BASE加盟店が独自コインを発行ーー「ショップコイン」が広げる資金調達とファンづくりの可能性

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コマースと決済プラットフォームのBASEは5月14日、出店者が独自の金券を販売して事前に資金調達ができるサービス「ショップコイン」を開始すると発表した。BASEを利用している店舗であればプラグインサービス「BASE Apps」経由でコインの発行をすることができる。

店舗は独自のショップコインを1コインあたり50円から100円の範囲で価格を設定し、ショップのファン層に事前に販売することができる。その後、コインを購入したユーザーはその店舗で販売されている商品を購入することができる。

例えば1万円で販売する予定の商品があり、販売時期が3カ月後の場合、その購入券として事前にコインを販売。1万円分のお買い物ができる100コインを1コイン90円で販売すれば、店舗側は前受けとして料金を受け取ることができ、さらに購入者は10%割引で商品を手にすることができる。似たようなケースは商店街の商品券などに見られる。

ショップコインはいわゆるプリペイドサービスで、資金決済に関する法律(資金決済法)における前払式支払手段にあたるもの。未使用残高が1000万円未満であれば金融庁への届け出は不要で、今回、BASEが発行するショップコインについても各店舗で販売できる上限は1000万円までとなる。

コインの発行自体は無料だが、店舗側にとっては事前に仮想的な商品を販売することになるので、BASEが定める所定の売上・決済手数料が必要になる。

なお、BASE代表取締役の鶴岡裕太氏にも確認したが、本件についてはいわゆる「事前販売詐欺」的な店舗の発生が懸念される。コインは仮想的な商品で前受金となり、また前述のような利用ケースでは商品自体もまだ店舗にないことが予想されるからだ。

悪質な例は言うまでもないが、予定していた商品の製造や仕入れに失敗した、などのケースは起こりうる。

この点について鶴岡氏は、最終的な責任についてはあくまで店舗と購入者の問題とし、商品を購入したが届かないなどのトラブルが発生した際と同様のサポートに留めるとしていた。ただサービス開始当初は、例えば店舗オーナーに確実に連絡が取れる、商品販売実績があるなど、店舗自体の信頼性をしっかりと審査するという説明だった。

また、鶴岡氏は店舗によるコイン発行を通じて「新しいお金のあり方」について考えるようになったという。

「5年前には誰も知らなかったのに、今ではラフォーレに出店できるようになった店舗さんとかって、その当時から応援しているファンがいるんですね。そこで考えたんです。5年前からファンだった人が払う1万円と、今の訪問者が払う1万円って『同じ価値』なんだろうかって。過去のファンがいなければ今がないわけです。

これってフェーズによってお金の価値が変わったと考えることができるんじゃないかなって。早い時期に買ってくれた人には優遇があっていいと思うし、ショップそれぞれが考える独自のお金を発行できないかなと。それを表現したかった」。

ちなみにこのサービスに関連して、BASEが先日公表した金融関連の子会社「BASE BANK」について聞いてみたが、夏頃に具体的なサービスのリリースを考えているという話だった。ショップコインをはじめ、同社の金融に関するサービスがこの部門に集められる予定という。

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