
Image credit: Hardware Club
Hardware Club は本日(原文掲載日:6月15日)、初のベンチャー資金調達を行なったと発表した。2,800万米ドルに及ぶ資金は、同社のコミュニティプラットフォームから生まれるシードステージスタートアップの支援に使われる。約3年前にローンチした Hardware Club はパリに本部を置き、サンフランシスコや東京にもオフィスを設置している。
Hardware Club は当初、ハードウェアスタートアップが相互に助け合えるネットワークコミュニティを構築した。その後、そのネットワークを Foxconn(鴻海/富士康)などの製造業大手、Amazon や Target などの流通業大手などに広げ、メンバースタートアップが開発を進める上であらゆる面において支援してきた。
最近では、Hardware Club は VC 的な動きもしている。昨年12月現在、彼らは10万米ドルのシード投資を10件実施している。新たな資金を手にいれた Hardware Club は VC 企業として再編成され、平均的な出資の規模は一件あたり約50万米ドルになるものの、最大で150万ドルまでを出資できるようになる見込みだ。
共同創業者の Barbara Belvisi 氏は、次のように語っている。
我々の目標は常に、新しい VC アプローチを作り上げてくることだった。
どうやってスタートアップを支援し、彼らを成功に導くかという点について、我々にはコミュニティがある。

Image Credit: Hardware Club
Belvisi 氏は Hardware Club を Alexis Hossou 氏とスタートさせ、Jerry Yang がジェネラルパートナーとして参画した。今回の調達に参加した機関投資家には、Bpifrance、Credit Mutuel Credit Mutuel Arkéa(編注:いずれもフランスの金融機関大手)、Foxconn、Mistletoe などがいる。
Hardware Club は今後3年間で、10〜15社への出資を計画している。対象となる領域は、デジタルヘルス、人工知能、新型センサー、コネクティッドビルディング、スマート交通、コンシューマハードウェアだ。
Hardware Club の統計によれば、同社のコミュニティには現在、30カ国以上から260のスタートアップが参加している。メンバー企業らは総額で VC から7億ドル以上、クラウドファンディングで8,000万ドルを調達している。
近年ハードウェアスタートアップが経験してきた浮き沈みにもかかわらず、Belvisi 氏は今後数年の間に、ハードウェア業界が大きなイノベーションとディスラプションを経験することになると確信している。新たな資金調達により、Hardware Club はさらにリーチを拡大して、よりよいリターンへの可能性を提供するとともに、さらに多くの優秀なスタートアップの発掘が可能になるだろう。
これまで、産業革命が起きるたびに人々の生活に大きな影響を与えてきた。そして、そこにはいつもハードウェアコンポーネントが存在した。
我々は、ドローンやロボットで新しい産業革命を起こそうとしているスタートアップにも投資している。彼は人類の文明を、次のレベルへと高めようとしている。(Barbara Belvisi 氏)
(編注:以下のビデオは、Hardware Club が昨年、フランスの量販店 FNAC で、メンバースタートアップのプロダクトを展示販売した際の PV。)
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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