Tencent(騰訊)の新薬開発AIプラットフォーム「iDrug(雲深智薬)」、新薬発現周期の短縮に成功

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Image credit: Tencent AI Lab(騰訊人工智能実験室)

ピックアップ:Tencent launches AI-powered drug discovery platform iDrug

ニュースサマリー:Tencent(騰訊)は7月9日の世界人工知能会議(WAIC)で、新薬の開発を支援するための AI プラットフォーム「iDrug(雲深智薬)」を発表。製薬会社や研究機関が従来の課題である新薬開発の時間やコストをディープラーニングアルゴリズムで大幅に削減することを目的としている。

重要視すべき理由:Tencent は多くの製薬会社と協力して、AI 開発モデルを新薬開発プロセスに適用。新型コロナウイルスの潜在的な治療法を含む10以上のプロジェクトが現在 iDrug 内で実行されている。これにより、新薬発現周期を3〜6年から、6カ月〜1年に短縮することができると Tencent は伝えている。

詳細:製薬会社や研究機関が従来の方法でタンパク質構造の実験を行ってきたが、時間やコストがかかるのが課題。

  • 機械学習で臨床前の新薬研究のプロセス全体をサポート、スピードアップするように設計されている。
  • iDrug プラットフォームは、タンパク質構造予測、仮想スクリーニング、分子設計と最適化、ADMET(薬の吸収、分配、代謝、排泄、毒性等)予測、合成ルート計画の5つのモデルで構成。
  • 新しいアルゴリズムで大幅に改善、業界で認められている「Robetta」の10%の改善よりも優れている。
  • Tencent AI チームは今年、世界で唯一のタンパク質構造予測の自動評価プラットフォーム「CAMEO」にも参画、6ヶ月で5回の月間タイトルを獲得している。
  • すべての製薬会社と研究所に無料で公開されている。

背景:Tencent は2017年に中国政府が発布した「次世代 AI 発展計画(新一代人工智能発展規画)」を支える国家プラットフォーマーに指定。特にヘルスケア領域を Tencent が担っている。

<参考文献>

via cnTechPost

執筆:國本知里/編集:岩切絹代

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