消費者向け遺伝子検査のパイオニア「23andMe」、120万人分のデータを活用して独自の新薬研究に着手

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image via. 23andMe
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<Pick Up> 23andMe sells data for drug research

遺伝子検査サービスのパイオニア的存在「23andMe」が、蓄積した遺伝子データを使った新薬の開発を始めたようです。23andMeの遺伝子検査キットの価格は、199ドル。専用の筒に唾液を入れて送り返すだけで、数週間もすると結果が出ます。

Google創業者Sergey Brin氏の元奥さんが9年前に立ち上げた23andMe。10億ドルの評価額を得ていますが、未だに黒字化するには至っていないとのこと。ただ、昨年からマネタイズに動き出していて、これまでに収集した120万人分のDNAデータの販売を開始しました。

昨年の時点で、13社の薬品会社にデータを販売しており、例えば米国カリフォルニア州を拠点とする「Genentech」は、パーキンソン病の患者のDNAデータのために1,000万ドルを支払ったと言います。

個人データのコモディティ化に対しては賛否両論あるものの、今後この流れは加速していくことが予想されます。現に、米国ではオバマ大統領のもと、100万人のデータを収集してがんなどの治療や予防法を開発する「「Precision Medicine」プロジェクトが推進されています。

23andMeには、遺伝子データに加えて利用者の生活習慣などのアンケート結果も集まっており、毎週200万もの新しいファクトが届くのだとか。また、特定の病気を持つ患者に対して無料で検査キットを提供することで、その病気に関する情報を集めることも行っています。

2016年春に開設した新薬開発の研究所で、今後は独自の治療法開発などに取り組んでいくとのことです。

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