エンタープライズ向けサービスのスタートアップ支援に特化したバンガロールのアクセラレータAxilor、2017年夏バッチ参加の20チームを紹介

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Axilor の 2017年夏期アクセラレータバッチに参加したスタートアップ設立者とメンター
Photo credit: Axilor.

インドの IT サービス大手 Infosys は最近不振に陥っている。業績は標準を下回り、トランプ大統領による技術者のビザ取り締まり措置による妨害を受け、設立者らは企業価値が下がったのではと疑っている

だが今、Infosys の設立者である Kris Gopalakrishnan 氏と S D Shibulal 氏が、同社で管理職を務めた Srinath Batni 氏と Ganapathy Venugopal 氏、そしてハーバードビジネススクールで教授を務める Tarun Khanna 氏と共に始めたスタートアップ向けのアクセラレータが、バンガロールで事業拡大しつつある。Axilor の夏期バッチは20社だ。インドのアクセラレータコホートの中でも最も数が多い。コホートの80%はソフトウェア製品のスタートアップが占める。このことからも、サービスのアウトソーシングからイノベーションへの移行という、インドにおける風向きの変化がうかがえる。エコシステムで欠けているのはスタートアップが死の谷を越えるに足る十分な支援構造であり、そこに Axilor のようなアクセラレータの出番がある。

Axilor の共同設立者兼 CEO の Ganapathy Venugopal 氏は次のように語る。

成功率を高めるための構造的プログラムにせよ、設立初期に必要な市場へのアクセスにせよ、あるいはエンジェル投資能力にせよ、インドでは初期のスタートアップを支える制度があまり整っていません。支援先のスタートアップを20社へと倍増させることで、こういったギャップの解消に向けてまた一歩前進したことになります。

Axilor のメンターらは、スタートアップのアジリティと、メンターら自身が世界有数の IT 企業で長期にわたる経験から培ったシステムやプロセスに関する専門知識との両立を試みる。また彼らには、スタートアップのクライアントやパートナーになり得るであろうグローバルテック企業との強いコネクションがある。

Axilor は100日間のアクセラレータ期間中にエクイティ無しのサポートを提供するが、目標を達成することを条件とし、必要に応じてエクイティと引き換えに250万インドルピー(3万8,750米ドル)の早期投資もスタートアップに対して行っている。またプログラム終了後、スケーリングに資金を必要とするスタートアップには、さらに500万インドルピー(7万7,500米ドル)が提供される。そして最後に、マーケットフィットを達成した企業は、10万から50万米ドルの初期投資の対象となることができる。

インドにおける現在のコンシューマ向けインターネットスペースの進展は当初考えられていたよりも長くかかっているようで再考が進む中、現在のコホートの半分に相当するスタートアップが企業を対象としたサービス提供を目指している。最近、バンガロールで Microsoft のアクセラレータが14社のスタートアップを受け入れたが、全社とも企業に焦点を絞っている。

以下に、Axilor が夏期バッチに選んだスタートアップを分野ごとに紹介しょう。

人工知能/機械学習

Niramai

ヘルスケアスタートアップの Niramai は、サーマルイメージに機械学習を適用し、遠隔からの乳がん検診を低価格で提供する。従来のマンモグラフィーでは高額な装置や経験豊富なレントゲン技師が必要とされるが、Niramai は高解像度のサーマルイメージとクラウドベースの画像分析を活用して検診を行う。

Orbuculum

こちらもヘルスケアスタートアップだ。水晶玉を意味する Orbuculum では、ゲノムデータに人工知能を適用し、癌や糖尿病といった慢性疾患を患う可能性を予測する。設立者の Pranav Gangwal 氏はインド工科大学マドラス校で生物工学を専攻した卒業生だ。

Transporter

インフラが十分整っていないインドではラストマイル物流が大きな問題となっている。Transporter.city は、機械学習を用いて物流プランニングを自動化する SaaS(software-as-a-service、サース)製品を提供する。これにより、リソースをより効率的に活用しコストを削減できる。

Detect

アナリティクスを専門とするこのスタートアップはドローンを使い、資源管理やコスト削減のため製造業界に DaaS(data-as-a-service、ダース)を提供する。現在インドにあるいくつかの石油会社やガス会社がパイプラインの監視や漏出の発見に Detect を採用している。

企業向け

Adya

サイバーセキュリティを専門とするスタートアップ Adya は、現在トライアル段階にある SaaS 製品を提供している。企業は社内とクラウド上の両データを対象に誰がアクセスしたのか確認できるため、窃盗やランサムウェアから保護することができる。

CoPro

こちらはイベント主催者向けツールである。来場者の参加状況を評価し改善できるよう分析やインサイトを提供する。CoPro にはインドの主要なスタートアップイベントでの採用実績がある。

Gig

こちらもイベント前後の来場者の参加状況を分析するスタートアップだ。ただし Gig はコンサートに特化している。Facebook Messenger 上で観客とやり取りができる同社の自動化コミュニケーションツールを Sunburn や DJ Snake といったアーティストがこれまで利用している。

Extraaedge

Extraaedge は学校を対象とし、入学者数の増加を目的とした営業やマーケティングを自動化するクラウドベースのソフトウェアを提供する。教育機関は年間使用料かセールスリード獲得ごとの支払いのいずれかを選択できる。

Maroon

Maroon は予測分析を活用し営業チームやマーケティングチームを支援する。セールストリガーの分析、ターゲットに関する情報の提供、各セールスリードのコンバージョン数の向上を保証する。

Rucept

Rucept は、コンテンツクリエイターが新たな収入源を設ける際、商品の売買を支援する。同スタートアップが目指すのは、サンプリングや部品調達から製品の流通まですべてに対応することだ。対象製品は T シャツやマグカップから携帯電話にまで及ぶ。

フィンテック

Healthfin

Healthfin は高額医療、特に手術のためのローンを提供する。インドでは医療保険が十分に浸透しておらず、予期しない医療費が発生すると対応に苦しむ人が多くいる現状だ。Healthfin はまた、病院や診断施設でかかる費用の比較も行う。

LegalDocs

LegalDocs は DIY 型のウェブサイトで、ユーザは遺書や車両売却用の契約書といった法的文書の作成ができる。複雑さの度合いに応じて、無償で提供される文書から有償のものまである。法的な問題や課題に関する助言も行っている。

TaxGenie

TaxGenie は、7月1日に中央政府や州による従来の税収がすべて物品サービス税(GST)へと切り替わるにあたり、インド国内のスタートアップや中小企業の対応をサポートする。また、GST の様々な規定や順守要件の本質について企業が学べるブログサイトを設けている。

ヘルステック

PocketPill

慢性疾患治療を困難にする主な理由の一つに、患者が投薬の用量をきちんと守れていないことがある。PocketPill は、慢性疾患を患う人々が投薬についてしっかりと把握できるようサポートする。また、患者を家族や医師とつなぐ役割をする。

Talkadoc

Talkadoc は自動化により医師が患者を効率的に管理し、多くの患者に対応できるようにする。現在、インドにおける医師と患者の比率が非常に低いメンタルヘルス分野に力を入れている。また、医師、患者、介護者をつなぐ役割をする。

Treatgo

より質の高い治療や安価な選択肢を求めて人々は国外へと移動するようになり、メディカルトラベル業界はますます成長している。Treatgo は病院や医師のグローバルネットワークを結び付け、メディカルトラベル業界の支援を目指す。

コンシューマ向けインターネット

Castiko

インドのエンターテイメント業界は世界最大規模でありながら、そのプロセスは時代遅れである。その一つがキャスティングで、非常に時間がかかる。Castiko は、役者とキャスティング責任者を独自のプラットフォーム上でつなぐことでその改善を図る。

Knudge.me

インドには英語を習得したいと考える人が大勢いる。Knudge.me は携帯電話で気軽に受けられるちょっとしたレッスンを提供し、英語力の向上へとつなぐ。ユーザはインタラクティブなゲームやクイズで楽しみながら学べる。

Multibashi

Multibashi も言語習得アプリだ。ユーザはインドで使われている言語を英語で学ぶことができ、またインドの言語で英語を学ぶことも可能だ。話し言葉を学びやすいよう、ネイティブスピーカーの音声や実生活におけるシミュレーションを使用している。

YourQuote

自分で編み出した名文句はないだろうか?YourQuote はそんな言葉を壁紙に書き出し、画像の形にしてソーシャルメディアで共有できるアプリだ。でもまずは深くてクールな表現を編み出さなくてはいけないだろう!

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

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