予算管理SaaS「DIGGLE」の正式版が公開、SaaS事業者向けに最適化されたKPI管理テンプレートの提供を開始

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予算管理 SaaS「DIGGLE」を開発・提供するタシナレッジは3日、DIGGLE の正式版を公開し、SaaS 事業者向けの KPI 管理テンプレートの提供を開始したことを明らかにした。DIGGLE は管理会計の基本的な業務である予実管理をクラウド上で提供するサービスだ。予算作成、予算実績対比といった2つの業務効率化を目指し、予算や財務に関連する数値を入力することで専門知識がない人でも、データを集計して KPI や予算を作成できる設計を目指している。

予算管理は多くの企業で Excel などのスプレッドシートを使って行われているが、手入力によるミスが生じたり、各部門から送られてくる Excel ファイルのバージョン管理や転記およびマージ作業が煩雑だったりすることで問題を生じる。DIGGLE では各部門から直接 SaaS 上に値を入力/コピーペーストしてもらうことでこれらの問題を排除し、事業分野に応じたテンプレートを選ぶだけで、容易に売上、営業利益、累計売上、累計営業利益、販管費予実、販管比率などを分析し、見える化するのを支援する。

DIGGLE の予算特殊シート(クリックして拡大)

タシナレッジはオラクルやインフォアなどで、倉庫管理やサプライチェーン向けの ERP 販売に携わっていた山本清貴氏(現在 CEO)らにより、2016年6月に設立。以降、DIGGLE の開発に着手し、昨年出場した TechCrunch Tokyo 2016 のスタートアップバトルでは、「Fujitsu MetaArc AWARD」を受賞している。今年2月に DIGGLE のβ版をローンチ、5月には 500 Startups Japan、Draper Nexus、サンブリッジコーポレーション、AS-accelerator からシードラウンドで5,500万円の資金調達を実施している。

5月の段階で70アカウント程度だったユーザ数も、投資家らからの紹介などもあって、本日までに400社に達したとのことだ。

実績特殊シートのKPIレポート画面(クリックして拡大)

2月のβ版ローンチからこれまでの約4ヶ月間、タシナレッジでは投資家を通じてユーザインタビューに精を出していたようで、そこから尖らせなければならない機能が定まったようだ。当初のターゲットは中小企業だが、大企業の取り込みも視野に入れて居るようで、「SaaS 事業を展開している企業は、特に業務効率化に対する感度が高い(山本氏)」との仮説から、まずは SaaS 事業者向けのテンプレートから着手することにしたという。また、SaaS を手がける事業者は、日本国内にせいぜい数百社程度(山本氏)なので、直接のアプローチも現実的という理由もあるようだ。

タシナレッジは現在、CEO の山本氏と CTO の2名体制だが、5月に調達した資金を使い、開発チームを増強し UX/UI を改善に注力することを明らかにしている。今後は特に、

  1. グラフ化などのビジュアライズ機能……予算管理において、ブレイクダウンして原因の部分まで見える化できるようにする。
  2. 版数管理の機能……30人程度の企業において、コミュニケーションコストを下げるための対策
  3. API 連携対応……SFA のツールなどからコピーペーストで値を持ってこなくても、ツールと API 連携し、値を動的に取り込めるようにする

……などを課題に据えているという。なお、1. の「グラフ化などのビジュアライズ機能」は、急遽、本日の正式版リリースに組み入れられることとなり、DIGGLE はより一層使いやすいものとなった。正式版リリース後も、基本機能である予算シートの作成、実績シートの作成、予実管理ビューの作成機能等は引き続き無償で利用できる。

正式版で実装されたグラフ機能(クリックして拡大)

最終的には、予算管理が経営層やマネージャーだけのためのものではなく、社員一人ひとりにカスタマイズされたダッシュボードを作成し、予算達成や問題解決のために、現場に何が必要かを見える化したいとしている。