TechCrunch Disrupt 北京: サラ・レイシー × Tencent(騰訊)CEO 馬化騰

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【原文】

北京からニイハオ。国立会議センターからライブ・ブロギングで報告をお伝えする。

馬化騰氏(Pony Ma)はTencent(騰訊)の創業者だ。

<背景>

Tencent、というより、QQ を提供している会社といった方がわかりやすいかもしれないが、同社は世界で4番目に大きなネット企業だ。株式公開後、会社の資産価値は当初の50倍となっている。

QQ は中国のネチズン向けにカスタマイズされた、インターネット・メッセンジャーである。

Q&A

TechCrunch サラ・レイシー:生か死か、Tencent か。これは、Tencent に買収されるか、つぶされるかという中国のスタートアップの運命を如実に表した言葉です。まるで中国版マイクロソフトですね。このように言われて、どう思われますか?

馬:Tencent が中国版マイクロソフトと呼ばれるのが、いいか悪いかはよくわかりません。Tencent はエンターテイメントとゲームに特化しており、米国で Facebook が展開するように、中国で開発者に価値創造の機会を与えるオープンなプラットフォームになりつつあります。マイクロソフトのようにソフトウェアを作る会社というより、エンターテイメントSNSとしての側面が大きいと思います。

サラ:Tencent は、ユーザが使っているプラットフォームから、新しいアイデアをコピーしているとして追及されていますが。

ウェブはオープンな場ですから、そこには我々が自分達では作り出せない機会や業界構造があります。例えば、Eコマースには、ダイヤモンド、高級品など、非常に特殊な業界構造がありますね。これは私たちは参入できないO2O(オンライン・トゥ・オフライン)ビジネスの一つです。

サラ:シリコンバレーの企業は、これまで中国では成功していません。今もうまくいっていないようです。どのようになっていくと思いますか。よい例がグルーポンだと思いますが。

グルーポンは我々のパートナーなので、公の場で多くを申し上げる訳にはいかない。

(聴衆笑)

一言で言えば、失敗した企業に共通する間違いは、中国のインターネットビジネスのダイナミックさ、変化の速いカルチャーを理解していないことです。よいアイデアがあっても中国では意味がない。共同購入について話を続けると、巨大な市場の可能性がある一方、多くの競争相手が居て、そしてその競争相手は非常にアグレッシブで、参入障壁が低くなったときには、既に何千何百もの競争相手が居る状態になっている。

サラ:あなたの起業家としての生い立ちについて教えてください。

Tencent の創業者グループは、私を含め通信業界での専門知識があり、海外から発注された通信プロジェクトの外部受託をしていました。我々は自分たちの専門知識を、自分たちのために活用したいと考えました。最初はメールソフトを開発し始めましたが、すぐに開発の対象をインスタント・メッセンジャーに切り替えました。ユーザにメールソフトを変えてもらうのはハードルが高いし、メッセンジャーの方が継続的なサービス価値を生み出せると考えたからです。

当時、我々がラッキーだったのは、従業員や創業者が仲良く仕事し、ほぼ対立が起きなかったことでした。この点に関して面白い話があります。深圳に、株式取引のためのソフトを作っている会社があり、当初19人の社員が居たのですが、内部分裂の結果、19の会社に分かれてしまいました。

利益をどうやって分配するかは、どの業界でも起業家にとって頭の痛い問題です。明確なビジョンと目標を掲げ、すべての社員を見渡し、皆が同じリズムで仕事を進めていけるように努力しています。社員の両親、友人、住まいなども知ることで、堅固な信頼関係を築いています。

サラ:中国から世界企業を目指すにあたり、どんな違いがあると思いますか。

大きくは3つ。文化、人口、政治。政治の話は、ちょっと答えにくいですね。

サラ:課題として考えておられるのは、どのようなことでしょうか。

たくさんあるのだけど(言いたくなさそうに)、大きく2つ。

(聴衆笑)

  1. 昔ながらのビジネスでは、小さな変化は業界全体にまでは影響を与えにくいが、ウェブ企業にとっては小さなことも経営の基盤をゆるがしかねない。(例えば、ネットの不通、サイトのダウンなど)
  2. 戦略や流行の変化は、あなたのビジョンを常に変えさせてしまうだろう。会社の規模は、継続的に成功し続けられるかどうかと関係がない。たった一つの誤った決断が、サービスに破綻をもたらすこともあり得る。すべてのユーザに最良のプロダクトとサービスを提供することに、常に注力しなくてはならない。

【via Technode】(@technodechina)


著者紹介:ケヴィン・チェン(陳健敏)

陳は、上海のテック・スタートアップ・インキュベータ「盛大創新院」のニューメディア・ブロガー/リサーチャー。同院では、海外パートナーとの連絡に加え、スタートアップにマーケティングや実現戦略をアドバイスしている。以前は、New Media Decisions でソーシャルメディア・トレーニングとデータの可視化を提供するコンサルティング事業を営んでいた。シリコンバレーで職種別SNSを2社設立した。

UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)で工学学士号を2つ取得し、インディアナ州アンダーソン大学で技術管理の学士号を取得した。上海在住。

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