中国のDidi-Kuaidi(滴滴快的)がカープールアプリをローンチ、People’s Uber に挑む

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Didikuaidi-carpool

Weibo(微博)による1億4千2百万米ドルの投資から数日しか経たないうちに、中国の大手タクシーアプリ企業連合のDidi-Kuaidi(嘀嘀快的)はカープール(訳者注:相乗り)サービスの「Didi Shun Feng Che(嘀嘀順風車)」をローンチし、話題を提供している。この機能は、Didi Dache(嘀嘀打車)のアプリに追加される予定であり、中国都市部の交通渋滞の緩和を狙っている。

Didi-Kuaidiのビッグデータとマッチング技術を活用し、本サービスはルートを計算し、自動車オーナーと乗客がカープールできるようにマッチする。自動車オーナーはデフォルトのルートをアプリに設定し、乗客は出発点と目的地を入力することで、本サービスは自動的に両者をマッチングする。

中国政府は昨年、営利目的の相乗りサービスは違法であり、営利目的の賃走は認定ドライバーに限定すると複数回にわたって発表している。これを受けて、Uberは「People’s Uber」のパイロットプログラムをローンチした。これは運賃を利ざやなしの実費分だけに設定する公共の相乗りサービスである。

同様にDidi-Kuaidi の新プロジェクトも法令を遵守し運賃から利ざやを無くし、標準的な初乗り料金が5~10元(0.80-1.60米ドル)で、追加1km毎に1元(0.16米ドル)の設定となっている。北京の営利タクシーの標準的な初乗り料金は13元となっている。

安全性確保のためShun Feng Cheの利用には、乗客はWeChatの認定ログインとWeChat決済(微信支付)による本人確認が必要で、ドライバーは免許確認が必要となる。Shun Feng Cheは賃走ごとに50万元の保険を掛ける。

Shun Feng Cheはトライアル期間の2ヶ月以内だけで百万人を超えるドライバーに募集をかけ、今後1ヶ月以内に利用回数が10万件に達する見込みだとDidi-Kuaidiは謳っている。本サービスは6月末に北京で開始され、中国全土の26都市以上での提供が予定されているとのこと。

中国はプレミアムサービスからカープールへ

高級配車サービス市場での熾烈な競争の後、中国の配車サービス業界の潮流はカープールサービスに向かっている。中国ではカープールサービスはまだ誕生して日が浅い。

カープールアプリのDida Pinche(嘀嗒拼車)は今年5月に1億米ドルもの投資を確保した。ライバルのHaha Pincheも昨年8月にシリーズAの投資で1千万米ドルを調達した。Baiduのようなインターネットの巨人もUberに投資しており(金額非公開)、Tiantian Yongche(天天用車)と51yche(51用車)の配車サービスアプリ2本への投資を通じて参戦している。

この移行によって、法令リスクをある程度は避けられるだろう。中国交通部は、自家用車を商業目的に使うことは絶対に許可しないと言う

高級配車サービスの車両のかなりが自家用車なので、各地方当局はプレミアムサービスに対して断固たる処置を取ってきている。しかし、政府はカープールサービスに対して非常に協力的である。理屈上、中国の政策目標である環境に優しい交通を促進することになるからだ。

レンタカーサービスのZuche、eHi、Yongcheは認定ドライバーのみによるプレミアムサービスで市場参入した。しかし、膨大な数の自家用車との競争やコスト高により、高まる交通需要に応えることは難しいだろう。

加えて、プレミアムサービスの大半は1級都市と2級都市に特化しており、彼らが大きく成長するのは難しいだろう。ドライバーが制限無しでテクニカルプラットフォームを使える限り、カープールサービスには明確な優位があると言える。

【via Technode】 @technodechina
【原文】

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