難聴のケアを身近なものにしたい:ベルリンのスタートアップが聴覚補助アプリ「mimi」をリリース

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mimiのチーム。
mimiのチーム。上段右よりコーファウンダーのPhilipp Skribanowitz氏、Nick Clark氏、Pascal Werner氏

聴覚機能に関するソリューションの開発に取り組み、自分の聴覚機能を簡単にチェックできる「Mimi Hearing Test」というiOSアプリをリリースしていた ベルリンのスタートアップ mimi が、今回新たにiOSアプリ「mimi スマート聴覚アンプリファイヤー」をリリースした。

時間とお金の負担が大きい聴覚治療を身近なものに

同スタートアップが取り組む問題は「難聴・聴覚障害」。彼らによれば、軽度のものも含めると、難聴の症状を抱えている人口は世界で6億人に上るという。にも関わらず、実際に専門家の治療を受けているのは、その 2.5パーセントに過ぎないそうだ。「専門家の元を訪れるまで、7年から10年もかかることがあります」とmimiのファウンダー兼CEOであるPhilipp Skribanowitz氏は語る。聴覚治療が先延ばしになりがちな理由は、治療費と時間の負担が大きい点だ。mimiは、その負担を下げて聴覚治療を身近なものにすることを目指す。

mimi は、2014年1月に聴覚サイエンティストでありアプリ開発者の Nick Clark氏と、バイオメディカルエンジニアのPascal Werner氏、そして機械工学とビジネスのバックグランドを持つCEOのPhilipp Skribanowitz氏によって立ち上げられた。昨年5月にニューヨークで開催された TechCrunch Disrupt ではファイナリストに入賞し、注目を集めた。

その後、彼らはまず「Mimi Hearing Test」というiOSアプリをリリース。2分でできるシンプルな聴覚機能テストと、15分間のフルテストができるアプリだ。そして今回3月1日に新たにリリースしたのは、「mimi スマート聴覚アンプリファイヤー」だ。ユーザーの周囲の音をスマホのマイクが捉え、スマホ内で音が処理されたあと、増幅された音がヘッドホンを通してリアルタイムにユーザーに届けられる。単純に小さな音を増幅することもできれば、特定の周波数を増幅したり、周囲のノイズを削除できたりと、ユーザーが自分の聴覚機能と環境に合わせてモードを選択することが可能だ。

ユーザーは自分のニーズに合わせて、増幅機能を選択することができます。聴覚テストアプリとこのアンプリファイヤーアプリから得たデータや使用パターンを分析していけば、今後も継続的に音の処理方法とカスタマイズ方法を改良していくことができます。(Skribanowitz氏)

「mimi スマート聴覚アンプリファイヤー」
「mimi スマート聴覚アンプリファイヤー」

次のステップは年内のハードウェアのリリース

スマホのアプリを使って手軽に自分の聴覚機能をチェックできるようにし、かつ今回出したアプリが提供するような補聴器に近い機能を使用できるようにすることで「聴覚のケアに対する敷居を下げたい」という狙いがmimiにはある。mimiのテクノロジーを普段から活用してもらうことで、聴覚機能の状態に対する意識を高め、またアンプリファイヤーを使用するメリットを感じてもらいたいと考えている。

そんな彼らの次のステップは補聴器機能を備える「ハードウェアデバイス」だ。これまでの補聴器のイメージを壊すような、気軽に、かつ目立たずに身に着けられるワイヤレスデバイスを年内にリリースすることを計画している。「高齢者のためのもの」というイメージを払拭し、誰でも気軽に身につけられるデバイスの開発を目指す。

また、これまでの聴覚テストアプリでは、日本人ユーザーが多かったことから、今回リリースしたアプリ「mimi」については日本語版を追加することも計画しているそうで、日本市場への参入も意欲的だ。

なお、資金面における mimiの支援者には、ベルリンを代表するエンジェル投資家であり、SoundcloudやEyeEmにも投資をしてきたChristophe Maire氏、ニューヨーク出身のブロガーであり、エンジェル投資家としても積極的に活動する Joanne Wilson 氏が含まれる。

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