急成長中の企業がその「スタートアップな雰囲気」を壊さないための5つの方法

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<ピックアップ> 5 strategies for keeping a startup vibe in a rapidly growing company

そもそも「スタートアップ」の定義というのはふんわりしています。よくある分類、条件としてはリスクマネーを受け入れて積極的な急成長(グロース)を指向している、明確なイグジット(株式公開や売却)の意思がある、市場を大きく変化させるゲームチェンジャーとしての技術や意思がある、などなど。

スタートアップ関連の賞レースやアクセラレーターへの参加要件はおおよそこの辺りプラス創業年数(一般的には2年とか3年まで)が加えられます。ただ、一番難しいのはこの年数で、創業何年目とかそういう尺度でいうと、ロボットとか作ってるハード系、バイオなどの研究系はそもそも時間がかかるのでチグハグしてしまうのですね。最終的にはケースバイケースでの判断が多いですが。

さておき、急成長中のスタートアップというのは人数も一気に増えるし、オフィスもどんどん奇麗な場所に移っていくことが多いです。主に新しく入る方に安心して働いてもらうため、というのが大きな理由ですが、そうなると今度は成長に反比例して安心というか、ぬるい雰囲気が生まれるのも事実です。実際、大きすぎる資金調達によって雰囲気が緩んで失速したスタートアップをいくつか見かけました。

ではどうしたらこの緊張感を保って、なおかつ安心した仕事環境を提供できるのでしょうか。TNWにひとつ参考になる記事が掲載されておりましたのでご紹介します。寄稿したのは5年間で50人から500人まで人員を増やしたコマースソリューションVolusionのヴァイスプレジデント、Sandra Nguyen氏。見出しはこんな感じ。

  • 方針が必要な場所にのみ方針を設定する
  • 意見を伝える手段を民主化する
  • リーダーシップを大切に、同時にボトムアップのバランスを取る
  • メンバーの繋がりを強化して、説明責任を果たす
  • 採用は注意深く

ウルトラCのテクニックが書いてあるわけではなく、特に日本企業であれば人の繋がりを結構重視してる経営者の方々が多いので、もうやってるよ、という内容ではありますが、気になったのはフィードバックの民主化、というくだりですかね。役職に関係なく意見を言える、誰でも使える簡単な仕組みを提供し、さらにその変更についても提案ができるようにすべし、というものです。

私は以前、1チーム10人から20人ほど、フロアに数百人ぐらいだったかな、そういう場所で働いたことがあるのですが、正直意見なんて言えたものではありませんでした。もちろんそこってスタートアップじゃないので、そもそもそんな考えはなかったのですが、それでも情報の風通しが悪いと、やっぱり嘘とか隠蔽とかそういうのって発生するんですね。

全ての原因を考えてみると、結論的には経営者であろうと従業員であろうと「都合の悪いことは隠したい」という考えに行き着くんだろうなと思うのですが、その都合の悪いことが発生した時にこそ、情報を共有しあえる人間関係を構築し、ピンチの時に逃げるんじゃなくて一緒に立ち向かえるかどうか、それがスタートアップの雰囲気を崩さない最大の秘訣なのかもしれません。

辛い時に見捨てられる経営者というのにだけはなりたくないものです。

via The Next Web

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