アクティブ・ユーザーは前年度比76倍ーーインド小売店に急拡大中、スマホPOSの「OkCredit」が6,700万ドルを調達

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ピックアップIndia’s OkCredit raises $67M to help small merchants digitize their bookkeeping

ニュースサマリー:インドの小売店向け販売管理・簿記アプリ「OkCredit」がシリーズBラウンドにて、Tiger GolobalやLightspeed Venturesから合計6,700万ドルを調達した。

2017年4月にバンガロールで創業、今年の6月には1,500万ドルの調達を行なっている。現在インド2,000以上の都市で展開しており、アクティブユーザー数は500万に達しているとしている。本ラウンドに参加したLightspeed VenturesのAmy Wu氏は、2019年に入ってからOkCreditのアクティブ・ユーザー数は前年度比76倍に増加したと記事内で答えている。

<参考記事>

話題のポイント:インドではコンビニ感覚の小売商店がとても多く存在しています。そして大半のお店では高価なPOSレジ(販売情報をリアルタイムで管理するレジ)を備えておらず、店員がノートに販売履歴をメモする・簿記はメモ書きを見ながら電卓計算するという形が取られているのが現状です。

チェーン展開されているスーパーなどの大きめの小売店を除いて、インドのローカル市場では上記の方式が一般的。一方、従来の手書き簿記は記入に時間がかかる面倒さがある上、記入漏れや記入ミスの確率が高く、結果的に簿記計算を狂わせる事態に繋がります。

また、現在モバイル電子決済の普及率上昇が顕著ではありますが、PaytmやPhonepe、Google Payなどが使われる頻度は低く、ローカルの小さな商店では未だに決済の9割以上がキャッシュ(インド・ルピー)で行われています。

こうした背景を踏まえてOkCreditは誕生しました。スマホ入力で簡単に販売履歴をメモでき、販売管理の計算をクラウド上で行なってくれるOkCreditアプリは、POSレジなどの高額機器の導入ができないインドの小売店に最適なソリューションであることが分かります。

加えて同アプリは、顧客の名前と電話番号を登録するだけでクレジットで商品を購入した顧客に対し、後日WhatsApp経由でリマインダーとペイメント用QRコードを送信可能。いわゆるツケ払い的な支払い方法を選択できるのも特徴の一つです。

OkCreditはGoogle Playストアから、全ての小売店が無料で利用できます。今後はマネタイズの方法として、機能拡張に伴い月額課金モデルへを追加する可能性があります。

また拡張の度合いによっては、小売市場における「販売データ版AWS」のようなSaaSモデルに移行する可能性もあります。具体的には、OkCreditアプリを通して発生した売上・顧客データ管理機能をベースに、発注・仕入れ・支払い機能やアナリティクス機能などを提供するサービスが予想されます。

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