Lucidity は、韓国系アメリカ人設立者の Sam Kim 氏によって開発されたブロックチェーンをベースとするソリューションである。彼は以前、アドテック企業 Mobile Majority の共同設立者兼 COO を務めていた。

Lucidity の CEO である同氏にはユニークな経歴がある。幼い頃はブルックリンの公営住宅で育ち、祖父は北朝鮮国境近くに住みながら起業家として彼の家族を援助していた。

彼はアドテックに情熱を燃やし、オンライン・アドセールの世界で透明性と信頼性を実現するためデジタル広告ブロックチェーンのプロトコルを開発した。同社は4月10日、イーサリアムブロックチェーン上で動くマーケティング・アナリティクスのプロトコルを公式に発表した。

Lucidity は2017年の設立以降、ソリューションの構築は控えめだったが、現在ではステークホルダーに対し、単一かつ監査可能なデータアナリティクスを認証する分散型システムを通じ、デジタル広告業界のデータ不一致問題に取り組むようになった。

Lucidity は第1四半期（Q1）初めにベータ版をオープンさせ、このプロトコルはすでにパートナーに対し実績を残している。

苦しむデジタル広告エコシステム向けに開発されたブロックチェーンソリューション

データ不一致、請求の非効率、毎年起きる無数の不正によりデジタル広告が苦しんでいる現在、Lucidity は究極的な正確性、セキュリティ、コンセンサスを確保し、エコシステム内のプレーヤーたちがより効率的に取引できるよう、マーケティングの各イベントを認証できるブロックチェーン技術を開発した。

キャンペーン・トラッキングで改ざんができないデータソースを確立する際、不正の防止や手数料の透明性など Lucidity のプロトコル上に構築されたソリューションやアプリをパートナーが使えるようにもした。

同社 CEO 兼共同設立者の Sam Kim 氏は次のように述べた。

弊社のビジョンは、総合的で、議論の余地のない透明性をデジタル広告のサプライチェーンにもたらすことです。弊社ではパートナーを募集しています。私たちの業界にいる誠実なプレーヤーには、その立場にふさわしいメリットが受けられます。ブロックチェーンは、業界の主要な問題を解決する機会を提示しています。弊社では強力なプロトコルを運営し、さらには流れを変えるアプリを構築しています。同時に、世界で最も先進的な考えをもつ広告主や技術系パートナーから刺激を受けています。私たちは単なるホワイトペーパーではありません。十分に試行された製品を市場に提供できるのを嬉しく思います。広告業界では信頼を失わず取引ができるようになるでしょう。

パートナーと技術

Lucidity は自社のプロトコル増大に向け、追加的なパートナーを募集している。既存のプライベートベータキャンペーンも、特定の広告主や DSP に拡張されていく予定だ。Lucidity は、パートナーに対し大がかりな技術の統合や現行ワークフローの変更を求めないブロックチェーンベースのソリューションとしては、これまでのところ例をみない存在だ。顧客は単にトラッカーをインストールするだけでよい。

さらに Lucidity は、イーサリアムが持つスケールおよび速度上の問題を解決するためのサイドチェーン処理ソリューション「Plasma」の実行に成功した世界初の企業でもある。現代のプログラマティック広告業界向けに構築されている。Lucidity では1秒あたり数百万件の取引の処理が可能で、キャンペーンの指標が迅速かつ効率的に認証されることを確実にしている。

広告主からすると、Lucidity のブロックチェーンベースのソリューションは、統合されたデータセット、不一致や不正からの解放が確保されるほか、効果を計測するために活用することができる。パブリッシャー側からすると、ID の保有のほか、インベントリの価値の証明に役立てられる。最終的には、データ不一致の問題を解決するプロトコルで、請求が迅速化され、パフォーマンスレポートもより正確になる。

Audience Group 設立者の Ryan Yates 氏はこのように述べている。

広告主は、膨大な量のミスアロケーション、毎月の照合作業にかかる終わりのない時間のロスに飽き飽きしています。早くから協業して、すでに動いているブロックチェーン製品が実際にできることを見られるのは嬉しいことです。Lucidity は、業界にある多くの痛点の解決に向け、合理的なソリューションを提供することを通じ、待望の透明性をエコシステムにもたらしているのです。

【via e27】 @E27co

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