著者のGene Richardson氏は、Experts ExchangeのCOOである。

(以下はこちらの記事の抄訳です)
「コードを書けるようになれ」。世界中で繰り返されている言葉だ。そして、世界は期待どおり学習した。
大学で提供される標準的なコンピュータ教育が、ワードの処理やスプレッドシート、いくらかの基本的なプログラミングに毛が生えた程度のものだった時代がかつてある。私がカリフォルニア・ポリテクニック州立大学で80年代に教鞭をとっていた頃、学部生は全員、基本的なコンピューティングの私の授業を履修する必要があった。
だが、UCLAを最近卒業したばかりの私の息子のように、今の学生はプログラミングが中心の授業の履修が義務付けられている。テック起業家として未来を描けるようなツールをもった大人を作りだすという経済的な動機にかられて、教育システムは「Office 製品」を専攻したりVisual Basicに少し触れるものから「Pythonをやれ、さもなきゃ破滅する」といったものに変わりつつある。
だが、大学は人々に正しいスキルを与えていない。
アメリカのビジネスの99パーセントがC++ やJava に長けている者を必要としていないはずだ。以下のような、多くの企業が必要としているテックスキルは本質的なものでありながらも、それらと異なるものだ。
スクリプト言語の基本
Unix/LinuxのためのBash、ウェブブラウザのためのJavaScript、MicrosoftのアプリケーションのためのVisual Basicはシンプルなコーディングスキルであり、学習が簡単で幅広い領域とレベルの社員にとって価値が高い。これらのスキルがあれば、タスクをオートメーション化できたり、操作と分析において効率を高めることができる。
たとえばコンテストを開催した場合、コンテストに参加した人が特定の日までにサイトにコンテンツを提出したかどうかを判断する簡単なスクリプトを書くことができる。何百人ものユーザーについて確認するのは骨の折れる作業だが、スクリプト言語のノウハウがあれば効率的に処理ができる。
簡単な SQLコマンド
簡単な SQLコマンドは、ローデータを処理し、分析と応用が可能な情報へと変化させるために必要なものだ。
もちろん、チーム内の然るべき人はコーディングの仕方を知っているだろう。だが、そうした人々の多くの仕事は、スプレッドシートのマクロを組んだり、ピボットテーブルをつくって社内の事業プロセスのサポートをするべきであって、起業家的な実験のためのアジャイルなアルゴリズムを書くことではない。
演繹的な論理思考スキル
様々なデータを見て、結論を導くスキルはどんな社員にとっても価値が高いものだ。同時に、このスキルされあれば技術的に進んだ社員であっただろう人たちの多くに欠けているものだ。
かつて、統計の専門家に来てもらって、私たちのサイトのトラフィック傾向についてプレゼンをしてもらったことがある。残念なことに、彼は役に立たないローデータを見せ、コンテキストや意味についての深堀がなかった。
どの国からユーザーが来ているのか、彼らがどれくらいの時間ログインしているのか、彼らがサイト上で取り組んでいるタスクのトップ3を見せてほしいと聞いても、彼はどこから手をつければいいのか分からなかった。基本的なコンピューティングスキルをもっているにもかかわらず、データが証明できることがそれぞれいかに結びついているのかを理解する分析能力に欠けていたのだ。
最近、最も必要とされるコーディングスキルは、国のGDPを高めるようなスタートアップを立ち上げるためのスキルではなく、元の数字から深い意味を取り出せるような、データを深く分析する力なのだ。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】
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