しかしながら、Raven の Flow アプリは中国内でヒットしていない。Apple の中国版 China App Store で上位700位に入るのがやっとだ。それは、Baidu や Xiaomi など中国のテック大手が提供する音声アシスタントの競合という壁が立ちはだかっているからだ。さらに、Siri は中国語を話せる。Baidu 独自の音声検索アプリは2012年末にかけて出てきた。
北京を拠点とする Raven Tech はこの AI アシスタントを、複数のデバイスにアクセスできるのを見越して「次世代のオペレーティングシステム」と名付けている。Amazon が辿った道と同じく、Raven も Echo の形をしたホームアシスタント機器として出てきた。この製品に関しては12月にクラウドファンディングで資金を調達した。
Raven Tech は Tech in Asia からの問い合わせに対し、本案件の取引金額については言及を避けた。
Baidu はすでに AI や自然言語処理に多額の投資をしているが、そのほとんどは、シリコンバレーにある研究所(所長はチーフサイエンティストの Andrew Ng 氏)が関与している。時価総額650億米ドルの検索最大手である同社は先月、中国で人気のテレビ番組で会話ロボットをお披露目し、顔認識と音声認識を使って複雑な問題で人間と争い、勝利したばかりだ。
「2017年は会話コンピューティングの年になるでしょう」と Baidu の広報担当者は Tech in Asia に語った。その動きを前進させるため、Baidu は自社のデジタルアシスタント DuerOS(文字通り Du Assistant の意)に特化した事業部門を設けたばかりだ。今回買収した Raven Tech と同じく、Baidu は自社の AI プラットフォームを1つの OS と呼んでおり、これをできるだけ多くの機器に備え付けたいという。
土屋氏の講演に引き続き、イギリス・ブリストルから Engine Shed の Nick Sturge 氏、アメリカ・ピッツバーグから Innovation Works の Jeffrey McDaniel 氏、Politemachines.com の Ajay Revels 氏、大阪市経済戦略局理事の吉川正晃氏を交えてのパネル・ディスカッションが持たれた。モデレータは、京都工芸繊維大学の特任准教授 Sushi Suzuki 氏が務めた。
Struge 氏は、ブリストル市とブリストル大学が共同で進めている、長期的かつサステイナブルな経済成長目指すコラボレーション・プログラム「Engine Shed」ののディレクターを務めている。Sturge 氏によれば、ブリストルは歴史的に製品の輸入で潤って来た街で、近年ではロールス・ロイスに買収された Bristol Aeroplane Company の流れを引いて航空機産業が盛んなほか、80年前に BBC がここに本局を構えたことに起因し、世界中の自然史に関わる番組の35%がブリストルで作られているのだそうだ。
Allen Miner 氏(サンブリッジ 代表取締役会長兼 CEO / HackOsaka スーパーバイザー)
平石 郁生氏(サンブリッジ 代表取締役社長)
Nick Sturge 氏(Director, Engineshed)
Ajay Revels 氏(Politemachines.com)
【Gold Prize】Docquity(シンガポール)
副賞:賞金50万円
アジアでは、医師が継続的医療教育(CME; Continual Medical Education)を受けるのには大きな障害を伴う。また、具体的な症例事案をオープンなソーシャルメディアなどで議論することも法律で禁じられている。その結果として、インドネシアでは、2016年に医師免許を更新できなかった医師が5,000人に上るという。
Monozokuri Hardware Cup の優勝者には、ピッツバーグで AlphaLab Gear が毎年開催する「National Hardware Cup」に、ロサンゼルス、ボストン、オースティン、デンバー、ワシントンDC からの予選通過者と肩を並べ、ファイナリストとして登壇する権利が与えられる(AlphaLab Gear の運営母体である Innovation Works の Jeffrey McDaniel 氏によれば、今回の日本勢のジョインに伴い「International Hardware Cup」に改称するとのこと)。また、入賞3位までのチームにも同イベントにツアー参加する権利が与えられる。
【1位】QD レーザ
QD レーザは、富士通や東京大学の共同研究からスピンアウトしたスタートアップで、量子ドット技術を活用し、さまざまな分野に応用できる量子ドットレーザを開発している。今回は、レーザープロジェクトから装着者の網膜に直接映像を投影する網膜走査型レーザアイウェアを紹介した。この技術により、全盲ではないものの、ぼやけた世界の中で暮らしている視覚障害者の QOL を高められる可能性がある。