ボタン一つで開閉する電動ベビーカー「Origami」を開発する米発「4moms」、日本を含む世界52カ国で販売

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4moms-stroller

少し前にご紹介した重さ4キロで、あっという間に開いてたためるベビーカー「Pocket Stroller」。重かったり組み立てが面倒だったりする既存のベビーカーに比べると、ママやパパにとって心強い味方になってくれます。さて、この記事をきっかけに読者さんから教えてもらったのが、「4moms」というまた別のベビー用品ブランドです。

4momsの製品は日本でも販売されていて、メディアなどにも頻繁に取り上げられている模様。本家アメリカのサイトを見ると、毎年会社の電子イヤーブックを発行していたりしてチームも魅力的。同社のPRとソーシャルメディア・ブランドエンゲージメント担当であるAmie Leyさんに、プロダクトやブランド誕生秘話について聞いてみました。

52ヶ国で販売される4momsのベビー製品

電動ベビーカー「Origami」
電動開閉式ベビーカー「Origami」

現在、世界中52ヶ国で販売展開される4momsの製品群。例えば、アメリカでは、「Babies R Us」や「Target」「buybuy Baby」といった小売店、また自社Eコマースサイトでも販売しています。昨年から、4momsのグローバル事業における成長率は30%以上伸びているとのこと。3年前に販売展開を始めた日本市場は、4momsにとってもとても重要な市場です。

さまざまな製品を展開する4momsですが、そのなかでも特に人気なのが「mamaRoo®」の電動バウンサーです。ママやパパが赤ちゃんをあやす時の動きを再現したもので、8の字を描く「車の動き」、大きな円を描く「波の動き」など5つのモーションを搭載。今年頭にリリースされた最新バージョンは、Bluetoothに対応しているため、シートのモーション・スピード・音などをiOSまたはAndroidのスマホから操作できます。

ベビーカーの紹介だとは思わないほどかっこよく仕上がっている紹介動画は、「Origami」という製品。同社いわく、この”パワーフォルディング”ベビーカーは、ボタン一つで開閉する世界初のベビーカー。スマホの充電、走行距離のトラッキング、夜道で行き先を照らしてくれるライト、また液晶表示ディスプレイなど多機能。また、ベビーカーを押して歩くことで、後輪の発電機を使って充電できます。子どもが座っている時に誤ってベビーカーがたたまれることがないよう探知するセンサーもあって安心です。

新たな市場を作るか、既存の市場に変革をもたらすか

4momsの始まりは、2004年にさかのぼります。友人同士の世界トップクラスのロボット研究家 Henry Thorne氏と、敏腕実業家のRob Daley氏。食事をしながらお互いの未来のビジネスベンチャーについて語り合っていた時のこと。2人は、起業家として成功する方法は2つしかないことを知っていました。それは、新たな市場を作るか、既存の市場に変革をもたらすか。

さまざまな業界、とりわけ高齢者ケアとキッズ用品について調べた結果、RobとHenryは80.9億ドル市場と言われるキッズ用品の市場にこそ、チャンスがあると考えました。2005年にThorley Industriesの子会社として4momsを創業。人気市場への後発参入が懸念されましたが、おしゃれでハイテクなベビー用品が入り込む隙は必ずあるはずだと考えました。

本当にママやパパが求める製品を開発するために、4momsがフォーカスするのがユーザーの最大の「困りごと」です。

「競合が無視するユーザーの困りごとのポイントを解決することで圧倒的に良い製品の開発をしています。ロボティクス、テクノロジー、イノベーティブなデザインを新しい形で活用することでこれを実現しています」

会社名の「4moms」(お母さんのための)は、最初にフォーカスグループにヒヤリングをした時に決まったもの。キッズ用品に両親がママたちが感じる困りごとについて探りました。貴重なインサイトを得た結果、最初の製品である4moms infant tub(幼児用お風呂)が誕生したのです。

自身がユーザーでもあるママやパパから成るチーム

4momsの社訓
4momsの社訓

現在、ペンシルベニア州ピッツバーグを本社に構える4moms。最近、そのオフィスはピッツバーグで最もクールなオフィスに選ばれました。現在の従業員数は180人におよび、その多くが自身もユーザーであるママやパパたちです。

上記の「Words We Live By」という画像は、4momsの社訓のようなもの。「謙虚であれ。精一杯仕事をせよ。周りをリスペクトせよ」「領域をミニマイズし、まず終わらせる。そして改善する」といった多くのスタートアップやものづくりに当てはまるであろう言葉が並んでいます。

4momsの本家サイトを見てみると、About Usのページにあるのが電子イヤーブック(アメリカの学校で毎年の終わりに配られる日本でいう卒業アルバムのようなもの)。 前年を振り返って、チームとして成し遂げたこと、楽しかったことなどを一冊にまとめたもの。イヤーブックという形をとることで、社員だけでなく、採用候補者、ベンダー、小売業者、メディア、さらには消費者やユーザーに対して4momsという企業の文化を伝えることができているとのこと。

「私たちは、企業文化をとても大切にしています。イノベーション、パッション、そして人を何より大切にすること。やることなすこと全てにおいて、4momsとして掲げる”Words We Live By”を体現しています」

 

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