米ドル連動のステーブルコイン「Tether(テザー)」、ロシアの中国系輸入業者の送金手段として人気を集める

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Image credit: tashatuvango / 123RF

CoinDesk の報道によると、ロシアにいる中国系輸入業者は仮想通貨「Tether(テザー)」を使って本国にかなりの送金をしている。アメリカの法執行機関が最近規制を強化しているとはいえ、事業者の間では他の通貨と比べて価値が安定しているとして、米ドルを裏付けとする仮想通貨テザーの人気が高まっている。

重要視すべき理由:本国に送金する前に現金を仮想通貨に交換すると、年間の外貨売買限度額といった政府の規制を事業者は免れることができる。

  • 競合するステーブル通貨の人気が高まっている中で、こうした用途でテザーが多用されており、この通貨への信頼が反映されている。
  • テザーは不換通貨による裏付けが74%しかないとアメリカの法執行機関が明らかにしたことで、この通貨に対する非難の声が挙がっている。

詳細情報:仮想通貨取引による影響はロシアでもみられる。ロシア連邦中央銀行では、規制の対象とならない月間95億米ドルの資金の流れは、数は少ないがモスクワの倉庫を拠点とするモールで商品を販売している中国系事業者によるものだとしている。

  • CoinDesk の報道によると、中国系企業が購入したテザーは1日あたり300~1,000万米ドル、これに対しロシアのOTC取引業者による販売金額は同300万米ドルである。
  • 2018年に市場が強気になってテザーに乗り換える前、取引業者は主にビットコインを取り扱っていた。
  • 中国が2017年にスポット取引を禁止したものの、テザーの流動性は依然として高い。
  • 中国系取引業者は、不換通貨を仮想通貨に交換したい買い手と引き合わせるために国際的な交換所を利用するOTC市場メーカーの領域に進出している。

背景:今回のニュースが流れたのは、中国の法律の下では仮想通貨はバーチャルな財産とみなされるという判断を裁判所が下した直後だった。仮想通貨の取引や ICO は依然として違法だが、この通貨の合法性を再確認したことになる。

  • 中国では最近、仮想セクターへの関心がますます高まっている。
  • 中央銀行が独自仮想通貨の開発を急ぐべきだとする親ビットコイン的なインフォグラフィックと報告書を中国銀行が公表したが、仮想通貨に対する考え方の変化をうかがい知ることができる。
  • イノベーションの加速を阻害し、相対的に規制の緩い国との競争に劣後するリスクがあるため、中国政府はこれまで、この分散化技術を全面的に解放することには及び腰である。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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