
ニュースサマリ:国内独立系ベンチャーキャピタルのグローバル・ブレインは8月8日、デジタルメディアプラットフォーム「GB Universe」を公開した。スタートアップを志望する起業家や事業会社の新規事業担当者などを対象にした情報メディアで、業界最新動向や専門家による起業ノウハウ、支援先のインタビューなどの掲載が予定されている。
今年6月末にはブランドも刷新。昨年の年末に公表した通り、現在の支援体制は50名以上に拡大している。今回公表されたGB Universeをはじめ、起業家向けの勉強会やコミュニティグループ、若手投資家などを集めた新たなイベントなどを準備中で、国内における新たな起業エコシステムの構築を推進する。

話題のポイント:運用総額1500億円、メルカリやラクスルを筆頭にIPO14社、M&A 45社のトラック・レコードを積み上げてきたのが国内独立系VC最古参のグローバル・ブレインです。昨年末の年次イベント「GBAF」で公表していた通り、支援体制強化やブランド刷新、新たなコミュニティ活動など、ここにきていよいよ新しい動きが顕在化してきました。今日、公表されたのはその第一弾、というわけです。
<参考記事>
これまでのグローバル・ブレインの強みはどちらかというとエスタブリッシュなスタイルで、特徴的なスキームとして大企業と連携するCVC支援がありました。KDDIと共同で立ち上げた「KDDI Open Innovation Fund」は現在3号まで運用が継続しており、2011年から運営された支援プログラム「KDDI ∞ Labo」と連動して日本国内のオープンイノベーションを牽引してきた実績があります。
結果的に「縁の下の力持ち」的な印象が強く、創業者の百合本安彦さんはじめ、パートナーの方々が積極的に露出することは少なかったように思います。そういう意味で、今回、彼らが打ち出してきた「積極支援」の戦略は大きな転換点です。
昨日の勉強会!雨にも関わらず大勢の皆さまにご参加頂きありがとうございました。
本音も飛び出す有意義な会になったと思います。次回の勉強会も企画中ですので近日中にお知らせします。
盛り上げていただいた菅原先生、ご参加の皆様ありがとうございました!(GBスタッフもありがとう)#gb_startup1 pic.twitter.com/jZdrl6lgEP— Yasuhiko Yurimoto (@YYurimoto) July 12, 2019
比較的オープンな戦略としては、前述したGB Universeというオウンドメディアを中心に情報を集め、独自の起業家コミュニティや勉強会、オープンオフィスなどの企画を展開する。もちろんこれらは目新しい手法ではありませんが、これまで積み上げてきた支援先のネットワークや事業会社との連携で、結構早い段階での濃密かつセミクローズドなコミュニティが立ち上がるのではないかなと想像します。
また50名体制で実施するハンズオンのテーマについても、事業開発、海外展開、採用、マーケティング、PR、バックオフィスと多岐に渡ります。これらの具体的な支援内容については今後、順次情報が公開されるということなので、またその際に共有したいと思います。
国内でも非製造業のスタートアップで100億円規模の増資が出てくるなど、起業支援を取り巻く環境はまだまだ勢いが感じられる状況です。新たな起業家や独立系VCが生まれ続ける中、グローバル・ブレインがどのようなポジショニングに変化するのか楽しみになってきました。
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