
インドネシアのオンデマンドクリーニングスタートアップ Ahlijasa は今日(5月16日)、非公開額のシードラウンドを終了させたことを発表した。
比較的新しいベンチャーキャピタルである Indogen Capital が Ahlijasa への投資に参加していることは今年すでに我々が報じているが、この投資には500 Startups や Fenox VC も参加している。
2015年に Ahlijasa がローンチされた時は様々なオンデマンドサービスを提供していたが、その後はクリーニングに的を絞ることに決めたようだ。
同社はジャカルタの高級クリーニング業者と手を組んで、その余剰能力をうまく使えるようにしている。顧客のもとにランドリーボックスを置き、一杯になったら回収して洗濯とアイロン掛けをして衣類を返却する仕組みだ。
CEO の Jay Jayawijayaningtiyas 氏によると、他の都市に広げる前にジャカルタ首都圏に集中して、サービスの向上と顧客基盤の拡大に新しい資金を費やす予定だという。
また、技術チームの人員拡充も計画している。
Doormint の事例
どこのオンデマンドクリーニングスタートアップも、規模を拡大しつつビジネスモデルをうまく機能させるのに苦労している。インドの Doormint は一日あたり500件の注文を処理し、シリーズ A ラウンドでは300万米ドルを荒稼ぎしたにも関わらず、2016年にはサービスを停止した。
Doormint の共同設立者は顧客へのサービス停止声明で次のように述べた。
一般消費者向けのオンラインクリーニングビジネスで、どうやって本当に拡張性も採算性もあるビジネスモデルを構築すればいいのか、最後まで分かりませんでした。
Ahlijasa はインドネシアではまだ実験してみる余地があると考えている。
Jayawijayaningtiyas 氏は次のように説明している。
私たちは弊社を従来のクリーニング店のパートナーと位置づけています。他のモデルではクリーニング店との競合に注力しており、そのせいで低価格競争に喘いでしまっています。私たちは零細クリーニング店の業務を標準化し、オンライン顧客を獲得できるよう助力することによって、クリーニング店を応援しているのです。
私たちはパートナー店舗に付加価値を提供していますので、その分パートナー店舗もかなりの利益を喜んで私たちに分配してくれています。
オンデマンドクリーニングのもう一つの弱点は配送コストだ、と彼は付け加えた。Ahlijasa はドライバーの配送ルートを最適化するアルゴリズムを使うことでこの問題に取り組もうとしている。同社ではドライバーも雇用するのではなく利益分配制にしている。
Jayawijayaningtiyas 氏は次のように述べている。
こういった戦略はどれも配送コストを抑えるのに役立っています。
Ahlijasa は今日(5月16日)のプレスリリースで、クリーニングスタートアップに関して大きなサービス停止はあったものの、投資家はその可能性を信じている、と言及した。このプレスリリースでは最近500万米ドルを調達した米国の Cleanly 引き合いに出している。
Cleanly は採算を上げる方法の一つに、集中的かつ系統的に拡大させることを挙げており、これは Ahlijasa の拡大戦略と同様である。
私たちの戦略は Cleanly と多くの点で類似しています。(Jayawijayaningtiyas 氏)
500 Startups の Khailee Ng 氏はインドネシアの市場機会に関しては楽観視している。
Ng 氏は次のように述べた。
ジャカルタに1年以上住んで、Ahlijasa を観察して自分でも調査しています。結論から言うと、持続可能性も大きなニーズもあり、第二階層の都市へも広げられます。一番重要なのは、世界の他の地域と違ってインドネシアではユニットエコノミクスがとても良いのです。
Indogen の MP を務める Chandra Firmanto 氏は Ahlijasa への投資判断について次のように語った。
私たちは、Ahlijasa の設立チームには同社をエコシステムのリーダーへと引っ張っていける高い能力があるとみています。私たちは Ahlijasa のシステムがさらに良くなるような手助けもできます。
Ahlijasa はインドネシアでクリーニングサービスを提供している Seekmi や KliknKlin などのサービスと競合している。
同社は Fenox が主催する Startup World Cup の東南アジア予選で優勝し、世界大会でも2位につけた。また、Fenox の GnB アクセラレータプログラムの一員でもあった。
【via Tech in Asia】 @techinasia
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