急成長の秘密は「審査方法」にアリーーインドの中小企業向けローン「Indifi」が2000万ドルを調達

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ピックアップIndia’s Indifi raises $21M to expand its online lending platform

ニュースサマリー:7月26日、インドのグルガオンに拠点をレンディングスタートアップ「Indifi」は、シリーズCラウンドにて、CDC Grupeなど計5つのファンドから約2000万ドルの資金調達を行なった。2015年に創業した同社の累計調達額は3000万ドルに到達した。

Indifiは中小事業者向けに小〜中程度の額のローン実施することに加えて、銀行やローン企業と中小事業者を繋ぐプラットホーム・サービスも運営している。前者は一般的な銀行と同じ間接金融的なスキームだが、後者はP2Pレンディングのような直接金融的な仲介業と言える。

ちなみに以前本誌で紹介したLendingkartというインドのレンディング領域のユニコーンスタートアップは、Indifiの仲介機能を利用してローンを実施している。

話題のポイント:本誌ではインドのレンディング市場と、急成長するスタートアップに関して過去にも複数記事を執筆してきましたが、Indifiの編み出したスキームは一般的なデジタル・ローンとは一味違います。

Indifiはローンを実施する際に、その中小事業者が位置する業界のトップに位置するプラットホームと協同して調査をしています。例えば、フードデリバリー市場であるレストランに対するローンを検討する場合は、インド屈指のフードデリバリースタートアップであるZomatoやSwiggyと協同してリサーチを実施し、レストランの評判や売れ行きを分析することで、リスク審査をする、といった具合です。

他にはホテルならOYOやMakeMyTrip、小売ならFlipkartといったパートナーが存在します。一般的なローン提供事業者は、その特定の企業に対し単独で信用スコアリングを実施するケースが多いとされていますが、巨大プラットホームのデータを参照して実施するスコアリングの精度はさぞ強力なのでしょう。

プラットホームと協同することは一般的なスコアリングよりも時間的コストがかかることは確かです。しかしIndifi共同創業者のMittal氏によれば、同社はこのスキームによって50%超えのリターンを出しているそうです。この数字は銀行やその他ローン事業者の約10%という数字を大きく上回っています。

またMittai氏曰く、Indifiはこれまで1万5000社を超える顧客に対して出資を実施しており、かつ昨年の2.5倍の成長を達成しているといいます。そして調達資金は新規顧客及びパートナーの獲得、そして未開拓の業界進出のための調査などに用いる見込みだと発言しています。

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