世界40カ国のスタートアップの現地仕事とタレントを繋げる「Jobbatical」が200万ドルを資金調達

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Team Jobbatical in Malaysia
「Jobbatical」のチーム(左から2人目が創業者のKaroli Hindriksさん)

働き方が変わり、人々の働くことへのマインドセットが変わりつつある今、企業にとっての人材プールは「世界」であると言っても過言ではありません。それを象徴する一つのスタートアップが、2015年6月に取材した「Jobbatical(ジョバティカル)」です。人材は、世界中のスタートアップの現地オフィスで、短期(最低1年間)の仕事に就くことができます。

そんなJobbaticalが、3月2日、200万ドルの資金調達を実施したことを発表しました。リードインベスターは、Union Square Ventures、Saul Klein、Robin Kleinのロンドンを拠点とするあらなたベンチャーキャピタル「 LocalGlobe」、また既存投資家である 「Smartcap」です。

今回調達した資金は、JobbaticalのプロダクトとそのUX向上のために活用されます。40ヵ国にまたいで運営するJobbaticalのプロダクトチームは、2016年には3倍に増える予定。また、急成長する東南アジア地域の需要に対応するため、新たにシンガポールに拠点を構える予定もあります。

Jobbaticalの案件ページ
Jobbaticalの案件ページ

例えば、現在サイトに掲載されているジョバティカル(研究休暇の意味)には、香港におけるバックエンドデベロッパーの募集、ペナン州でUX研究員、ベトナムにおけるデジタルマーケティングマネージャー、上海のコンテンツライターの募集などがあります。テクノロジー業界におけるグローバルな才能のマーケットプレイスが、Jobbaticalなのです。

昨今、人々が持つスキルは持ち運びが可能な「ポータブル」なものであるだけでなく、グローバル紙幣と化しています。特にミレ二アル世代においては、仕事のために海外に引っ越すことも許容するように。事実、PWCによる調査では、この世代の70%が「キャリアのどこかで海外で仕事をしたい」と回答しています。

2014年6月に、エストニアの首都であるタリンで産声をあげたJobbatical。これまでに、累計3万人を超える「海外で働きたい人」の人材が集まっています。立ち上げ初年度、40ヵ国を超える1,200社以上の企業がJobbaticalを活用。応募の数は7,000件を超え、マッチングの成立件数は300件を突破しました。Jobbaticalのチーム自体も、その採用の半数を自社プラットフォーム上で行っています。

テクノロジーのメッカであるシリコンバレーをシリコンバレー足らしめるものは、そこに優秀な人材の宝庫があること。

「Jobbaticalのゴールは、世界中に次世代のシリコンバレーを構築する後押しをすることです。リズボン、クアラルンプールなどなど、採用の意思決定から物理的なバイアスを取り除くことで、人々はパスポードではなく、あるべきスキルの有無によって採用される世界が実現するはずです」

 

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