこの Yongche のようなサービスがプラットフォームとして存在する意義が生まれる。

中国には Didi Dache(嘀嘀打車)のような類似サービスも存在するが、Didi はハイヤーのブッキングサービスであり(…という点では、Didi の方が Uber のモデルに近い)、Yongche はより一般消費者の日常的な需要を狙っているようだ。例えば、タクシーが重宝する天気の悪い日の場合、他のタクシーサービスでは予約を試みても4〜5割くらいの確率でしか配車されないが、Yongche では9割くらいの確率で車が呼べる。

とはいえ、同社では数の論理のみならず、運転手の質の維持にも注力しており、Yongche を経由して配車を受け取るには、運転手が事前に Yongche のテストを受けに来て合格する必要がある。アプリでは、自分のお気に入りの運転手を登録できるのに加え、ユーザの嗜好にあった運転手がリコメンドされる機能も存在する。また、アプリ上で運転手と直接チャットできるようになっているのも、Uber など既存サービスとの大きな違いだ。

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Yongche はサードパーティーとの連携も積極的で、例えば、ホテルアプリや空港アプリなどからもブッキングできる。先ごろ、Uber ではサンフランシスコ空港のアプリと連携できるようになったようだが、Yongche の方が先んじていることになる。「人が車を待つのではなく、車が人を待つ」ようにするというのが、Yongche のコンセプトだ。

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Uber などは、世界の各所で市場参入に際し、地元のタクシー会社や運転手の労働組合などとの調整に手間取っている。他方、中国では、需要が供給を圧倒的に上回っているという情勢がプラスに働き、この種のサービスの成長の勢いは留まるところを知らない。サービスの利便性という点からも、今後、欧米の類似サービスよりも使いやすいものになるかもしれない。

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theNode(極地)

IVP LP Summit のアジェンダが一通り終わり、東京に戻るフライトまで少し時間があったので、筆者はメディアパートナーの Technode(動点科技)の運営するインキュベーション・スペース theNode(極地)を訪れてみることにした。中国最大のテックイベント GMIC でコミュニティ・マネージャーを務める Vallabh Rao から、theNode を訪れてみるように強く勧められていたからだ(ちなみに、このとき Vallabh は GMIC Bangalore の開催のためインドに出張していて、北京では会えなかった)。

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北京の東の玄関口 Dongzhimen(東直門)駅、東京で言えばさながら上野駅みたいなところであるが、そこからバスに乗って30分位かかるので、お世辞にも交通の便が良いとはいえないが、もとは工場群だった跡地に751芸術区というゾーンが広がっていて、その中に theNode は存在する。751芸術区の中には、ミニシアターや夜遅くまで営業しているおしゃれなレストランやカフェが多数存在しているので、都会の喧騒を離れてサービスの開発に励みたいスタートアップにとっては、好立地なのかもしれない。

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theNode に入ると、Technode のライターで Blair Zuo(左鶴)女史が theNode の中を案内してくれた。実は、Technode の北京のオフィスもここに存在するのだ。

theNode の中には多くのスタートアップが拠点を置いていたが、残念ながら彼らと話をする時間はなかった。しかし、その中でも特に興味深いビジネスを営むスタートアップとして紹介されたのが「Taihuoniao(太火鳥)」だ。Taihuoniao は IoT のクラウドファンディングサイトで、theNode の中では今、一番乗りに乗っているスタートアップなのだそうだ。Zuo 女史の話では、どうやら、アイデアの投稿だけすれば、資金調達のみならず生産も Taihuoniao が代行してくれるメニューもあるらしい。いくつかの点で、中国における既存のクラウドファンディングサイト「Demohour(点名時間)」などとは差別化を図っていると思われるが、次回訪問の折に詳しい話を聞いてみることにしよう。

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IVP では日本のスタートアップ・シーンの風物詩となった Infinity Venture Summit 2014 Fall Kyoto を12月3日〜4日に開催するが、スタートアップが新サービスを発表できるセッション LaunchPad への登壇する起業家を募集している。締切は今日10月31日なので、興味のある人は急いでほしい。

IVP LP Summit(前編)〜北京・TechTemple発、2014年新進気鋭のスタートアップ5選

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夏の暑さも一段落した9月下旬、Infinity Venture Partners(以下、IVP と略す)の LP Summit に参加するため北京にいた。IVP は日本に加えて中国にも多くの投資先スタートアップを擁しており、LP Summit は、彼らのファンドの出資者に対して、中国での投資動向を伝える機会として定期的に設けられている。 筆者は前々回の北京、前回の深圳に引き続いて3回目の参加となる…

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TechTemple(科技寺)玄関に掲げられた、入居スタートアップの表札。

夏の暑さも一段落した9月下旬、Infinity Venture Partners(以下、IVP と略す)の LP Summit に参加するため北京にいた。IVP は日本に加えて中国にも多くの投資先スタートアップを擁しており、LP Summit は、彼らのファンドの出資者に対して、中国での投資動向を伝える機会として定期的に設けられている。

筆者は前々回の北京前回の深圳に引き続いて3回目の参加となるが、前回の訪問以降、新たに IVP のポートフォリオに加わったスタートアップや、これまでに取材したスタートアップのその後のアップデイトを中心に紹介したい。

今回も会場となったのは、北京中心部のインキュベーション・スペース「TechTemple(科技寺)」だ。TechTemple がオープンしたのは昨年のことだが、この TechTemple の精神を引き継ぐ形で、五反田の freee のオフィスの一角にも「TechTemple Tokyo」が設置されたことは記憶に新しい。

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TechTemple(科技寺)外観。
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TechTemple(科技寺)館内。

オープンしたての一年前に比べると、装飾が施され、館内中央にあるコーヒーショップのメニューも格段に増えたようだ。TechTemple からは既に多くのスタートアップが旅立っており、後編で紹介するが、以前はここに拠点を置いていた中国のテックニュースメディア 36Kr(36気)も、社員の増員で席が足らなくなり、は中国の秋葉原「中関村(Zhongguancun)」近くに移転して、36Kr 自らが新たなインキュベーション・スペースの運営を始めている。

OrderWithMe


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OrderWithMe はビジネス向けのグルーポンとも言えるビジネスだ。アメリカの小売店舗から注文を集め、それを中国から買い付けできる仕入サイトである。中小の店舗はもとより、これまでに自転車、ホームアクセサリー、屋根工事業者などの業態の業界団体と契約しており取扱量を増やしている。OrderWithMe は2011年に開催された TechCrunch Disrupt Beijing でピッチコンテストの優勝の座に輝き脚光を浴びたが、その後、IVP が OrderWithMe への投資に至った経緯は、TechWave に掲載された湯川鶴章氏の記事に詳しい。

OrderWithMe はもともとテキサスで始まったビジネスで、中国では生産業が盛んな杭州に拠点を置いているが、近々アメリカ本社をラスベガスに移転し、有名投資家らから資金を調達する見込みだ。ラスベガスと言えば Zappos が拠点を置いていることで有名だが、改めて調べてみたところ、ネバダ州やラスベガス市の政府による誘致努力も功を奏し、多分野にわたるスタートアップが集まってきているようだ

康大預診

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康大預診は、女性向けの健康アプリで、音声チャット(録音投稿)で医師に質問ができる。回答してくれるのは、上海の三甲医院(三等級で甲乙丙の「甲」、すなわち最上位のレベル)に勤務する、婦人科、産科、小児科、皮膚科の経験5年以上の医師たちだ。

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康大預診 創業者兼CEO 陸偉明氏

創業者兼CEOの陸偉明氏によれば、中国の病院には等級付けがあるが、北京・上海・広州・武漢などの大都市圏を除くと、へき地では医師のレベルが格段に落ちる。一方、上海では病院の診療費は1回14元(約250円)だが、このうち医師の収入となるのは10%(約25円)程度だ。市民はより治験のある医師に症状を相談したい、一方、医師は副業により収入を増やしたい、双方のニーズがこのアプリ上でうまく結びついた。以前であれば、医師は製薬会社から賄賂をもらうこともできたが、政界などでも汚職が一掃されようとする中それさえも危うい。医師にとっても、康大預診は〝渡りに舟〟なのだ。

サービス時間は朝8時から夜の22時までで、ユーザが質問を投稿してから15分間以内に医師から音声による回答が得られる。上海を拠点としているが、ユーザは中国全土に分布しており、ユーザ一人あたり平均4.5回サービスを利用している。リアルタイム・チャットではないため、医師は複数のユーザに同時に対応できるため効率がよく、ユーザが急増してもボトルネックにならないということだ。

一昔前の日本もそうだったが、医療サービスのレベルが発展途上(医療レベルが低いわけではないが、医療ニーズの需給バランスがよくない)の国においては、病院においても診療までに時間がかかることが多い。康大預診は中国を市場に選んでいるが、他の多くの国々でも、この種のサービスは大いに可能性が見出せるだろう。

Yeahka(楽刷)

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中国版の Square / Coiney である Yeahka(楽刷)であるが、深圳での LP Summit の際にも取り上げているので、前回からのアップデートを中心に取り上げたい。

今年2月の段階で15億ドルだった取扱決済額のランレートは、この半年で25億ドルを超えた。その原動力は、Yeahka を営業展開する末端の代理店であり、Yeakha はユーザが支払ったトランザクションからのインセンティブと、Yeahka 端末(700元/約11,500円)を小売店舗に売ったときのキックバックを代理店に支払っている。磁気カード、NFC、ICカードはもとより、最近では AliPay(支付宝)や WeChat Payments(微信支付)にも対応した。BlueTooth 対応でパソコンとも接続可能だ。

最近、Yeahka が特に力をいれているのは O2O サービスで、小売店舗に代わり、Yeahka のユーザに店舗誘導をすることができる。店舗に対しては、このO2Oの集客手数料はカード決済の手数料よりも高く設定されており、この手数料から得られた収益も一部がキックバックとして代理店に支払われる。

代理店にとっては、一つの店舗に Yeahka 端末1台を売るだけで、三つの流れで収入が得られることになるので、より多くの店舗に売ろうとするモチベーションが強く働く。この戦略が功を奏し、年内には Yeahka 端末の導入店舗数が10万軒を超えるとのことだ。

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Yeahka(楽刷)の O2Oサービス。左側3つが消費者向けの画面、右側3つが店舗向けの画面。

Qooco(巧口)

Qooco(巧口) は、音声認識システムを利用した外国語を用いる職業訓練プラットフォームだ。日本にも既に市場参入しているようだが、Qooco もともとホテルの従業員などの職業トレーニング用に開発された。

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Qooco(巧口) CEO David Topolewski 氏

CEO の David Topolewski 氏によれば、中国には多くの国際ホテルが存在するが、従業員が外国語に不自由だと、客がレストランで食事している際にワインを勧めない、カフェでデザートを頼まれているのにコーヒーを勧めない、などの問題が生じ、売上増に結びつかないばかりでなく、客に対するホスピタリティも低下する。言語習得ではなく、むしろ、現場の売上に貢献できる実務的なトレーニング・システムという位置付けだ。運用は、そのトレーニング・システムを導入したマネージメント部門で一括管理できる。

現在、Bunyan Tree、Nikko Hotels、Shangri-La Hotels、Le Méridien、Bvlgari などに導入している。シリーズAラウンドで1,000万ドルを調達し、シリコンバレーにオフィスを設置、職業訓練のプラットフォームをエンハンスする上で、特に企業の社員マニュアルのオンライン化に重点を置き、製品開発やマーケティングを強化する計画だ。2020年の東京オリンピックを見据えて、日本のホテル業や接客業には、特に Qooco を利用してもらえる市場機会が多いのではないかと、Topolewski 氏は期待している。

Aixi(愛洗網)

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Aixi(愛洗網)は、クリーニングのオープンプラットフォームだ。〝オープン〟という言葉に象徴されるように、Aixi 自らがクリーニング業を営んでいるわけではなく、クリーニング屋各社が自由に加入できるサービスとなっている。

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Aixi(愛洗網)CEO 安楠氏

創業者の安楠氏によれば、一般的に、中国ではクリーニング屋はあまり遅い時間帯まで営業していることは無いので、都市生活者にとっては不便である。そころで、Aixi はクリーニングに関わるロジスティクスを提供することにした。ユーザが Aixi 上でクリーニングを依頼したい店舗を選ぶと、Aixi が自宅まで衣類をピックアップしにきてくれる。衣類はユーザが指定したクリーニング店に届けられ、クリーニングが完了すると、Aixi が店舗で衣類をピックアップ、ユーザが指定する自宅や勤務先に届けてくれる。(ピックアップや配達は、実際には Aixi が物流会社にアウトソースされており、ユーザからのオーダー、クリーニング屋から作業完了の連絡を契機に、プラットフォームから物流会社の運転手に「どこからどこへ届けるか」の指示が飛ぶようになっている。Aixi は注力しているのは、基本的にプラットフォームの運用にのみである)。

中国のクリーニング店では、衣類を預ける際に料金をデボジットで支払うと割り引かれるケースが多いが、Aixi においては、デポジットを取らない代わりに、大量の衣類をクリーニングに依頼するとボリュウム・ディスカウントが適用される。同社では洋服以外に、カバンや靴のクリーニングも提供しており、今後、ハンガーに広告を入れて無料配布するなど売上チャネルの多角化を検討している。

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今回はここまで。明日公開する後編では、冒頭で触れた 36Kr や、今、中国で最も注目を集めるスタートアップの動向をお伝えしたい。

なお、IVP では日本のスタートアップ・シーンの風物詩となった Infinity Venture Summit 2014 Fall Kyoto を12月3日〜4日に開催するが、スタートアップが新サービスを発表できるセッション LaunchPad への登壇者を募集している。締切は明日10月31日なので、興味のある人は急いでほしい。

IVP LP Summit〜中国&アジアにおける、潜在的な消費者ニーズを掘り起こすスタートアップ3選

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先頃、筆者は Infinity Venture Partners(以下、IVP と略す)が深圳で開催した LP Summit に帯同する機会を得た。 LP Summit は年に数回、IVP が LP(ファンド出資者)を対象に投資先スタートアップを直接紹介する機会で、深圳での LP Summit には、IVP のポートフォリオの中から、特に興味深い中国や台湾のスタートアップが顔を揃えた。(前回の北京…

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深圳市内の様子 (CC BY 2.0: Via Flickr by Tomiaslav Domes)

先頃、筆者は Infinity Venture Partners(以下、IVP と略す)が深圳で開催した LP Summit に帯同する機会を得た。

LP Summit は年に数回、IVP が LP(ファンド出資者)を対象に投資先スタートアップを直接紹介する機会で、深圳での LP Summit には、IVP のポートフォリオの中から、特に興味深い中国や台湾のスタートアップが顔を揃えた。(前回の北京での LP Summit の様子はこちら

Tencent(騰訊)との連携で、クレジットカードの潜在ニーズに火を付ける「Yeahka(楽刷)」

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Yeahka(楽刷)が提供するのは、小売店の店頭などでクレジットカード決済が処理できるモバイルPOSカードリーダーだ。BlueTooth と連携し、スマートフォンを通じて決済センターと通信する。デバイスの姿や利用方法から〝中国版Square〟と呼ばれることも多い。

カード決済端末の普及具合を国別に見てみると、韓国は1万人あたり625台、アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリア等は1万人あたり170台、これに対し、中国は1万人あたり35台と格段に低い。普及率が低いということは、将来の伸びしろが大きいということだ。この点に目をつけた Yeahka が中国全土でモバイル POSの展開を図っている。

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CEO Liu Yingqi(劉穎麒)氏

説明してくれた、Yeahka の CEO Liu Yingqi(劉穎麒)氏によれば、同社が他社の追随を許さない背景には、次の3つの理由が挙げられるのだそうだ。

  1. 店舗が購入する端末が1台700元(約11,500円)とかなり割安。しかも、導入時の店舗の与信は受付から1時間で完了する。
  2. 中国各地方政府の金融当局や銀行からライセンスを得ている。
  3. Tencent(騰訊)の決済サービス「TenPay(財付通)」と営業面で連携している。→ 詳細はこの記事を参照。

2014年に目指す取扱金額は、300億元(約5,000億円)と鼻息は荒い。2014年3月の単月だけでも、導入店舗2,700軒の獲得を目指している。

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Yeahka(楽刷)の端末

ブルーカラー労働者の就職斡旋プラットフォーム「Daguu(大谷打工網)」

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Daguu(大谷打工網)は、ブルーカラー労働者の就職支援プラットフォームだ。FoxConn(富士康)のような大規模製造会社から工場労働者の人材調達の委託を受け、ターミナル駅に候補者を集め集団面接をコーディネイトする。ユーザには予めモバイルアプリが配布されており、候補者に合ったよい案件が見つかれば、その内容が伝えられ人材を招集するしくみだ。

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CEO Ju Yifei(居易非)氏

創業者でCEOを務める Ju Yifei(居易非)氏は、上図にもあるような、ターミナル駅で候補者が集まったときの写真を何枚か見せてくれたが、日本人にとっては、高度成長期に長距離列車で上野駅へと上京してきた集団就職の風景を彷彿させる。

中国沿岸部で工業が急成長する一方、農村部には労働者は多数居るが職が無い。この需給のアンバランスから生じたニーズを、モバイルを使ってビジネスにしているのが Daguu だ。労働者が面接のために都市に出てくるための交通費は Daguu が負担している。対面面接に先立って、Daguu のコールセンターが候補者の応対を電話越しに確認しているので、クライアント企業 との面接に都市へ出て来てもらった人は、ほぼ100%が採用になるのだという。

もともとはクライアント企業からのみ料金を取り、ユーザには課金しないモデルだった。しかし、トヨタ自動車 に代表される有名企業の工場に就職できるとなると、逆にユーザからもお金が取れることが判明した(ユーザ層は異なるが、このビジネスモデルは、日本の BizReach などにも見受けられる)。今後は、リテーナーフィーがクライアント企業からもらえるようなモデルも開発中とのことだ。

Daguu は2011年1月にローンチ、3年経過した2014年1月までに Daguu を経由した就職斡旋者の数は600万人に上る。

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ジャパン・コンテンツのユーザ体験で、中国人ゲーマーの心をつかむ「Moyogame(摩游)」

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数ある中国のモバイルゲーム・デベロッパの中で、Moyogame(摩游)が他社と比べてユニークで優位なのは、複数のアプリは配信プラットフォームに参加している点だ。Tencent のアプリストア「MyApp(応用宝)」に加え、Baidu(百度)や Qihoo(奇虎)とも取引関係を持っている。すなわち、ゲームの種類、対象とするユーザ層などにあわせて、自由に配信プラットフォームが選べるわけだ。

中国に限らず、世界的にアプリのパブリッシャーよりも配信プラットフォームの方が優位に立つ傾向がある中で、Moyogame のポジションは非常に興味深い。この強みを最大限に発揮したのが、3月20日にリリースされた「黒猫と魔法使いのウィズ(黒猫維兹)」の中国語版だろう。91安卓網、360手機助手を含む、合計11のアプリストアで同時リリースされた。

これらのアプリストアのユーザには、プッシュ通知でアプリのリリースが伝えられるため、中国のモバイル人口の3分の1に「黒猫と魔法使いのウィズ」のダウンロードが促されたことになる。特に、91安卓網と360手機助手はライバル関係にあるため、同じアプリを両アプリストアで同時リリースすることは不可能なのだが、それをやってしまうところが、Moyogame の力量を物語っている。

CEO Song Xiaofei(宋啸飛)氏
CEO Song Xiaofei(宋啸飛)氏

CEO を務める Song Xiaofei(宋啸飛)氏によれば、「黒猫と魔法使いのウィズ」を中国市場向けにローカライズするにあたっては、中国ユーザが楽しみやすいように、独自の問題を数万問作成したのだそうだ。中国の通信環境を考慮し、日本のオリジナル版よりもサーバとの通信を減らし、課金方式やボーナス加点などをチューニングしたところ、ユーザのリテンション・レートが2倍以上に向上したという。

Moyogame では、gumiのシンガポール法人 gumi Asia の「幻獣姫 〜Monster Princess〜」の中国向けローカリゼーションなど、これまでにもいくつかの日本のゲームタイトルを手がけてきたが、今後、この流れを加速させたい意向で、日本の有名ゲームタイトルをのローカライズは今後5〜8タイトルが予定しており、その版権獲得の費用捻出のため年内にCラウンドの資金を調達、2015年の後半にIPOを目指している。

モバイル限定でまもなく日本上陸、台湾発のハンドメイド品マーケットプレイス「Pinkoi」

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台湾発の「Pinkoi」は、Yahoo USA で Yahoo Answers などのプロダクト・マネージャーを務めていた、Peter Yen(顏君庭)氏らが2011年末にローンチしたハンドメイド品マーケットプレイスだ。(関連記事

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CEO Peter Yen(顏君庭)氏

2013年11月現在の出品アイテム数は10万種類以上、4,000ブランド、1万人以上のデザイナーと契約している。今年1月には iOS版アプリ、3月にはAndroid版アプリをリリースし、香港、中国、日本、アメリカなどの華人コミュニティにフォーカスして営業展開を行っている。

今年の第三四半期には日本市場への本格進出を予定しており、現在は、日本の大手インターネット企業との提携を模索している。モバイル・セントリックな日本市場のトレンドを念頭に、日本へはモバイルアプリを使ったユーザ体験を武器に攻める計画だ。

iOS アプリでの購買コンバージョン・レートは、他の一般的なEコマースと比べ高い数字を誇っており、今後は、有力なメッセージアプリとの連携を図り、アジアでのモバイルコマースの領域への進出を強化してゆきたいと、意気込みを語っている。


Yeahka とDaguu は、中国社会が抱える潜在的な課題を解決しようとしている。スタートアップの多くがニッチなニーズにフォーカスしようとする中で、ネットギークではない普通の人々、そして、新しいサービスへの適応性が高く人口も多い若年層をターゲットにしているという点で、今後、爆発的な成長が期待できる分野と言ってよいだろう。

Pinkoi は、日本での知名度はまださほど高くはないが、アジアの各地で話を聞いてみると、ユーザからは「アジアの Etsy」として一定の認知が得られているようだ。日本では、同じく台湾出身の KKBOX が KDDI と提携、Spotify が日本市場への参入に手をこまねくのを横目に、au ユーザの音楽サービス Lismo は KKBOX に取って代わられた。今後予定される Pinkoi の日本進出においても、キャリア等との提携により、この分野の市場勢力図が一気に塗り替えられることが予想される。

IVP をはじめ、VC やファンドの動向を見守る中で、各社が日本とアジアの市場やスタートアップをどう結びつけようとしているか、具体的なイメージが見えてきた。今後のこの地域のトレンドを占う意味でも、遠くない機会にこれらの情報を整理してお伝えしたい。