売上予測で即時資金提供「YELL BANK」登場ーー小さな経済を回すBASE、新たな仕組みとなるか

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2018.12.6

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ニュースサマリ:コマースプラットフォームのBASEは12月5日、ファクタリングサービス「YELL BANK」を開始した。YELLBANKの提供はBASE100%子会社のBASE BANKが開発、運営を手がける。

利用できるのはBASEを利用しているショップオーナーで、管理画面に追加された資金調達ページに提示される3種類の調達額を選択し、規約に同意すれば管理画面側に表示される振込可能額にその金額が追加される。振込申請をすれば登録口座に振り込まれる仕組み。

返済についてはショップの売上から一定の支払い率に応じた金額が支払われることになる。また、一般的な融資の月次返済ではなく、売上発生時のみ支払う仕組みとなっており、例えば売上がなかった月は支払いの必要がない。資金用途は事業資金に限られており、債権の買取金額は1万円から上限が1000万円まで。支払いに際して必要なサービス利用料は債権の1%〜15%となっている。利用に際して特別な書類等の提出は必要ない。まずは一部ショップオーナーから提供を開始し、順次提供範囲を拡大させる。

話題のポイント:BASEが準備していた金融サービスがようやくお披露目になりました。債権買取型のいわゆるファクタリングサービスで、個人向けのノンバンクのような貸金業の事業者登録を必要とする「融資」ではなく、あくまで債権の事業者間売買です。

事業者の与信についてはBASEのデータからショップの売上予想などをするので精度は高いでしょう。元々、ファクタリングは銀行融資が受けにくい事業者や、とにかく即金が必要という場合に使われるややリスクの高い資金調達方法です。債権売買ですから、中古車の転売とかと同じで、貸金業法などに認められている金利の上限という概念がありません。

BASEに並ぶショップ群はオリジナルのアイテムが多い

ただ、これまでのBASEの考え方をふまえると、彼らが利息でヤッホーというビジョンを持ってるというのは考えにくいです。特に代表の鶴岡裕太さんは家入一真さんやCAMPFIREを身近に体験してきた人です。小さなショップオーナーさんが将来売り上げるであろう債権を買い取る、という考え方はある種のクラウドファンディングに近いと思います。ファンが買うであろう商品代金を予測して先に貸す、というイメージですね。

なのでショップは売上バッチリの事業者というよりは、小さくてもいいからコミュニティ、ファンを持っている人たちが対象になるでしょう。ハンドメイドのカバンを作ってるチームが注文をたくさん受けても、製作して販売して代金を受け取るまでのフローは当然時間がかかります。一般的な金融機関はハードルが高いですし、クラウドファンディングは先払いとして有効ですが、お客さんにリスクを負担させることにもなります。

YELL BANKは形こそファクタリングですが、BASEが提供することでこれから期待される小さな経済圏を回す唯一無二の仕組みになりそうな予感がしています。イメージしている小規模事業者が具体的に商品を作りやすくなったなど、事例が出てきたらまたお伝えしたいと思います。

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