名刺管理のSansan、東南アジアや日本での事業拡大に向けシリーズEラウンドで30億円を調達——日本郵政キャピタル、T. Rowe Priceなどから

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日本とシンガポールで事業を行う、クラウドベースの連絡先管理サービス「Sansan」は、シリーズ E ラウンドで30億円を調達した。日本郵政キャピタル、T. Rowe Price、SBI インベストメント、DCM Ventures が参加した。

この調達を受けて、Sansan のこれまでの累計調達金額は1億ドルに達した。

Sansan の 創業者で CEO の寺田親弘氏は、次のように述べている。

今回の調達により、マーケティングから営業、カスタマーサクセスまでのバリューチェーン全体を強化できる状況が整った。

Sansan の共同創業者で、取締役の富岡圭氏は、次のように述べている。

シンガポールは、東南アジアのリージョナルハブであることから、我々が最初の国際オフィスを作る上で最高のロケーションだ。我々のチームは、Sansan のバリューを日本国外ではシンガポールを皮切りに提供することを目指し、そこから世界中に展開していく。

2007年にスタートした Sansan は、名刺をベースとした連絡先管理ソリューションを企業に提供。あらゆる規模の企業は、Sansan のスキャナや携帯電話で名刺をスキャンすることで、リアル世界の人的ネットワークの連絡先データベースを構築することが可能になる。

言い方を変えれば、Sansan は企業の中で休眠している名刺をアクション可能なデータに変える。独自の OCR ソフトウェアを使って名刺を即座にデジタル化するが、人がその名刺内容をチェックし正確性を確認する。繋がりがある人物が仕事を変えても連絡先の変更を追跡支援するので、その人のバックグラウンドやソーシャルメディア上での存在も見ることができる。

Sansan は、個人ユーザ向けに「Eight」という B2C アプリを提供しており、200万人超がユーザ登録するプロフェッショナルソーシャルネットワークに成長している。Eight はインスタントのチャットメッセージやニュースフィード機能などのオプションを提供し、ビジネス機会やタイムリーアップデイトを共有できる。日本国外では2017年のローンチ以降、インドネシア、インド、マレーシア、フィリピン、シンガポールで10万人を超えるユーザを獲得した。

同社によれば、これらのサービスが世界中で7,000社超に導入されており、顧客には Lenovo Group(聯想集団)、Merck &Co.、セブン&アイ・ホールディングスなどがいる。シンガポールの顧客は、シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)、Ngee Ann Polytechnic(南洋工科大学)、東京ガス、商船三井、島津製作所、住友化学など。

DCM Ventures は、30億米ドル超を投資してきた VC グループだ。シリコンバレー、北京、東京にオフィスを置き、実務的な経営アドバイス、グローバルビジネスネットワーク、資金提供を通じて起業家を支援している。

SBI インベストメントは、SBI ホールディングスの子会社で、グロース領域の VC 投資にアクティブに関わっている。今回のラウンドには、同社の AI ブロックチェーンファンド を通じて参加した。

T. Rowe Price は、アメリカに拠点を置く主要な独立系資産運用会社だ。合計1兆米ドル超の資産を運用し、世界中16カ国で事業を展開している。

【via e27】 @E27co

【原文】

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