knowte(ノウト)、現地担当者とのチャットでカスタマイズ海外旅行が作れる「Oooh(オー)」を正式ローンチ——3,000万円を資金調達

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「Oooh」
Image credit: Knowte

<12月11日更新> 山上氏のバックグラウンドについて、事実誤認に伴い一部加筆・削除。

東京を拠点とする knowte(ノウト)は19日、現地の旅行会社の担当者とのチャットで、カスタマイズされた海外旅行を作り、予約やチケッティングなども依頼できるサービス「Oooh(オー)」を正式ローンチした。また、これと合わせて、エンジェルラウンドで3,000万円を調達したことも明らかにした。名前非開示の個人投資家6人からの出資と、一部金融機関からの借り入れが含まれる。

knowte は2017年、楽天トラベル出身で楽天で事業開発や新規事業の立ち上げに関わった山下晋太郎氏と、ラクマの立ち上げなどに関わった同じく楽天トラベル出身の山上哲平氏らにより創業。通常、海外旅行では海外に現地事務所を持つ大手旅行会社以外は、顧客から注文を受けた旅行会社が現地の手配・予約専門会社に依頼をかける。このような手配会社をランドオペレータと呼ぶが、knowte はチャットで、顧客が直接ランドオペレータの担当者とやりとりし、提案を受けたり予約を依頼したりできるサービスを提供する。

OTA(オンライン旅行代理店)の利用が伸びる一方、市中のリアルな旅行代理店の中には、窓口対応において旅行相談料なる手数料を徴収するところも出てきた。しかし、こういったリアルな旅行代理店の窓口担当者とて、渡航先現地の事情に詳しいわけではない。結局のところ、細かい旅のアレンジはランドオペレータに任せているのだ。詳しい事情が提供できるわけでもないのに、OTA よりも付加価値が提供できるとして手数料が徴収されるのは、消費者視点では一見不合理にも見える。

ここに目をつけた山下氏や山上氏は、行き先に応じて、旅行を計画する消費者が適切な現地ランドオペレータとチャットで繋がることができるプラットフォームを開発した。現地のランドオペレータには、日本人や日本語に堪能な現地人のツアオペレータが在籍していることが多く、コミュニケーションには問題が生じない。中には日本人の常連客を多数持つツアーコンダクタもいて、言葉のみならず日本人の好みも考慮して、訪問先・宿泊・移動手段の計画を提案しアレンジしてくれる。

フライトは、Skyscanner とか安い仕組みがあるので、Oooh としてはあまり注力しない。むしろ、OTA などでは対応しにくい、現地ならではのアクティビティ予約にニーズがある。例えば、ゴルフ場の手配とかは、キャディをアサインしたりとか、日本から直接予約するのはハードルが高い。(山下氏)

Oooh を通じて予約が実施された際、knowte ではランドオペレータからは紹介マージンは取らず、ユーザに対して代金の10%をサービス料として課金しマネタイズする。ユーザを直接ランドオペレータに繋ぎ込んでいるので、サービス料を加算しても、同等の旅内容であれば、大手旅行会社よりもトータルで安い価格で提供できるという。

現地ランドオペレータの担当者によるアレンジ例の紹介
Image credit: Knowte

8月にβ版をローンチした Oooh は現在、ベトナム、カンボジア、インド、香港、マカオの5つの渡航先向けにサービスを提供している。今後、タイ、バリ、ハワイ、イタリア、フランス、カナダをサービス対象先に加え、3種旅行業免許の取得を計画している。

ターゲットとなるのは、まず、アーリーアダプタとしては、IT リテラシーが高く、そこそこ収入がありながら、旅をするときにペインを感じている人たち。そして、クオリティの高いランドオペレータを集め、彼らに使ってもらえるものを我々がちゃんと作れるかということが重要になってくる。(山下氏)

旅のアレンジをチャットで実現するという点に限れば、一見、BORDER、ズボラ旅、Dr. Travel などにも似ているが、現地ランドオペレータがユーザに直接対応するという点で、Oooh では差別化を図っている。

knowte では、Oooh を使って旅をしたユーザの事例を紹介するオウンドメディアを展開し、一般的な旅行サイトのような渡航先のキーワードでしか検索できないのとは違ったユーザ体験を提供することで集客を図る計画だ。

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