プライマリーケアとメンタルヘルスのプロバイダー間のギャップを埋める技術プラットフォームを提供している Quartet は、F-Prime Capital Partners と Polaris Partners がリードするシリーズ C ラウンドで4,000万米ドルを調達した。既存投資家の GV(Google Ventures)と Oak HC/FT もこれに参加した。
2014年にニューヨークで設立された Quartet は、体のケアをする医師と心のケアを行う医師をつなぐよう設計された協業プラットフォームを提供しており、保険会社とも連携しながら患者の全体的な健康を改善している。背景には次のような考え方がある。患者がけがや病気を患った際に感情面での連鎖反応が引き起こされることがある。そのため同社では、より全体的な健康ケアのアプローチを採用する手助けをしたいと考えている。

現在は、ペンシルベニア、マサチューセッツ、ルイジアナ、ワシントン、ノースカロライナ、ニュージャージーの各州でサービスを提供している。これまでに4,700万米ドルを調達しているが、今回獲得した資金は、米国内でのサービス拡張のために活用するとコメントした。エンジニアリングや製品開発のロードマップにも投資される。
同社共同設立者兼 CEO の Arun Gupta 氏はこう話している。
わが国の全体的な健康を改善しようとするならば、プライマリーケアの医師と行動保健学の専門家の協業が欠かせません。体と心のケアをつなぐ努力はされていますが、このギャップを埋めているのはテクノロジーです。
健康に対するお金
最近は、ヘルスケア系スタートアップへの投資の勢いが増している。例えば Lumity は1,900万米ドルを調達して、データ主導のレコメンデーションを企業の健康保険制度に提供している。Livongo は5,250万米ドルを確保し、企業やヘルスケアのプロバイダーによる支出の最適化に貢献している。1,800万米ドルを手に入れた Vida Health はヘルスケアのコストを削減し、オンデマンドのヘルスケアコンシェルジュ Accolade は9,400万米ドルを獲得した。
ただし、多くのメンタルヘルスのスタートアップに対する投資も成熟化しつつあるようだ。ニューヨークを拠点とする AbleTo は昨8月、行動保健のプラットフォームで3,660万米ドルを調達したと発表した一方、英国を拠点とする Ieso Digital Health は、心理療法と認知行動療法(CBT)を提供するプラットフォームで2,400万米ドルを手にした。これに関連するのが瞑想系プラットフォームで、最近3,670万米ドルのラウンドを終えた Headspace があるほか、Y Combinator 卒業生の Simple Habit は、地球上のストレス解放に向け少額ながら250万米ドルを調達した。
これまでに GV は数々のヘルスケアスタートアップに投資してきた。一方 Quartet は、2016年の4,000万米ドルのシリーズBラウンドをリードした Alphabet にとって、メンタルヘルスに特化した投資先第一号だ。GV はシリーズ C ラウンドの投資では二番手に甘んじたが、今回の最新ラウンドでは F-Prime Capital Partners と Polaris Partners の既存投資家2社がリードした点は注目される。
F-Prime Capital のエグゼクティブパートナーである Carl Byers 氏は述べている。
ここ数年 Quartet への投資に関わっていますが、同社が急速に成熟しているのを間近で目にしてきました。同じような段階にある他のヘルスケア企業と比べても著しい速さです。Quartet は技術と革新的な思考を育みつつ、治療の提供を劇的に改善しています。
今回の投資により、Byers 氏は別の2人とともに Quartet の取締役会メンバーとなる。あとの2人は、健康保険企業 Anthem の元エグゼクティブ VP である Ken Goulet 氏と、Rackspace の元 CEO で VC 企業 BuildGroup の共同設立者である Lanham Napier 氏。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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